シラバス情報

授業科目名
環境衛生学
学年
2年
単位数
2.00単位
実務経験の有無
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
山崎 研
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語
授業方法区分
開講キャンパス
東金キャンパス
授業の到達目標及びテーマ
産業革命以降、人間が作り出してきた様々な化学物質は、人間の生活を便利で快適なものにする反面、環境を汚染し、快適な生活と健康が損なう状況を生み出している。生物の生存に適した環境の維持は、公衆衛生上の重要な課題である。薬剤師には、公衆衛生を担う一員として環境衛生に対する的確な知識、技能、態度が求められる。地球環境と生態系の理解を基盤として、現代社会における環境問題および生活環境を清浄に保つ衛生手法を学び、健康を維持するのに十分な生活水準を保証するための科学と技術を習得することを目的とする。
授業の概要
環境衛生学では、毒性学を基盤として環境中の化学物質が生体に及ぼす影響と、それを適正に管理・制御するための知識、技術、制度を扱う。これらを理解し、関連する教科目と体系化を図る。
【コアカリキュラム】D2 環境(1)化学物質・放射線の生体への影響、(2)生活環境と健康

講義情報、講義資料、演習問題はmanaba上で公開する。
コースニュース、コンテンツを確認し、これらを利用して講義内容の理解、修得に努めること。
講義及び試験の情報は、manabaのコースニュースを確認すること。
同じく、manaba上で講義資料、演習問題を配布する。これらを利用して講義内容の理解、修得に努めること。

授業計画
1回
第1回 序論、地球環境と生態系
【内容】 地球温暖化、オゾンホール、水俣病など環境問題について学ぶ。
地球環境、生態系についてその重要性、構成、相互作用について学ぶ。
【到達目標】
・地球規模の環境問題の成因、人に与える影響について説明できる (D05900)。
・地球環境の保全に関する国際的な取組みについて説明できる (D06200)。
・典型七公害とその現状、および四大公害について説明できる (D06400)。
・生態系の構成員を列挙し、その特徴と相互関係を説明できる (D06000)。
・人が生態系の一員であることをふまえて環境問題を討議する (D06300)。
【学習方法】 講義、演習
事前学習
講義資料、テキスト第6部第1、2章を読んでおくこと(2時間)
事後学習
講義資料、演習問題により、内容を理解すること(2時間)

2回
第2回 環境基本法とその理念、化学物質による環境汚染
【内容】 化学物質の環境内動態、環境汚染による健康影響について学ぶ。
【到達目標】
・環境汚染(大気汚染、水質汚濁、土壌汚染など)を防止するための法的規制について説明できる (D06600)。
・生態系の構成員を列挙し、その特徴と相互関係を説明できる (D06000)。
・化学物質の環境内動態(生物濃縮など)について例を挙げて説明できる (D06100)。
事前学習
講義資料、テキスト第6部第2章を読んでおくこと(2時間)
事後学習
講義資料、演習問題により、内容を理解すること(2時間)

3回
第3回 毒性学
【内容】異物の体内動態について基本的な機構を学ぶ
異物代謝の機構と、それにに関わる代表的な酵素について学ぶ。。
【到達目標】
・代表的な有害化学物質の吸収、分布、代謝、排泄の基本的なプロセスについて説明できる(D04000)。
・肝臓、腎臓、神経などに特異的に毒性を示す代表的な化学物質を列挙できる (D04100)。
事前学習
講義資料、テキスト第5部第 3章を読んでおくこと(2時間)
事後学習
講義資料、演習問題により、内容を理解すること(2時間)

4回
第4回 化学物質の毒性
【内容】化学物質の毒性について、具体例と対処法を学ぶ。
【到達目標】
・肝臓、腎臓、神経などに特異的に毒性を示す代表的な化学物質を列挙できる (D04100)。
・重金属、PCB、ダイオキシンなどの代表的な有害物質や農薬の急性毒性、慢性毒性の特徴について説明できる (D04200)。
・重金属や活性酸素による障害を防ぐための生体防御因子について具体例を挙げて説明できる (D04300)。
【学習方法】 講義、演習
事前学習
講義資料、テキスト第5部第 3章を読んでおくこと(2時間)
事後学習
講義資料、演習問題により、内容を理解すること(2時間)

5回
第5回 薬毒物中毒 確認試験(第1〜4回 該当演習問題)
【内容】 薬毒物中毒と治療法について学ぶ。
【到達目標】
・代表的な中毒原因物質の解毒処置法を説明できる (D04500)。
・代表的な中毒原因物質(乱用薬物を含む)の試験法を列挙し、概説できる (D04600)。
・個々の化学物質の使用目的に鑑み、適正使用とリスクコミュニケーションについて討議する (D04700)。
・化学物質の毒性を評価するための主な試験法を列挙し、概説できる (D04800)。
事前学習
講義資料、テキスト第5部第4章を読んでおくこと(2時間)
事後学習
講義資料、演習問題により、内容を理解すること(2時間)

6回
第6回 リスクの評価と対策
【内容】 環境リスク、環境アセスメントについて学ぶ。
【到達目標】 
・毒性試験の結果を評価するのに必要な量−反応関係、閾値、無毒性量 (NOAEL) などについて概説できる (D04900)。
・化学物質の安全摂取量(一日許容摂取量など)について説明できる (D05000)。
・有害化学物質による人体影響を防ぐための法的規制(化審法、化管法など)を説明できる (D05100)。
【学習方法】 講義、演習
事前学習
講義資料、テキスト第5部第6章を読んでおくこと(2時間)
事後学習
講義資料、演習問題により、内容を理解すること(2時間)

