シラバス情報

授業科目名
医療倫理学
学年
1年
単位数
2.00単位
実務経験の有無
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
中田 亜希子
授業形態
授業で主に使用する言語
授業で主に使用する言語:日本語
授業方法区分
開講キャンパス
東金キャンパス
授業の到達目標及びテーマ
生や死、移植医療や先端医療に関連したテーマでの少人数討論を通して、様々な死生観・価値観・信条等を受容することの重要性を理解する。その理解を深めるため、(1)生命倫理、(2)医療倫理、(3)患者の権利、(4)研究倫理の基本を学ぶ。「チーム医療の現場で活躍できる理学療法士」に求められる倫理観・臨床マインドを涵養することを本授業の目的とする。
授業の概要
① 科目名:医療倫理学(Medical Ethics)
② 授業形態:講義
③ 内容:
本コースの前半では、医療倫理に関する基本的な理論、コースの後半は医療倫理のトピックについて一般的に考えられる対立や葛藤の構造を理解する。各回の授業は2コマ連続となっている。1コマ目には基本的な知識の講義と少人数によるディスカッションを行い、2コマ目には発表会を行う(7/20を除く)。
・発表会ではピア評価を行う。
・中間テストを6月29日(水)に実施する。
・小テストは授業内で適宜実施するが、総合評価の対象としない。

授業計画
1回
【オリエンテーションと規範倫理の三理論】
2限目はオリエンテーション、規範倫理の三理論の講義を行う。
3限目は、少人数グループディスカッションを行う。
ディスカッションのテーマ:「あなたはどちらを選びますか?」(具体的な選択肢は授業中に発表します)
指名を受けた班の代表者が討論の内容を発表する(総合評価には含まない)。
最後に解説をきく。
到達目標:
生命の尊厳について、自らの言葉で説明できる。
知りえた情報の守秘義務と患者等への情報提供の重要性を理解し、適切な取り扱いができる。
患者情報の取扱いにおける守秘義務と管理の重要性を説明できる。
事前学習
【学習目安:2時間】
・「法」と「倫理」の違いを調べる。
・「功利主義」「義務論」「徳倫理」の内容とそれぞれの違い(参考資料:入門・医療倫理Ⅰ)を調べる。
・東大TVのマイケル・サンデル2010〜2012年度「ハーバード白熱教室」(https://todai.tv/contents-list/2010-2012FY/sandel/1)のプレイリスト1/3、前半(1)を視聴する。
 [視聴必須時間:2分00秒〜24分37秒まで。それ以外も是非視聴してください。]
・「守秘義務」の意味を調べ、関連する法律を調べる。
事後学習
【学習目安:2時間】
・自分が理想とする理学療法士像を列挙し、どのような徳を有しているかを考える。
・理学療法士の倫理規定や職業倫理ガイドラインを調べ、規範倫理の三理論とどのような関係性にあるかを考えながら読む。

2回
【医療倫理の四原則 その1】
2限目は医療倫理の四原則に関する講義、少人数グループディスカッションを行う。
ディスカッションのテーマ:コロナ禍で起きている医療の問題
3限目は、小テストののち、2限目に行った討論の内容を発表する。
各班の代表者が討論の内容を発表し、発表班以外の学生はピア評価を行う。
最後に解説をきく。
到達目標:
理学療法士が遵守すべき倫理規範について説明できる。
生命倫理の諸原則(自律尊重、無危害、善行、正義等)について説明できる。   
事前学習
【学習目安:2時間】
・「生命・医療倫理の四原則」を自分なりに調べてくる(提唱者、内容など)。
・コロナ禍で起きている医療の問題を調べてくる(少なくとも1つ以上)。
事後学習
【学習目安:2時間】
・日本における臓器移植の現状を自分で調べ(臓器移植ネットワークホームページ:https://www.jotnw.or.jp/learn/about/)、生体腎移植で生じうる倫理的な問題をできるだけ多く列挙する。
さらに、授業で学んだ医療倫理の四原則に照らし合わせて、問題点を整理する(次回授業に補足解説をする)。

