シラバス情報

授業科目名
介護過程II
学年
2年
単位数
2.00単位
実務経験の有無
〇(実務経験有)
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
池田 静香
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語
授業方法区分
開講キャンパス
東金キャンパス
授業の到達目標及びテーマ
【目的】
 「介護過程Ⅰ」で学んだ介護過程をもとに、実際に様式を活用して展開できることを目的とする。
 介護過程の展開により作成した介護計画は、対象者を中心に据え、QOLを高めるものであること。さらに、他職種との連携を伴うチームアプローチができるものであること。
 これら知識は、ディプロマポリシーの「福祉・介護・保育・行政の現状を理解し、課題を自ら探究することができる」「専門的な知識や技能を論理的かつ批判的思考力及び判断力のもと、主体的に活用することができる」につながる。カリキュラム・ポリシーの「多様化するニーズを理解し、介護の専門知識・技術を実践することができる」を補完する。

【到達目標】
1.介護過程の構成要素や展開のしかたについて説明することができる。
2.所定の介護過程の様式を使って、介護過程を展開することができる。
3.利用者中心に据え、利用者の尊厳、QOLを目指した介護計画の重要性が理解できる。
4.介護保険における介護計画と介護過程の関連が理解できる。
5.他職種協働のチームアプローチの重要性が理解できる。

【キーワード】
介護過程、個別ケア、QOL

【授業紹介動画】⇒https://youtu.be/VWiCseBJQgo
授業の概要
 この授業は、演習科目である。介護過程Ⅰで学んだ介護過程の基本的理念、展開方法を踏まえてより実践的に行えるように、事例を使って本学所定の介護過程の様式の活用方法を理解していく。また、様式に慣れるだけでなく、その人らしい生活が築けるような介護計画を立案できるように介護過程を展開する。介護を実践していくうえでは、根拠のある介護が求められる。高齢者や障害を持つ人々のニーズを的確に把握くできるよう、介護過程の展開方法を学んでいく。
 授業の方法としては、3つの段階で進めていく。
step1.事例1を使って、様式の説明と留意点を説明し、見本を示しながら実際に様式に書き、様式に慣れる。
step2.事例2を授業の前半は説明後、個人ワークとし、後半はディスカッションにて視野の拡大、思考の多角化を図り、学生同士のフィードバックを行う。
    様式の節目に課題を提出し、教員による添削やフィードバックなど受ける。
step3.事例3では、すべてを一人で行い、介護過程の展開方法を習得する。

授業計画
1回
【オリエンテーション/介護過程の意義・構成要素の復習】
 授業の進め方について説明します。授業の受け方、課題に対するルールなどを理解します。
 介護過程の意義とともに、介護過程の構成要素について復習し、今後の授業の取り組みについての理解を深めます。
【到達目標】①授業の進め方がわかる。 ②介護過程の構成要素を説明できる。
事前学習
シラバスを読んでおくこと
介護過程の構成要素を復習する(計2時間)
事後学習
授業のまとめを行う。(2時間)

2回
【介護過程を展開する様々な様式を理解する/事例1①日常生活動作の情報収集】
 本学所定の介護過程の様式の説明をします。各項目に合った内容が書けるように理解を深めます。
 また、様式(1)-①を使って、日常生活動作の情報収集について説明を行い、実際に記載します。
【到達目標】①所定の書類を説明できる。  ②(1)-①の様式の活用法を説明できる。
事前学習
観察手段について復習する(2時間)
事後学習
授業の内容をまとめる(2時間)

3回
【事例1②医療、気持ちの情報収集】
 様式(1)-②③の説明を行い、事例を通して実際に記載します。
【到達目標】(1)-②③の活用法を説明することができる。
事前学習
事例1を読む(2時間)
事後学習
授業の内容をまとめる(2時間)

4回
【事例1③気になることを明確化する】
情報収集後、どのようなニーズがあるのかを明確化するため、オリジナルのシートを使って明らかにします。説明後、実際に行います。
【到達目標】受け持ち利用者のニーズを明らかにする手法を説明できる。
事前学習
集めた情報(1)-①②③を読む(2時間)
事後学習
授業の内容をまとめる(2時間)

5回
【事例1④ICFモデルを使って全体像を把握する】
様式(2)の説明を行います。知り得た情報をICFモデルを使って全体像を把握し、気になること、引っかかることの相互関係を明らかにしていきます。
【到達目標】様式(2)の活用法を説明できる。
事前学習
前回の授業で使ったワークシートを見直す(1時間)
事後学習
授業の内容をまとめる(3時間)

