本研究の目的は,超音波治療が筋組織の局所血液循環と酸素動態に及ぼす影響を近赤外分光法を用いて明らかにすることである.さらに,局所血液循環と酸素動態および組織温度(皮膚・筋温)との関連性を明らかにし,超音波療法における筋酸素化のメカニズムを検討した.結果,超音波療法の筋温は介入後25分でベースラインに復元し,他の介入と有意差を認めなかったが,酸素化ヘモグロビンの上昇は介入後60分間においてベースラインおよび他の介入に比べ高値を示した.組織温度がベースラインに復元したにも関わらず,筋の局所循環や酸素動態が介入後60分間維持されていることから,その効果のメカニズムとして超音波の機械的効果と温熱効果の両方が相乗的に作用している可能性が示唆された.
(Outstanding presentation award 受賞)
研究計画立案,データ収集,データ解析,統計解析,学会抄録集執筆,研究発表