3回
【医療倫理の四原則 その2】
2限目は臓器移植を例に医療倫理の四原則の理解を深め、その後、少人数グループディスカッションを行う。
ディスカッションのテーマ:ダックスコワートの事例
3限目は、小テストののち、2限目に行ったグループ討論の内容を発表する。
各班の代表者が討論の内容を発表し、発表班以外の学生はピア評価を行う。
最後に解説をきく。
到達目標:
生命倫理の諸原則(自律尊重、無危害、善行、正義等)について説明できる。
医療倫理に関する規範について概説できる。
患者の基本的人権の内容(リスボン宣言等)について説明できる。
患者の自己決定権とインフォームド・コンセントの意義について説明できる。
移植医療の原理、方法と手順、現状に関する倫理的問題点を概説できる。
事前学習
【学習目安:2時間】
・「インフォームド・コンセント」の意味を調べる。
・「Quality of Life;QOL」の意味と、それを測る方法があるかどうかを調べる。
・「2025年問題」の意味と、医療において生じる問題を調べる。
・「ジュネーブ宣言」「リスボン宣言」を調べ、読む。
事後学習
【学習目安:2時間】
・「イスタンブール宣言」を調べ、内容を読む。
・理学療法士の職業倫理ガイドラインを見直し、医療倫理の四原則(特にインフォームド・コンセント)と照らし合わせて理解する。

4回
【患者の権利 その1】
2限目は命の誕生に関連する講義、少人数グループディスカッションを行う。
ディスカッションのテーマ:生殖補助医療と優生思想
3限目は、中間テストののち、2限目に行った討論の内容を発表する。
各班の代表者が討論の内容を発表し、発表班以外の学生はピア評価を行う。
最後に解説をきく。
到達目標:
生命倫理の諸原則(自律尊重、無危害、善行、正義等)について説明できる。
生と死に関わる倫理的問題について討議し、自らの考えを述べる。
科学技術の進歩、社会情勢の変化に伴う倫理的問題について説明できる。
医療の進歩に伴う倫理的問題について説明できる。
事前学習
【学習目安:2時間】
・日本の人工妊娠中絶の現状および母体保護法でどのように規制されているかを調べる。
・「人工授精」と「体外受精」の医療技術を調べる。
・「着床前診断」「出生前診断」「代理懐胎」の意味とその医療技術を調べる。
事後学習
【学習目安:2時間】
・生殖補助医療と優生思想に関係する映画(「私の中のあなた」「ガタカ(Gattaca)」など)を視聴したり、書籍(小説や学術本など自由)を読む(学生同士で討論することが望ましい)。

5回
【患者の権利 その2】
2限目は、中間テストの解説を行ったのち、終末期医療に関する講義と少人数グループディスカッションを行う。
ディスカッションのテーマ:患者の意思をいかに尊重するか
3限目は、小テストののち、2限目に行った討論の内容を発表する。
各班の代表者が討論の内容を発表し、発表班以外の学生はピア評価を行う。最後に解説をきく。
到達目標:
生と死に関わる倫理的問題について討議し、自らの考えを述べる。
患者の価値観、人間性に配慮することの重要性を認識する。
チームワークと情報共有の重要性を理解し、チームの一員としての役割を積極的に果たすように努める。
事前学習
【学習目安:2時間】
・日本尊厳死協会のホームページにアクセスし、Living Will(尊厳死の宣言書)を確認する(http://www.songenshi-kyokai.com/living_will.html)。
・緩和ケア.netの動画のうち、1つ目の動画「あなたと、あなたの大切な人の未来のために。今考える緩和ケア。」(http://www.kanwacare.net/movie/)を視聴する。
・緩和ケア.netの動画のうち(http://www.kanwacare.net/communication/)、1つ目の動画「心が楽になるコミュニケーション」、3つ目の動画「『あなたの意向を支える』緩和ケア病棟の紹介」を視聴する。
事後学習
【学習目安:2時間】
・静岡県立静岡がんセンター 患者・家族集中勉強会の動画のうち(https://www.scchr.jp/video/contents/kanwa-2/26_07.html)、1つ目の「緩和ケアとは?(総論)」を視聴し、理学療法士としてどのように緩和ケア療養中の患者に寄り添うことができるのかを考え、7つ目の「『生活の質』を維持するためのリハビリテーション」を視聴し、がん患者の苦痛に対して理学療法士としてどのように関与できるのかを考える。
・「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」を自分で入手し、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の理解を深める。