6回
【事例1⑤ 根拠となる情報、情報の解釈、関連付け】
様式(3)の説明を行い、事例1の情報からニーズ(生活課題)の裏付けを行い、介護判断を行います。
【到達目標】様式(3)の情報の関連付け、解釈、統合を説明できる。
事前学習
前回の授業で使った資料を見直す
介護過程Ⅰで使用した資料を復習する
(計2時間)
事後学習
授業の内容をまとめる(2時間)

7回目
【事例1⑥ 生活課題の抽出】
前回の授業の続きを行います。生活課題の考え方の説明をしたのち、事例1の解釈・関連付けから介護判断をし、生活課題を抽出します。
【到達目標】様式(3)の受け持ち利用者の求めている生活課題を抽出する方法を説明できる。
事前学習
前回までの自分のアセスメントを読む
介護過程Ⅰで使用した資料を復習する
(計2時間)
事後学習
授業の内容をまとめる(2時間)

8回
【事例1⑦ 総合的な支援方針、目標設定】
介護計画の様式(4)の説明を行います。引き続き事例を使い、総合的な支援方針、目標設定をどのように書いていくのかを実際にワークにて学びます。
【到達目標】様式(4)の活用法を説明できる。総合的な支援方針、目標設定の仕方を説明できる。
事前学習
介護過程Ⅰで使用した資料を復習する(2時間)
事後学習
授業の内容をまとめる(2時間)

9回
【事例1⑧ 介護計画の立案】
 様式(4)にある、介護計画についての説明をします。その後、前回行った目標を意識しながら達成するための介護計画(具体的な支援方法)を立案します。
【達成目標】介護計画の立案の仕方を説明できる。
事前学習
介護過程Ⅰで使用した資料を復習する(2時間)
事後学習
授業の内容をまとめる(2時間)

10回
【事例1⑨ 実施と評価、介護実習における介護過程の進め方】
様式(5)についての説明を行います。介護過程の展開方法が一区切りとなります。今までの振り返りを通して、介護実習先で介護過程を実践的に取り組むための計画を考えてます。
【到達目標】様式(5)について活用法を説明できる。介護実習にいて、介護過程を実践するための計画が立案できる。
事前学習
介護過程Ⅰで使用した資料を復習する(2時間)
事後学習
授業の内容をまとめる(2時間)

11回
【事例2① アセスメント(1)-①】
 日常生活動作の情報収集の仕方について留意事項を説明を行った後、事例2の情報収集を個人ワークにて行います。その後グループディスカッションにて情報の偏り、抜け落ちなどはないかを明らかにします。
【達成目標】様式(1)-①を的確に記載することができる。
事前学習
情報収集の仕方を復習する(2時間)
事後学習
様式(1)-①をまとめる(2時間)

12回
【事例2② アセスメント(1)-②③】
様式(1)-②③の情報収集について留意事項の説明を行います。個人ワークにて情報を整理したのち、グループディスカッションにて情報の偏りや抜け落ちがないかなどを明らかにします。
【達成目標】様式(1)-②③を的確に記載することができる。
事前学習
情報収集の医療的知識、気持ちの書き方を復習する(2時間)
事後学習
様式(1)-②③をまとめる(2時間)

13回
【事例2④ アセスメント(2)】
様式(2)の留意事項の説明を行った後、個人ワークにて受け持ち利用者の全体像を把握し、利用者のニーズを検討します。その後、グループディスカッションにて検討したことは多角的に見れていたかなどを確認します。
【到達目標】受け持ち利用者の情報を統合し全体像を把握することができる。
事前学習
受け持ち利用者の全体像の把握の仕方を復習する(2時間)
事後学習
様式(2)をまとめる(2時間)

14回
【事例2④ アセスメント(3)根拠となる情報、情報の解釈、統合化】
受け持ち利用者の全体像から、情報を統合し、介護判断まで留意事項にて説明を行い、個人にてワークを行います。その後、グループディスカッションにて介護判断は多角的であったかなどを検討します。
【到達目標】介護判断をあらゆる方向性から統合し、導き出すことができる。
事前学習
様式(3)の復習をする
様式(2)を再度見直す(計2時間)
事後学習
様式(3)の根拠となる情報、情報の解釈・関連付けをまとめる(2時間)

15回
【事例2⑤ アセスメント(3)生活課題の抽出】
生活課題の抽出について留意事項の説明をします。個人ワークにて前回の情報の解釈・関連付けから生活課題を抽出します。その後、グループディスカッションにて表現の仕方は適切に行えていたかを確認します。
【到達目標】生活課題を適切に導き出し、記述することができる。
事前学習
様式(3)書き方の復習をする(2時間)
事後学習
様式(3)をまとめる(2時間)

