本報告では高齢者における14週間の自主運動の身体機能と身体組成への効果を検討した。高齢者18名(平均年齢74.1歳)を対象として、3種類の自主運動(1分間の片脚立位保持、椅子立ち上がり10回、早歩き)を14週間行わせた。身体機能(筋力、バランス、Short Physical Performance Battery)と身体組成を自主運動の実施前後で計測し、比較検討した。結果、バランス能力の向上が認められたが、骨格筋指標は14週間で減少した。それぞれの運動実施状況は各個人で異なっていた。また、自主運動の実施頻度は中間で減少していた。これらの結果から、今回行った自主運動は高齢者の身体機能を維持できるが、骨格筋量の増加のためには負荷量が不十分である可能性が示唆された。身体機能および身体組成の改善や定期的な運動の実施のためには指導者の定期的な介入が必要になると考えられた。
[共同研究者]大杉紘徳,栗原靖,河辺信秀,横井悠加,田上未来,桑江豊,池田誠,森下勝行
筆頭著者として執筆