シラバス情報

授業科目名
化学系実習
学年
2年
単位数
2.00単位
実務経験の有無
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
光本 篤史、新垣 知輝、中村 洋、亀井 智代、奥山 恵美
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語
授業方法区分
開講キャンパス
東金キャンパス
授業の到達目標及びテーマ
天然物の抽出・精製、生薬の確認試験、化学物質の合成・構造決定などを通して、実験器具の正しい使い方や実験装置の正しい組み立て方とその操作法に習熟すると共に、化学物質に関して得た知識を統合して科学的事象を考察する力を養う。また吸光光度法の原理を学び、紫外可視光吸光光度計の使用方法を修得し、スペクトルの測定ができるようになる。さらに、日本薬局方収載機器分析法を実施する過程を通して、日本薬局方収載医薬品の分析原理をその医薬品の物理的、化学的性質から考察し、理解する力を養う。
授業の概要
① 科目名(英語名):化学系実習(Experiment-Training on Chemistry)
② 授業形態:基礎実習、講義
③ 授業内容:天然物や医薬品を含めた化学物質に関して修得した知識をもとに、天然物や医薬品を適切に取り扱うため、並びにその存在と量を的確に評価するために必要となる技能を、実習を通して修得する。

コアカリキュラムC2-(1)【分析の基礎】、C2-(4),(5)【分離分析法】、C3-(4)【化学物質の構造決定】、C5-(1)【薬になる動植鉱物】、C5-(2)【薬の宝庫としての天然物】、薬学準備教育ガイドライン(3)【薬学の基礎としての英語】、(5) 【薬学の基礎としての化学】、薬学アドバンスト教育ガイドラインC3【化学物質の性質と反応】
科学、医療に関連する英語の代表的な用語を列挙し、その内容を説明できる。(H03800)
自然科学各分野における基本的単位、数値、現象の英語表現を列記できる。(H04100)
科学、医療に関連する英語の代表的な用語、英語表現を列記できる。(H04200)

【主な学習方法】実習、講義、演習、課題作成、SGD、DVD(視聴)
【担当教員】 奥山、光本、関根、新垣、中村、亀井 の教員で実習全般を担当する。

授業計画
1回
<オリエンテーション>
器具の使用法および実験に対する基本的な心構えについて学ぶ。 安全に実験を行うための態度を身につける。
使用器具の名称を列挙し、各器具の用途について説明できる。
【学習方法】 講義 【主担当教員】 奥山、光本
事前学習
化学系実習書の「化学系実習のための一般的注意」や「実習レポートの書き方」を熟読しておくこと。(2h)
事後学習
実習共通基本操作編の「器具・機器操作マニュアル−化学系−」で器具の形と用途を復習しておくこと。安全に実験を行うための注意事項を復習し確認すること。(2h)

2回
<アセトアミノフェンの合成−1>
医薬品の一つであるアセトアミノフェンを合成することができる。(H03800)、(H04100)、(H04200)
化合物の秤量、溶解、抽出、乾燥、ろ過、濃縮を実施できる。(技能)(H08000) 実験手順の意義を化学的な知識と関連付けて説明できる。
(H08004)
手順書に従って実験をすることができる。(技能)(H08005)
官能基の性質を利用した分離精製を実施できる。(技能)(H08006)
化合物の物理的性質を利用する基本的な精製法(ろ過、再結晶、蒸留、昇華など)を実施できる(技能)。(H08007) 実験・観察結果を論理立ててレポートとしてまとめることができる。(技能)(H08010)
基本的な医薬品を合成できる。(技能)(J08900)
反応廃液を適切に処理する。(技能・態度)(J09000)
【学習方法】 課題提出、SGD、基礎実習 【主担当教員】 中村
事前学習
化学系実習書9頁1で指定した予習項目を行い、事前課題レポートを提出すること。
マクマリー有機化学概説334頁—336頁、343頁—344頁を熟読しておくことが望ましい。
基本的な器具の使い方について、化学系実習書IIIおよび実習共通基本操作編「器具・機器操作マニュアル−化学系−」を熟読しておくこと。
(2h)
事後学習
ノートを整理し、行った操作に関する意味付けと、自分たちの結果から何が分かるのかを考察すること。(2h)

