シラバス情報

授業科目名
家族論
学年
1年
単位数
2.00単位
実務経験の有無
〇(実務経験有)
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
魚住 明代
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語のテキストを用い、日本語で授業する。
授業方法区分
開講キャンパス
東金キャンパス
授業の到達目標及びテーマ
家族論を学ぶことを通じて、家族社会学の研究領域に関する基本的概念を理解する。
・各単元で修得する内容に関して、授業で示す参考文献をもとに事前・事後学習を徹底して行う。
・メディアで報じられる「諸外国の家族が抱える問題」に注目し、比較文化の視点から背景を理解する。
・ジェンダー平等と現代家族の課題について、自身の意見を述べられるようになる。
・日本の家族政策の現状と課題について、歴史的、社会文化的背景を踏まえて意見を発信する。
・家族と人口動向・人口政策の関係について理解を深める。
授業の概要
主に講義形式で授業を行う。
先進諸国の中でもジェンダーギャップが大きいと言われる日本の家族の現状を、歴史的視点を踏まえながら論じる。テキストを読み進めながら、現代社会における家族の多様な在り方や問題点について深く理解する。テキストの各テーマに関して、諸外国との比較(アジア、欧米)を行いその学びを通じて日本の現状についての理解を深める。授業の終盤には、講義は文献講読を通じて考えたことを、グループディスカッションにおいて発信し、履修者相互の意見交換を通じて自身の考えを固める。

授業計画
1回
オリエンテ—ション:授業の計画、テキストの説明を行い、本授業の評価方法についても説明する。講義形式で、「家族とは何か」を共に考える。家族の定義を学ぶと共に、履修者それぞれが家族を定義する。テキスト第一章をよみ、家族論および家族社会学について理解を深める。
事前学習
テキストの第一章をよく読んで授業に臨む。家族に関わる学術的研究を行う諸学会について調べ、研究者がどのように「家族」を研究対象としてきたのかを知る。
事後学習
テキストを読みながら、第一回の授業の復習を行う。授業内容を踏まえながら、「家族問題」を複数挙げて、その背景について考え理解を深める。社会として、個人としての解決の方法について検討する。

2回
テキストの第一章を踏まえて、家族社会学者による家族の定義と家族の機能に関する先行研究を学ぶ。日本とヨーロッパ(ドイツ)の家族研究において、家族がどのように定義づけられ、社会的なモデルとして機能してきたのかを知る。日本に関して、特に戦後の家族研究の流れを理解する。
事前学習
家族とは何か、という問いについて、先週の授業を元にグループで話し合う予定である。学術的な知見を踏まえつつその準備をしておくこと。
事後学習
家族社会学研究における家族の定義について、日本と欧米の研究者による定義の比較を行い、相違を理解しておくこと。

3回
近代化と家および家族について学ぶ。文芸作品に描かれた家族像の比較を行う。テキストには含まれていないが、トーマス・マン作『ブッデンブローク家の人びと』と島崎藤村作『家』という二つの文学を取り上げる。作者や小説の内容や歴史的背景についての説明を加えながら、個人と家族の関係について考える題材とする。それを踏まえた上でテキスト第三章を読んでいく。
事前学習
授業では、日本における家族の時代ごとの変遷を見ていくので、事前の調べ学習をしておくこと。
事後学習
文芸作品の中で取り上げられた家族像に着目し、そこにおける家族の構造や形態について分析する。短いレポートを課す。

4回
西欧の事情と比較しながら、日本の戦後の家族の変化について学び、家族とは普遍的な形態ではなく、歴史と共に柔軟に変化してきたことを理解する。テキストの第4章を読み進めながら、家族とジェンダー役割について考察する。
事前学習
近代家族とジェンダー役割をテーマとする。事前にテキストをよく読んで調べ学習をしておくこと。
事後学習
近代家族論についての論文をmanabaに示すので、それをよく読んで要旨をまとめ考えを述べる。

5回
テキスト第2章を踏まえて、家父長制とは何かを考える。また家父長制と家族に関する補足資料(manabaに掲示)を踏まえ、グループディスカッションを行う。特に東アジア諸国の家族の特徴を「家父長制」という観点から理解し分析する。
事前学習
家父長制について事前に参考文献を調べて理解を深めておくこと。
事後学習
授業を元にして、日本と中国、韓国における家族制度の比較を行い、ジェンダー格差の視点から短いレポートを作成し提出する。