16回
【事例2⑥ 介護計画(4)総合的な支援方針、目標設定】
総合的な支援方針、目標設定の仕方についての留意事項を説明し、個人ワークにて作成します。その後、グループディスカッションにて目標設定の表現方法、設定に無理はないか、現実的か、QOLに向かっているかなどを検討します。
【到達目標】総合的な支援方針、目標設定を適切に考え、記述することができる。
事前学習
様式(4)について復習する(2時間)
事後学習
様式(4)の総合的な支援方針、目標設定をまとめる(2時間)

17回
【事例2⑦ 介護計画(4)介護計画】
介護計画の留意事項を説明をします。個人ワークにて立案したのち、留意事項に則しているか、具体的な計画になっているかなどをグループディスカッションにて検討します。
【到達目標】適切な具体的支援方法を考え、記述することができる。
事前学習
介護計画の書き方を復習する(2時間)
事後学習
様式(4)をまとめる(2時間)

18回
【事例2⑧ 発表】
実際に計画した介護過程を発表します。さまざまな考え方があることを知り、自身の介護過程の思考について特性を理解したり、受け持ち利用者のQOLや安全性などについて検討します。
【到達目標】発表を通して介護の知見を拡げることができる。
事前学習
事例2を読み直し、全体を把握する(2時間)
事後学習
自分の介護過程を振り返りまとめる。(2時間)

19回
【事例2⑨ 発表 多職種連携】
介護過程を実際にどのように実施していくか、演習を通して発表します。それを通して、他職種との連携のあり方についてグループディスカッションを行い検討します。
【到達目標】介護過程と多職種連携のあり方を理解できる。
事前学習
介護計画を見直す
他職種の役割を復習する(計1時間)
事後学習
事例2をまとめる(3時間)

20回
【事例3① アセスメント(1)-①】
事例3を使って、様式(1)-①に記載していきます。
【到達目標】様式(1)-①を適切に記載することができる。
事前学習
様式(1)-①②③を復習する(2時間)
事後学習
様式(1)-①をまとめる(2時間)

21回
【事例3② アセスメント(1)-②③】
事例3を使って、様式(1)-②③に記載します。
【到達目標】様式(1)-②③を適切に記載することができる。
事前学習
病気や薬などを事前に調べる(2時間)
事後学習
様式(1)-②③をまとめる(2時間)

22回
【事例3 アセスメント(2)】
受け持ち利用者の各情報を関連付けるために様式(2)を使って整理します。
【到達目標】様式(2)を使って受け持ち利用者の全体像を把握することができる。
事前学習
ICFモデルの復習をする(2時間)
事後学習
受け持ち利用者の全体像から生活課題を検討する(2時間)

23回目
【事例3④ アセスメント(3)】
様式(2)から考えられる生活課題を様式(3)を使って明確にします。
【到達目標】生活課題を適切に導き出し、記載することができる。
事前学習
様式(3)の書き方を復習する(2時間)
事後学習
様式(3)をまとめる(2時間)

24回
【事例3④ 介護計画(4)目標設定】
様式(4)を使って、受け持ち利用者の生活課題を解決する総合的な支援方針、目標設定、具体的支援方法を立案します。
【到達目標】様式(4)を適切に記述することができる。
事前学習
様式(4)について復習する(2時間)
事後学習
様式(4)をまとめる(2時間)

25回
【事例3⑤ 介護計画(4)介護計画】
より実践的な介護計画(具体的支援方法)を立案できているか、振り返りを行います。
【到達目標】現実的かつ、安全性のある具体的支援方法を立案できる。
事前学習
具体的な支援方法に関連する情報を調べる(3時間)
事後学習
事例3をまとめる(1時間)

26回
【事例3⑥ 発表 /振り返りとまとめ】
グループにて自分たちが考えた介護過程を発表し、現実性や安全性、QOLに向かっているかなどをディスカッションします。後半は、介護過程の振り返りを行います。
【到達目標】介護過程の展開を通して介護計画が立案できる。
事前学習
自分が考えた事例3の介護過程を読み直す(2時間)
事後学習
授業の内容をまとめる(2時間)

試験及び成績評価
1.授業内課題レポート 50%
2.期末課題レポート 50%
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
次回授業内での解説、または解説コメントを配布します。
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
指定しない。授業のなかで適宜資料を配布する
参考文献・推薦図書
『介護過程』柊崎京子編/建帛社/2021/2500円(税別)
『事例で読み解く介護過程の展開ー根拠に基づく「生活支援」を実践するために—』森繁樹/中央法規/2015/2200円(税別)
研究室
東金キャンパス・A棟・非常勤室
オフィスアワー
火曜日2限
科目ナンバリング
学位授与方針との関連
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