3回
<アセトアミノフェンの合成−2:アセトアミノフェンの精製> アセトアミノフェンの再結晶をすることができる。
TLCを用いて、化合物の同定および、純度を判定できる。
クロマトグラフィーを用いて試料を定性・定量できる。(知識・技能)(C09300)
(H03800)、(H04100)、(H04200)、(H08000)、(H08004)—(H08007)、(H08010)、(J08900)、(J09000)
【学習方法】 SGD、基礎実習 【主担当教員】中村
事前学習
化学系実習書9頁1で指定した予習項目を行い、事前課題レポートを提出すること。
マクマリー有機化学概説334頁—336頁、343頁—344頁を熟読しておくことが望ましい。
基本的な器具の使い方について、化学系実習書IIIおよび実習共通基本操作編「器具・機器操作マニュアル−化学系−」を熟読しておくこと。
(2h)
事後学習
ノートを整理し、行った操作に関する意味付けと、自分たちの結果から何が分かるのかを考察すること。(2h)

4回
<市販薬に含まれる成分のTLC分析>
TLCを用いて、市販薬中に実際に含まれている成分との比較ができる。 (C09300)、(H03800)、(H04100)、(H04200)、(H08000)、
(H08004)—(H08007)、(H08010)、(J09000)
【学習方法】 基礎実習、SGD 【主担当教員】 中村
事前学習
TLCの操作法(手順)について、実習共通基本操作編「器具・機器操作マニュアル−化学系−」II 4を熟読しておくこと。(2h)
事後学習
ノートを整理し、行った操作に関する意味付けと、自分たちの結果から何が分かるのかを考察すること。 後日、有機合成実習のレポート提出を行うこと。(2h)

5回
<IR、NMRおよびMSスペクトルの構造解析>
1H NMR、MS、IRスペクトルを用いて、合成したアセトアミノフェンの構造決定ができる。
(1)核磁気共鳴(NMR)
1. 1Hおよび13C NMR スペクトルより得られる情報を概説できる。(C14600)
2. 有機化合物中の代表的プロトンについて、おおよその化学シフト値を示すことができる。(C14700)
3. 1H NMR の積分値の意味を説明できる。 (C14800)
4. 1H NMR シグナルが近接プロトンにより分裂(カップリング)する基本的な分裂様式を説明できる。(C14900)
5. 代表的な化合物の部分構造を1H NMR から決定できる。(技能)(C15000)
6. 核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定法の原理および応用例を説明できる。 (C08300)
(2)赤外吸収(IR)
1. IR スペクトルより得られる情報を概説できる。(C15100)
2. IR スペクトル上の基本的な官能基の特性吸収を列挙し、帰属することができる。(知識・技能)(C15200)
3. 赤外吸収(IR)スペクトル測定法の原理および応用例を説明できる。 (C07900)
(3)質量分析 (C08400)
1. マススペクトルより得られる情報を概説できる。(C15300)
2. 測定化合物に適したイオン化法を選択できる。(技能)(C15400)
3. ピークの種類(基準ピーク、分子イオンピーク、同位体ピーク、フラグメントピーク)を説明できる。(C15500)
4. 代表的な化合物のマススペクトルを解析できる。(技能)(C15600)
5. 質量分析法の原理および応用例を説明できる。 (C08400)
(4)総合演習
代表的な機器分析法を用いて、代表的な化合物の構造決定ができる。(技能)(C15700) (H03800)、(H04100)、(H04200)
【学習方法】 講義 【主担当教員】 亀井
事前学習
1年次で学習した1H NMR、MS、IRスペクトルの原理を復しておくこと。(1h)
事後学習
化学系実習書の対応する箇所を読み、理解を深めること。(3h)

