薬剤師による処方監査、疑義照会や服薬指導は、副作用や薬効重複、相互作用の未然防止といった薬の適正使用に必要な業務とされている。本研究では、薬局薬剤師による疑義照会内容の調査を行い、疑義照会内容の臨床的影響度について検討した。つぐみ薬局にて、6ヵ月間に疑義照会が行われた処方箋1,653枚を対象とし、処方変更枚数、患者情報、疑義照会内容について調査した。疑義照会率は4.7%であり、そのうち処方変更が行われた処方箋は84%であった。薬学的疑義照会の処方変更率は65.1%と低く、中でも重複投与が58.8%と最も低かった。薬学的疑義照会のうち臨床的影響度3が最も多く、臨床的影響度5であっても患者状態を考慮し、処方変更が行われなかったものもあった。薬局薬剤師から医師へ積極的に情報提供を行うとともに、患者にも医師と積極的にコミュニケーションが取れるよう支援することが大切であると考える。
PP.702-709