先住民による水産資源の社会的分配と商業流通
国立民族学博物館
国立民族学博物館共同研究
水産資源の保全管理と流通との関係を環太平洋/極北地域の事例を中心に比較検討し以下の結論を得た。国内外市場から需要があり商品価値が高く広域に流通する水産資源を保全し持続的に利用するためには、当該資源の市場への流通や資源需要を制御する、つまり末端生産者である漁民から流通網を経て末端の消費者までを視野に入れた資源の管理が必要である。一方、市場価値は低いが先住民利用者が必要とする資源の場合には、国家と利用者による資源共同管理や地域社会での主体的な資源管理の制度を構築し運用する方がより有効である。