6回
<生薬・天然由来成分の抽出・分離−1>
天然素材である茶葉から、カフェインを抽出・分離精製することができる。
天然生物活性物質の代表的な抽出法、分離精製法を概説し、実施できる。(知識、技能)(C21800) (C09300)、(H03800)、(H04100)、(H04200)、
(H08000)、(H08004)—(H08007)、(H08010)、 (J09000)
【学習方法】 課題提出、基礎実習 【主担当教員】 奥山
事前学習
化学系実習書の予習項目を行い、事前課題レポート(カフェインの抽出・分離・精製過程のフローチャート)を提出すること。 本回の分離操作の手順をフローチャートで確認し、ノートに記載しておくこと。(3h)
事後学習
行った操作に関して意味付けを行い、ノート整理すること。(1h)

7回目
<生薬・天然由来成分の抽出・分離−2>
天然素材である茶葉から、カフェインを抽出・分離精製することができる。 (C21800)、(C09300)、(H03800)、(H04100)、(H04200)、(H08000)、
(H08004)—(H08007)、(H08010)、 (J09000)
【学習方法】 基礎実習 【主担当教員】 奥山
事前学習
本回の分離操作の手順をフローチャートで確認し、ノートに記載しておくこと。(2h)
事後学習
行った操作に関して意味付けを行い、ノート整理すること。(2h)

8回
<生薬・天然由来成分の精製・同定>
分離された粗カフェインを精製し、日本薬局方に準じた確認試験や標品との同定をすることができる。(C21800)、(C09300)、(H03800)、(H04100)、(H04200)、(H08000)、(H08004)—(H08007)、(H08010)、 (J09000)
【学習方法】 基礎実習 【主担当教員】 奥山
事前学習
本回の精製操作に必要なカフェイン等の物理的性質を調べておくこと。(2h)
事後学習
行った操作に関して意味付けを行い、ノート整理すること。(2h)

9回
<生薬確認試験>
日本薬局方に収載されている代表的な生薬について、確認試験を行うことができる。 代表的な生薬の確認試験を実施できる。(技能)(C20901)
【学習方法】 基礎実習 【主担当教員】 奥山
事前学習
化学系実習書の「生薬確認試験」を熟読し、操作を理解しておくこと。(1h)
事後学習
行った操作に関して意味付けを行い、ノート整理すること。後日、生薬学・天然物化学実習のレポート提出を行うこと。(3h)

10回
<高速液体クロマトグラフィー(HPLC)とガスクロマトグラフィー(GC)>
HPLCあるいはGCによる化合物の分離・定性・定量を理解することができる。 クロマトグラフィーを用いて試料を定性・定量できる。(知識・技能)(C09300)
【学習方法】 DVD、講義 【主担当教員】 光本
事前学習
化学系実習書の対応する箇所を熟読しておくこと。(2h)
事後学習
化学系実習書の対応する箇所を熟読しておくこと。(2h)

11回
<吸光度測定と検量線の作成>
溶液の希釈列を作成して、その吸光度を測定することでLambert-Beer則(吸光の法則)を理解し、検量線が作成できるようになる。 分析に用いる器具を正しく使用できる。(知識・技能)(C05700)
測定値を適切に取り扱うことができる。(知識・技能)(C05800)、(H03800)、(H04100)、(H04200)、(H08000)、(H08004)、(H08005)、(H08010)、
(J09000)
【学習方法】 基礎実習 【主担当教員】 新垣
事前学習
事前課題レポートを提出すること。化学系実習書を熟読し、操作の順番及び内容を理解しておくこと。(2h)
事後学習
ノートを整理し、自分たちの結果から何が分かるのかを考察すること。(2h)

