本研究では,表面筋電図の離散ウェーブレット変換を用いて,負荷の違いや時間経過によって筋力に影響する神経性要因について検討とした.結果,median周波数および高周波成分の含有率が高く,10%や30%MVCといった低い筋出力発揮時から速筋線維の参加が考えられた.これはMVC測定時の筋収縮がその後の測定に影響したと考えられた.筋電図積分値は10%MVCから100%MVCにかけて筋出力が増加する割合に応じた増加傾向を示し,高い筋出力発揮においても神経性要因である運動単位の動員などの変化が捉えられたと考えられた.このことから,離散ウェーブレット変換を用いた表面筋電図の解析により,筋出力時の神経性要因を把握できる可能性が示唆された.
共同研究につき本人担当部分抽出不可能