呼吸筋酸素消費量の増加は慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患患者の息切れの原因の1つと考えられている.しかしその測定方法は確立しておらず,複雑な手順を要し,臨床において普及していないのが現実である.そこで今回,より簡便に測定する方法がないか検討するため,呼気ガス分析器に容量500mlと1000mlのゴムチューブを接続した死腔負荷による呼吸筋酸素消費量測定器を考案し,健常人(14名)を対象に実施した.その結果,死腔負荷量増加に伴い換気パラメーターは有意に増加し,換気量と酸素消費量は強い相関関係を示した.また,20~30代の健常人の呼吸筋酸素消費量は,0.14~0.15ml/kg/Lと推測された.