第28巻
健康とは、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることとされる。本研究では、地域在住中高齢者の主観的な健康感や幸福感と身体機能・身体組成との関連を検討した。結果、主観的な健康感は骨格筋指標(ρ= 0.57)、複合的身体機能指標(ρ= 0.55)と有意な正の相関を認めた(ともに p <0.05)。また、主観的な幸福感は疼痛の有無と関連し、疼痛があると答えた対象の幸福感が有意に低かった(p <0.05)。このことから、身体機能の向上や筋肉量の増加、疼痛軽減など理学療法士の専門性を基にした取り組みが地域在住中高齢者の健康増進に有益である可能性を示唆した。