骨盤の後方下制の静止性収縮(SCPD)手技と骨盤の前方挙上の静止性収縮(SCAE)手技が股関節伸展自動関節可動域(AROM)に及ぼす効果について検証した。股関節伸展制限を伴う整形外科的疾患患者36名をSCPD手技群,SCAE手技群,ストレッチ(SS)手技群の3群に配置し、各手技前後のAROM変化値を指標とした。一元配置分散分析の結果,各群間に有意差を認め,多重比較検定の結果,SCPD手技群とSCAE手技群はSS手技群に比べ有意な改善が認められた(p<.05)。整形外科的疾患患者の股関節伸展AROM改善には,SCPD手技とSCAE手技が有効である可能性が示唆された。
PP.33~38