健常者における下肢複合運動と直線運動の差異が脳活動に及ぼす影響を機能的磁気共鳴画像(functional magnetic resonance imaging:fMRI)を用いて脳賦活部位・脳賦活量を指標とし検証した. 右利き足の健常者8名に股関節屈曲-内転-外旋の抵抗運動による静止性収縮 (F-Ad-E)・股関節屈曲-外転-内旋の抵抗運動による静止性収縮 (F-Ab-I)・股関節屈曲の抵抗運動による静止性収縮(F)の3課題を無作為に各被験者に施行し, 課題運動中の脳活動を3.0TMR画像にて撮像した.撮像結果から課題時の脳賦活部位・脳賦活量を算出した.その結果,F-Ad-E課題・F-Ab-I課題で左・右感覚運動野,左・右小脳が賦活されF課題で賦活はみられなかった.この結果より,下肢複合運動は直線運動と比較して運動の速さ・発揮する力の強さ・運動速度の調整や動作の巧緻性において脳活動を活性化することが示唆された.