心肺蘇生法(CPR)での胸骨圧迫の効果は体力を要するものであり、体格の異なる男女間では十分な深さを確保する困難さも異なると考えられる。そこで、エアマット使用時の胸骨圧迫の有効性の男女差について検討した。床で胸骨圧迫を行った群、エアマット使用群、エアマット+背板群、CPRモード群、CPRモード+背板群で胸骨圧迫スコアを比較した。男性では、各群で有意な差を認めなかった。女性群では床で胸骨圧迫を行った群のスコアと比較し、エアマット群とエアマット+背板群で有意な低下を認めた。CPRモード群、CPRモード+背板群ではその他の群と比較し有意な差は認めなかった。女性群ではエアマット群、エアマット+背板群で有意な低下を認めたのは、男性群に比べ女性群では筋量、体重が共に低いためエアマットが沈んでしまった際に有効な胸骨圧迫を行う事ができないからであると考えられた。
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