7回目
第7回 水の環境・上水
【内容】 上水供給システムの意義および主な処理方法について学ぶ。
塩素処理の役割について学ぶ。
【到達目標】
・原水の種類を挙げ、特徴を説明できる (D06700)。
・水の浄化法、塩素処理について説明できる (D06800)。
・水道水の水質基準の主な項目を列挙し、測定できる (D07100)。 
事前学習
講義資料、テキスト第6部第3章を読んでおくこと(2時間)
事後学習
 講義資料、演習問題により、内容を理解すること(2時間)

8回
第8回 水の環境・下水
【内容】 下水処理の意義および主な処理方法について学ぶ。
【到達目標】 
・下水処理および排水処理の主な方法について説明できる (D07000)。
【学習方法】 講義、演習
事前学習
講義資料、テキスト第6部第3章を読んでおくこと(2時間)
事後学習
講義資料、演習問題により、内容を理解すること(2時間)

9回
第9回 水の環境・水質汚濁
【内容】水質汚濁を引き起こす要因と健康への影響、汚濁の理化学的指標とその意味について学ぶ。
【到達目標】 
・水質汚濁の主な指標を列挙し、測定できる (D07100)。
・富栄養化の原因とそれによってもたらされる問題点を挙げ、対策を説明できる (D07200)。
【学習方法】 講義、演習
事前学習
講義資料、テキスト第6部第3章を読んでおくこと(2時間)
事後学習
講義資料、演習問題により、内容を理解すること(2時間)

10回
第10回 空気の環境・大気汚染、確認試験(6〜9回 該当演習問題)
【内容】 大気汚染に影響する要因、主な大気汚染の発生源、汚染状況の変遷、健康への影響と対策について学ぶ。
【到達目標】 
・PM2.5や黄砂など海外から影響する大気汚染物質について概説できる (D06401)。
・環境汚染(大気汚染、水質汚濁、土壌汚染など)を防止するための法的規制について説明できる (D06600)。
・主な大気汚染物質を列挙し、その推移と発生源、健康影響について説明できる (D07300)。
・主な大気汚染物質を測定できる (D07400)。
・大気汚染に影響する気象要因(逆転層など)を概説できる (D07500)。
事前学習
テキスト第6部第4章を読んでおくこと(2時間)
事後学習
講義資料、演習問題により、内容を理解すること(2時間)

11回
第11回 空気の環境・室内環境
【内容】 健康維持のための室内環境の保全について学ぶ。
【到達目標】
・室内環境を評価するための代表的な指標を列挙し、測定できる (D07600)。
・室内環境と健康の関係について説明できる (D07700)。
【学習方法】 講義、演習
事前学習
講義資料、テキスト第6部第5章を読んでおくこと(2時間)
事後学習
講義資料、演習問題により、内容を理解すること(2時間)

12回
第12回 廃棄物
【内容】 廃棄物の問題および対策について学ぶ。
【到達目標】
・廃棄物の種類と処理方法を列挙できる (D07800)。
・廃棄物処理の問題点を列挙し、その対策を説明できる (D07900)。
・マニフェスト制度について説明できる (D08000)。
【学習方法】 講義、演習
事前学習
講義資料、テキスト第6部第6章を読んでおくこと(2時間)
事後学習
講義資料、演習問題により、内容を理解すること(2時間)

13回
第13回 持続可能性
【内容】 環境問題の現状を把握し、持続可能性及び循環型社会の目的、実現のための方策について学ぶ。
【到達目標】 ・環境基本法の理念を説明できる (D06500)。
【学習方法】 講義、演習
事前学習
講義資料、テキスト第6部第2, 6章を読んでおくこと(2時間)
事後学習
講義資料、演習問題により、内容を理解すること(2時間)

14回
事前学習
事後学習

15回
事前学習
事後学習

16回
事前学習
事後学習

17回
事前学習
事後学習

18回
事前学習
事後学習

19回
事前学習
事後学習

20回
事前学習
事後学習

21回
事前学習
事後学習

22回
事前学習
事後学習

23回目
事前学習
事後学習

24回
事前学習
事後学習

25回
事前学習
事後学習

26回
事前学習
事後学習

試験及び成績評価
成績評価は、確認試験、レポート、期末試験 (20/10/70)により行う。
期末試験(本試験)の結果不合格となった場合は、追再試験を行い、上記と同様に評価を行う。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
確認試験(2回実施)に対するフィードバックは、実施回の次の回で解説、講評を行う。
レポートに対しては、manaba上で個々にフィードバックを行う。
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
衛生化学詳解 第3版 下巻
浅野 哲 他
京都廣川書店
978-4-909197-73-3
-
参考文献・推薦図書
「毒性学」 藤田正一 編 (朝倉書店)
「薬物代謝学(第3版)」加藤隆一 編(東京化学同人)
「中毒学」 荒記俊一 編 (朝倉書店)
「必携・衛生試験法(第2版)」日本薬学会 編 (金原出版)
研究室
東金キャンパス K棟4階 K401
薬学部 衛生化学研究室

オフィスアワー
金 3−5限
科目ナンバリング
学位授与方針との関連
関連ページ
環境省ホームページ http://www.env.go.jp/
厚生労働省ホームページ http://www.mhlw.go.jp/index.shtml
農林水産省ホームページhttps://www.maff.go.jp/