6回
テキスト第10章を読み進めながら、現代社会におけるDVの問題と被害者支援の政策的流れについて理解を深める。
DVは何故起こるのか、どのように防止すべきか、被害者支援と加害者更生の取り組みについて具体的支援団体の事例をもとに学ぶ。
事前学習
コロナ禍において、ドメスティックバイオレンスの問題が深刻化したと言われる。現状についてよく調べておくこと。
事後学習
授業で指示したDVに関するビデオを各自で観ておくこと。

7回目
テキスト第11章から、貧困の女性化、貧困率、相対的貧困等のキーワードを理解する。ひとり親家族の現状と生活困難、ケアの観点からみた施策の重要性について考える。諸外国のひとり親家族支援状況やCovid19下での支援の課題についても比較検討を行う。
事前学習
テキストの第11章をよく読んで、ひとり親家族の歴史と現状について基本的な知識を得る。
事後学習
近代家族規範とひとり親家族が抱える問題がどのように関連しているのかについて考察を深める。課題を提出する。

8回
第12章の多様な暮らし方についてスライドを用いて学ぶ。コラムの「多世代の家」というドイツの施策について写真を示しながら授業を進める。多様な世代の交流を活性化する取り組みについて理解する。
事前学習
オルタナティブな家族の在り方についてテキスト12章をもとに事前学習する。
事後学習
テキスト183頁のキーワードを復習する。ステップファミリー、パッチワークファミリー、レインボーファミリー、コレクティブハウス等々。

9回
テキストの第8章「未婚化・少子化と子ども」を読み進める。少子化の原因と背景について学び、日本の事情を理解した上で、事前配布資料を基にフランスの家族政策による出生子育て支援の取り組みを学ぶ。
事前学習
少子化と家族について、manabaに示されたフランスの事例(PDF)をよく読んで授業に臨むこと。
事後学習
韓国における取組の事情についても学び、日本の政策課題について各自が考えて小レポートを作成する。

10回
テキスト第9章を読み進めながら、ワークライフバランスへの日本政府の取り組みについて知る。オランダやドイツの事例を取り上げながら諸外国との比較を行う。
事前学習
ワークライフバランスについて事前に調べておく。テキストの第9章をよく読んで授業に臨む。
事後学習
テキストや授業で取り上げた以外の国のワークライフバランス施策について調べて理解を深める。

11回
テキストのコラム「それぞれの避難の物語」を読んで感想を語り合う。震災前後の母親たちへの調査データからどのような課題が浮かび上がるのかを考える。
事前学習
第14章をよく読んで、災害と家族について理解を深める。東日本大震災後の被災者家族の手記を読み、事前学習を行う。
事後学習
『チェルノブイリは女たちを変えた』(シュトプチェク他著、世界思想社、1986)を読み一章を選んで感想文を書く。

12回
セクシュアリティの多様化と社会制度の変革について学ぶ。第12章「オルタナティブ・ファミリー」を読み進めながら、特にセクシュアルマイノリティの権利の権利支援の世界的動向と、日本の現状について理解する。
事前学習
オルタナティブ家族、虹色家族、同性婚について理解を深める。
事後学習
同性婚を認めた国について調べて歴史と現状についてまとめる。課題提出を行う。

13回
此れ迄の授業の総括を行う。まとめのプリントを配布して理解の漏れがないかを確認する。質疑応答の時間を設けて、履修者が準備してきた問いについて意見の交換を行う。更に現代家族に関する時事的テーマを取り上げてディスカッションを行う。最後に小テストを実施して理解の定着度をはかる。
事前学習
講義ノートを整理し、これまでの授業の中で生じた疑問点をまとめておくこと。
事後学習
テキストや講義で理解が及ばなかった点について、復習する。疑問が残っている場合にはオフィスアワーやメール等を通じて質問をする。

14回
事前学習
事後学習

15回
事前学習
事後学習

16回
事前学習
事後学習

17回
事前学習
事後学習

18回
事前学習
事後学習

19回
事前学習
事後学習

20回
事前学習
事後学習

21回
事前学習
事後学習

22回
事前学習
事後学習

23回目
事前学習
事後学習

24回
事前学習
事後学習

25回
事前学習
事後学習

26回
事前学習
事後学習

試験及び成績評価
成績評価は、課題提出(3割)、小テスト(2割)、学期末テスト(5割)をもとに総合的な評価を行う。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
課題や小テスト等の結果は、1週間以内に授業を通じてフィードバックする。
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
21世紀の家族づくり
増子勝義編著
学文社
9784762028595
2860円
参考文献・推薦図書
授業で取り上げたテキストの章の末尾に示されている参考文献を事前に必ず参照してください。その他、必要な文献についてはPDFでmanabaに掲示します。
研究室
H505室
オフィスアワー
火曜日と水曜日の昼休み
科目ナンバリング
学位授与方針との関連
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