第28巻
「目的」本学学生アスリートのバランス機能とスポーツ傷害発症との関係性について検証することとした.「対象,方法」対象は本学の競技部所属の学生アスリート49名および非競技部の学生18名とした.バランス機能の評価はStar Excursion Balance Test(SEBT)を用いた.スポーツ傷害発症状況は,過去1年以内のスポーツ傷害受傷経験の有無についてアンケートを行った.競技部は,女子ソフトボール,女子駅伝部,男子・女子バドミントン部の4群,非競技部は男子・女子の2群に分類し,6群のSEBTの値を比較した.また,学生アスリートをスポーツ傷害受傷経験の有無で分類(傷害群,非傷害群)し,2群のSEBTの値を比較した.「結果」競技部,非競技部のSEBTの値において,各群に要因の主効果はなかった.傷害群と非傷害群はSEBTの値に有意差があり,傷害群は非傷害群に比べてSEBTが低値を示した.「結論」本学の学生アスリートのスポーツ傷害発症予防において,バランス機能の向上に対する取り組みの必要性が示唆された.