ユーコン川上流域の先住民社会によるサケ漁と漁獲の分配が持つ社会的重要性について指摘するとともに、文化伝承の危機や燃料価格の高騰といった状況変化に対応した伝統的生活手法の柔軟な活用について報告した。さらに上流域の先住民社会がサケの生計漁撈を行うにあたって直面する様々なレベルでの対立構造を整理し問題の構造を明らかにした。最後に、これらの問題解決に向けた先住民社会の動きについて言及した。
第2章「社会資源としてのサケ-ユーコン川上流域の先住民社会におけるサケの重要性とそれをとりまく諸問題」pp.41~68