Conference

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Name Kakegawa Tomohito
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Title

クラリスロマイシンがB-lymphoblastoid cellのトランスクリプトームに及ぼす影響 

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日本薬学会第133年会(横浜)

Publication Date

2013/03/29

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Summary

【目的】14員環マクロライドを少量長期投与するマクロライド療法は、びまん性汎細気管支炎に有効である。14員環マクロライドのクラリスロマイシン(CAM)は、宿主に対して炎症作用を始めとする広範な生物反応、情報伝達系や様々な細胞に影響を及ぼすことが知られているが、血液系細胞への影響の詳細は未だ明らかになっていない。本研究では、B-lymphoblastoid cell(BJAB)のトランスクリプトームに及ぼすCAMの影響を検討した。
【方法】BJAB細胞をCAM添加又は無添加で72時間培養した後、Dignamらの方法に従い細胞質を調製し、ショ糖密度勾配法により9つのフラクションとして分取した。各フラクション中の全RNAを抽出後、網羅的にmRNA発現を解析した。その解析結果をもとに、Pathway解析を行った。
【結果・考察】Filgen社のGenMAPP Pathway解析の結果、CAM添加により14のpathwayに有意な変化がみられた。有意な変化がみられた中でも最も発現調節を受けた遺伝子数が多かったのはmRNA-processingであり、44種類の遺伝子の変化が確認できた。これらには、mRNAの転写因子や転写調節因子、スプライシング因子(snRNP、SR-proteins)等の成熟及び安定性に関わる因子(HuR、YBX1、hnRNPs)が含まれていた。この結果は、CAMの抗炎症作用に関わるとされているIL-6、IL-8、TNF-α、GM-CSF、ICAM-1等のmRNAのオルターネティブスプライシング及びmRNAの安定性がCAMにより調節を受けている可能性を示唆している。さらに炎症に関わる情報伝達系では、TNF-αを介したpathwayでRelBが負の調節を受けていたことから、CAMの抗炎症作用にはRelBの負の発現調節が寄与していると考えられた。タンパク質の代謝に関連するpathwayでは、ATP dependent 26S proteasomeを形成するタンパク質の遺伝子発現の増加が示唆された(19中10遺伝子)。さらに、CAMは転写や翻訳因子の遺伝子発現を増加させていると予想されたことから、細胞内の高分子量物質の分解と合成を高めている可能性が考えられた。

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