城西国際大学開学十周年記念行事 日本研究センター主催「房総と文学史」 演題「物語伝承圏としての佐倉―『雲玉和歌集』を読む―」
文学史における中世房総の様相は、ようやく研究も緒に就いたばかりであり、一般によく知られた題材は多いとはいえない。その中で、戦国時代の佐倉で編まれた『雲玉和歌集』は、その存在もさることながら、当時の歌人たちの動向をうかがえる資料としても大変重要な作品である。また、詞書にはたぶんに説話的要素があり、和歌と説話の関係性を示す資料でもある。本講演では、そういった側面を通して、伝承「醸成地」としての佐倉を概観した。