12回
<局方アセトアミノフェンの吸光定量>
吸光度測定による物質の定量方法について学び、日本薬局方収載の代表的な医薬品であるアセトアミノフェンの定量を行えるようになる。
(C05700)、(C05800)、(H03800)、(H04100)、(H04200)、(H08000)、(H08004)、(H08005)、(H08010)、(J09000)
【学習方法】 基礎実習 【主担当教員】 新垣
事前学習
化学系実習書を熟読し、操作の順番及び内容を理解しておくこと。(2h)
事後学習
ノートを整理し、自分たちの結果から何が分かるのかを考察すること。(2h)

13回
<チアミン塩化物塩酸塩の確認試験>
日本薬局方収載の代表的な医薬品であるチアミン塩化物塩酸塩(ビタミンB1)の確認試験(紫外可視吸光度法および蛍光法)を行い、その内容を説明できるようになる。
(C05700)、(C05800)、(H03800)、(H04100)、(H04200)、(H08000)、(H08004)、(H08005)、(H08010)、(J09000)
【学習方法】 課題提出、基礎実習 【主担当教員】 新垣
事前学習
化学系実習書を熟読し、操作の順番及び内容を理解しておくこと。(2h)
事後学習
ノートを整理し、自分たちの結果から何が分かるのかを考察すること。(2h)

14回
<後片付け>
使用したガラス器具等の片付けを行う。

<総合テスト>
実習を通して得られた技能に関する知識を総合的にテストする。

【学習方法】 基礎実習、演習 【主担当教員】中村、奥山
事前学習
事後学習

15回
事前学習
事後学習

16回
事前学習
事後学習

17回
事前学習
事後学習

18回
事前学習
事後学習

19回
事前学習
事後学習

20回
事前学習
事後学習

21回
事前学習
事後学習

22回
事前学習
事後学習

23回目
事前学習
事後学習

24回
事前学習
事後学習

25回
事前学習
事後学習

26回
事前学習
事後学習

試験及び成績評価
各実験パートにおける課題・レポートの提出と内容・実習試験(90%)、態度(10%)で評価する。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
質問は実習時間中またはオフィスアワーを利用してください。
オフィスアワーを利用する場合にはメールでアポイントメントをとってください。

フィードバックは必要に応じて随時行う。
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
『化学系実習書』
『実習共通基本操作編』
参考文献・推薦図書
『わかりやすい化学実験:基本操作とチェックポイント(廣川化学と生物実験ライン1)』 津波古充朝 他著(廣川書店)
『実験器具・機器の取り扱いと安全性(廣川化学と生物実験ライン6)』 寺部茂 他著(廣川書店)
『有機化学実験ガイド(廣川化学と生物実験ライン26)』 中川昌子 他著(廣川書店)
『第18改正 日本薬局方解説書』 (廣川書店)
『有機化学のためのスペクトル解析法:UV,IR, NMR, MSの解説と演習』 M. Hesse 他著 馬場章夫他訳(化学同人) 
『パートナー生薬学』木内文之他 編(南江堂)
研究室
奥山恵美(生薬学研究室):K棟2階 K209 emioku☆jiu.ac.jp
光本篤史(衛生化学研究室):K棟4階 K402 amitsumo☆jiu.ac.jp
関根利一(薬草園研究室):K棟2階 K203 tsekine☆jiu.ac.jp
新垣知輝(製剤物性解析学研究室):K棟3階 K307 shingaki☆jiu.ac.jp
中村洋(薬化学研究室):K棟6階 K607 naka☆jiu.ac.jp
亀井智代(生物有機化学研究室):K棟6階 K605 tkamei☆jiu.ac.jp

※☆は@に書換えてください。
オフィスアワー
奥山恵美:木(5限),金(5限)
光本篤史:木(3限),木(4限)
新垣知輝:火(1限),水(1限)
中村  洋:水(2限),木(2限)
亀井智代:金(2限),金(3限)
関根利一:
科目ナンバリング
学位授与方針との関連
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