Conference

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Name Kakegawa Tomohito
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Title

Translatomeの網羅的解析情報を利用した薬理作用の予測 

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第32回和漢医薬学会学術大会(富山)

Publication Date

2015/08/22

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Summary

【目的】細胞や組織の微小環境や薬物に応答して生じる遺伝子発現の変化を、DNAマイクロアレイを用いて網羅的に解析する、トランスクリプトーム解析が汎用されている。最近では、更に、ポリソーム調製の技術あるいは次世代シーケンサーと組合せて、組織や細胞中で3個以上のリボソームが結合しているmRNAを定量する(トランスレートー厶解析)あるいはmRNAに結合しているリボソームの密度や場所の精密な測定(リボソームプロファイリング)が広がりを見せている。これらにより、単なるトランスクリプトーム解析法と比較して、驚くべき新しい遺伝子発現調節の情報が得られたことで、細胞や組織のタンパク質量の全体像(プロテオーム)に繋がる遺伝子発現の調節の仕組みを推察することが可能になりつつある。演者は、良姜由来のdiarylheptanoidsがヒトB-リンパ球系細胞へ及ぼす影響並びに合成cannabinoidsのヒト単球系への影響を明らかにする目的で、遺伝子発現のトランスレートー厶解析を行った。
【方法】ヒトB-リンパ球系細胞を良姜由来の3種のdiarylheptanoids(AO-0001、AO-0002、 AO-0003)添加の有無で2時間培養、あるいはヒト単球系細胞を3種の合成cannabinoids(JWH-018、JWH-122、JWH-210)添加の有無で6時間培養後、細胞質を抽出し、更にショ糖密度勾配により分離後、9本のフラクションとして分取した。3個以上のリボソームが結合しているmRNAsを含むフラクション中の全RNAを抽出後、DNAマイクロアレイを用いて網羅的に解析し、全mRNA probesの検出強度に対する各mRNA probeの検出強度を求めた。各mRNA probe検出強度が薬物の添加により2倍以上あるいは2分の1以下に変化したものについて、Filgen社のGenMAPP Pathway解析(変化を生じたWiKiPathwayの同定)を行った。
【結果】 AO-0001、AO-0002、 AO-0003 、JWH-018、JWH-122、JWH-210の添加によりそれぞれ7、4、10、6、13、13系統のWiKiPathwayに含まれるprobeが有意(<0.05)に変化した。その内2系統は3種のdiarylheptanoidsによって、3系統は3種のcannabinoidsに共通して有意な変化が認められた。解析した6種の添加により全種類がClass A Rhodopsin-like GPCRsを負に、JWH-018を除く5種が mRNA processing を正に調節した。
【考察】良姜由来の3種のdiarylheptanoids及び3種の合成cannabinoidsについて、リボソームが結合した遺伝子mRNA量の調節に及ぼす活性と構造の相関について、この変化に基づくWiKiPathwaysの変化として記述することができた。様々な生理活性を有する化合物についてトランスレートー厶解析あるはリボソームプロファイリングのデータを集積することで、新規化合物の薬理的評価を行うmarker gene probeの同定および手法の開発が可能であると考えられる。

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