6回
【研究倫理(被験者保護)】
2限目は研究倫理に関する講義、少人数グループディスカッションを行う。
ディスカッションのテーマ:研究倫理のディレンマ
3限目は、小テストののち、2限目に行った討論の内容を発表する。
各班の代表者が討論の内容を発表し、発表班以外の学生はピア評価を行う。最後に解説をきく。
到達目標:
臨床研究における倫理規範(ヘルシンキ宣言等)について説明できる。
事前学習
【学習目安:2時間】
・新薬や医療機器はどのように作られるのか、化学物質等が医薬品・医療機器になるまでの過程を調べる。
・「ニュルンベルグ綱領」「ヘルシンキ宣言」「利益相反」とは何か、自分なりに調べてくる。
事後学習
【学習目安:2時間】
・ヘルシンキ宣言を見直す。
・再生医療実現拠点ネットワークプログラムキックオフシンポジウム(https://www.youtube.com/watch?v=shpahRrYR_Q)を視聴する。
・「ES細胞」と「iPS細胞」の違いを調べる。

7回目
【医療倫理3】
2限目は、先端医療および「エンハンスメント」を中心とした講義を行う。授業にはバズディスカッションを取り入れるが、発表会は行わない(スライド作成は行わない)。
到達目標:
医療の進歩に伴う倫理的問題について説明できる。
科学技術の進歩、社会情勢の変化に伴う生命観の変遷について概説できる。

3限目は、定期試験を行う。
事前学習
【学習目安:2時間】
・「クローニング」、「再生医療」とは何かを調べてくる(第6回と関連)。
・「エンハンスメント」、「ゲノム編集」の意味を調べ、ゲノム編集を医療に応用した場合どのようなことが可能になるのかを考える。
事後学習
【学習目安:2時間】
・授業内に提示された「事後学習用の事例」を読み、医療倫理の四原則のどの原則が対立しているのかを考える(学生同士で討論することが望ましい)。
・本コース内で学んだことを見直し、「チーム医療の現場で活躍できる理学療法士」に求められる倫理観を自分の言葉でまとめる。

8回
事前学習
事後学習

9回
事前学習
事後学習

10回
事前学習
事後学習

11回
事前学習
事後学習

12回
事前学習
事後学習

13回
事前学習
事後学習

14回
事前学習
事後学習

15回
事前学習
事後学習

16回
事前学習
事後学習

17回
事前学習
事後学習

18回
事前学習
事後学習

19回
事前学習
事後学習

20回
事前学習
事後学習

21回
事前学習
事後学習

22回
事前学習
事後学習

23回目
事前学習
事後学習

24回
事前学習
事後学習

25回
事前学習
事後学習

26回
事前学習
事後学習

試験及び成績評価
○期末テスト 60%(7月20日3限に実施)
○中間テスト 20%(6月29日に実施予定)
○発表会のピア評価 20%(5回実施予定)

総合評価 60点以上で合格
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
中間テストの結果は回答終了時に明示される。翌週に全体講義の中で解説を行う。
小テストの解説はその回答終了後に、全体講義の中で行う。
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
授業時に適宜プリントを配布する
授業時に適宜プリントを配布する
参考文献・推薦図書
『改訂版 入門・医療倫理Ⅰ』、赤林朗編(勁草書房/2017/\3300+税)、ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4326102600
『マンガで学ぶ生命倫理: わたしたちに課せられた「いのち」の宿題』、児玉 聡 (著)・なつたか (著)(化学同人/2013/\1080)、ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4759815429
研究室
非常勤講師のため、研修室の所属なし
オフィスアワー
水曜日:お昼休み(非常勤講師室)
メールアドレス:id05585@jiu.ac.jp
*本文中に学部、学生番号、氏名を記載すること。
科目ナンバリング
学位授与方針との関連
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