加速度センサ・角速度センサを組み込んだウェアラブルモーションセンサを用いて,要支援認定者の運動機能評価を行った.第一章では研究の背景を述べた.第二章では,ウェアラブルモーションセンサの概要と解析方法を述べた.第三章では,理学療法で一般的に用いられる10m歩行,TUG,FSSTの運動機能評価を行い,従来の時間計測では得られない動作中の体幹・下肢の角度,腰部加速度の対称性・再現性の詳細な情報を得ることができた.第四章では,長期間の運動機能評価への応用を検証するため,介護保険認定者の3ヶ月間の運動療法実施前後の10m歩行評価を行った.その結果,歩行速度の改善とウェアラブルモーションセンサの信号情報から,歩行周期,歩行率,歩行中の股関節角度,歩行周期の対称性の改善を定量的に判定し,臨床応用の有用性を示すことができた.