連続ウェーブレット変換(CWT)を表面筋電図の解析へ導入する理由としては,時間-周波数領域における解析が詳細に行えることが期待されているからである.しかしながら,CWTはフーリエ変換の代用あるいはマザーウェーブレットが解析目的に合うか吟味されずに使用されていることが多い.本研究では,表面筋電図の解析に適したマザーウェーブレットとしてMorletのω0=5.336を選択し,それをCWTで用いた表面筋電図の解析方法を提案した.筋疲労の解析では,筋電図の除波化と筋放電量の増加を定量的に捉えることができ,さらに周波数成分や電位が時間経過とともに複雑にゆらぎながら変化している様子を可視化できることを報告した.
pp.39-45