臨床現場におけるノンクリティカル器材の浸漬消毒に変わる方法として、家庭用の小型食器洗浄機を用い、 その熱水消毒効果ならびに洗浄効果を評価し、臨床適用の妥当性を検証する。 家庭用の市販小型食器洗浄機として NP-TR®5(パナソニック)を用いた。洗浄工程中の温度推移について、庫内8箇所と器材内の各温度を測定、国際規格 ISO 15883 の Ao 値を算出し熱水消毒効果を評価した。洗浄効果は、汚染指標に Artificial TEST SOIL(ヘモグロビン 670µg/mL 含有)を用い、ポリプロピレン製のテストピースにて庫内 28 箇所の洗浄比較を、また再使用医用器材にて実際の 洗浄効果を、それぞれヘモグロビン残量を測定して評価した。用いた小型食器洗浄機の庫内、器材内の Ao 値はともに国際規格 ISO 15883 のノンクリティカル器材に要 求される 60 以上を満たした。ヘモグロビンを指標とした洗浄評価において洗浄効果は総じて良好と判断され、ノ ンクリティカル器材の浸漬消毒に変わる方法として、家庭用の小型食器洗浄機は清浄化する方法として臨床適用 の妥当であることを検証された。