Conference

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Name Kakegawa Tomohito
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Title

トランスレートー厶の網羅的解析情報に基づくシコニンの生理活性作用の解析 

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天然薬物研究方法論アカデミー 第18回大子シンポジウム

Publication Date

2015/08/07

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Summary

目的】DNAマイクロアレイを用い細胞の総RNAを網羅的に解析する「トランスクリプトーム解析(TRC-A)」に加え、最近は3つ以上のリボソームが結合したRNAを網羅的に解析する「トランスレートー厶解析(TLN-A)」が行われている。TLN-AとTRC-Aの結果の比較により、新たな遺伝子発現調節の情報が得られる。本研究では、シコニン(SK;生薬シコンの有効成分)の創傷治癒促進作用の機序を解明するために、実験創傷治癒系でSK存在下(+)又は非存在下(-)の両解析の結果を比較・検討した。
【方法】ヒトケラチノサイト(HaCaT)細胞を用いた実験創傷治癒系において、SK(+)又は(-) で受傷後、TRC又はTLNを調製し、それぞれDNAマイクロアレイを用いて解析した。
【結果】TRC-Aの結果から、①転写物の数は受傷後30分から6時間の間に大きく増減し、②SK(+)では、受傷1時間後と3時間後でSKにより共通に影響を受ける遺伝子が、SK(-)(対照)に比べ少ないことが明らかになった(Upregulation(Up); 8.2% vs 0.5 %,downregulation(Down); 8.1 % vs 1.9%)。TLN-Aの結果からは、①遺伝子数の変化は3時間後に頂点に達し、その後減少し6時間後には受傷前より減少していること、また、②polのmRNAへの結合については、30分後と3時間後でUpとDownでそれぞれ73%と72%の遺伝子が重複していたが、SK(+)では1時間後と6時間後で共通に10種がDownを受けていることが明らかになった。
【考察】SKは実験創傷治癒の初期において、転写と翻訳の両段階で遺伝子発現調節をしていると考えられ、その作用機序は転写段階と翻訳段階で異なると予想される。以上のように、様々な生理活性を有する化合物についてTRC-AとTLN-Aのデータを集積することにより、天然物の薬理的評価を行うための新たな手法の開発が可能となると考える。

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