シラバス情報

授業科目名
精神看護方法論演習
学年
3年
単位数
1単位
実務経験の有無
〇(実務経験有)
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
太田 幸雄、伊賀 聡子、島村 龍治
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語
授業方法区分
開講キャンパス
東金キャンパス
授業の到達目標及びテーマ
1.精神看護学実習生として、適切かつ責任のある行動と積極的に学ぶ姿勢について理解し、実習準備を整えることができる。
2.自分自身の対人関係上の特徴を客観的に洞察するための基礎を培うことができる。
3.紙上患者をもとに、生育歴、生活歴、病歴などを系統的に情報収集することができる。
4.学生同士のディスカッションを行い、紙上患者をとりまく状況について立体的に理解し、問題をアセスメントし、ケアプランを立案することができる。
5.精神医療における倫理的問題、患者の人権と権利擁護を考え、自分の意見を述べることができる。
6.精神医療における多職種連携の実際を理解し、各職種の専門性を考えることができる。
授業の概要
①科目名:精神看護方法論演習( Mental Health and Psychiatric Nursing: Training of Assesment and Skills)
②授業形態:演習/講義
③内容:
・精神看護学概論,精神看護方法論で学んだ知識をもとに、精神の健康課題のために生活上の困難をかかえている事例患者について、オレム−アンダーウッドのセルフケアモデルの視点に基づいた多角的なアセスメントとストレングスモデルを用いたケアプランの立案の方法を学習する。
・精神保健医療福祉を取り巻く多職種連携の実際や倫理的課題や人権と権利擁護を知り、より多角的な視点で精神看護実践をできる力を培う。

授業計画
1回
1回:精神看護実践の特徴について (ガイダンスを含む)
   担当教員:島村龍治、太田幸雄、伊賀聡子
    演習の流れ、学習マナー、事例1の提示、コミュニケーション技法

到達目標:
・講義全体の概要をイメージすることができる
・グループメンバーと協力して学修計画を立てることができる
・学習マナーを理解し、学習環境を整えることができる
事前学習
[事前学習:1.5h]
・精神看護学概論と精神看護方法論の講義資料を復習する
・事前配布資料を閲読する
事後学習
[事後学習:2.5h]
・講義資料の復習
・グループメンバーとの顔合わせと連絡手段の確認
・事例1の取り組み(情報用紙)

2回
2回:精神医療における対象理解と自己理解(1)
   担当教員:島村龍治・太田幸雄・伊賀聡子
    プロセスレコードの実際(1) 知識−実践編

到達目標:
・精神看護を行う上でなぜプロセスレコードを学ぶのか、プロセスレコードとは何かを説明できる
・気がかりな場面について、自身の感情と言動を書き起こすことができる
・プロセスレコードを活用して対人関係の相互作用をとらえることができる
事前学習
[事前学習:1.5h]
・「プロセスレコード」について調べる
・実習や日常生活において気がかりな出来事を思い返してみる
・事前配布資料を閲読する
事後学習
[事後学習:2.5h]
・学生ペアで実施した一場面をプロセスレコード記録用紙へ記入する
 (学生同士のペアで関わった「気がかりな一場面」を丁寧に思い返して記載する)
・講義資料の復習
・事例1の取り組み(情報用紙−アセスメント)

3回
3回:精神医療における対象理解と自己理解(2)
   担当教員:島村龍治・太田幸雄・伊賀聡子
    プロセスレコードの実際(2)振り返り編、ナラティヴアプローチ・オープンダイアローグの活用

到達目標:
・プロセスレコード記録用紙をもとに自身の感情に焦点をあてて関わりを振り返ることができる
・ナラティヴアプローチとオープンダイアローグとは何かを説明できる
・ナラティヴアプローチやオープンダイアローグを活用することの意義がわかる
事前学習
[事前学習:1.5h]
・「ナラティヴ」「オープンダイアローグ」について調べる
・講義ポイントを意識して実習や日常生活において気がかりな出来事について振り返る
・自身の振り返りを他者に伝えられるように準備する
・事前配布資料を閲読する
事後学習
[事後学習:2.5h]
・講義資料の復習
・事例1の取り組み(アセスメント−援助の方向性)

4回
4回:乗り越える力(1)
   担当教員:伊賀聡子・太田幸雄・島村龍治
    ストレングスモデル(1)・レジリエンス・セルフコンパッション

到達目標:
・患者のもつ力を活かした支援方法を知る
・看護に必要な要素と乗り越える力を知り、ワークを通して自分自身を振り返る

事前学習
[事前学習:1.5h]
・「レジリエンス」「セルフコンパッション」について調べ、Wordでまとめる(発表できるようにしておくこと)
・『統合失調症者へのストレングスモデル活用の有用性』(田端一成ほか)を読み、感想を発表できるように準備する 
  http://www.nihonkango.jp/journal/11-2/11-2-4.pdf
・事前配布資料を閲読する
事後学習
[事後学習:2.5h]
・講義資料の復習
・事例1の取り組み(援助の方向性−ケア計画)

5回
5回:乗り越える力(2)
   担当教員:伊賀聡子・島村龍治・太田幸雄
    ストレングスモデル(2)

到達目標:
・ストレングスモデルを理解する
・ストレングスモデルを活用できる
・ストレングスモデルの意義を記述できる
事前学習
[事前学習:1.5h]
・「ストレングスモデル」について調べ、Wordでまとめる(発表できるようにしておくこと)
・事前配布資料を閲読する


事後学習
[事後学習:2.5h]
・講義資料の復習
・授業で感じたストレングスモデルの意義を記述し、マナバで提出する
・事例1の取り組み(ケア計画)

6回
6回:精神保健医療福祉を取り巻く環境(1) 精神障がい者とその家族を支える支援
   担当教員:島村龍治・太田幸雄・伊賀聡子
    精神疾患をもつ方とその家族を支える支援・ヤングケアラー

到達目標:
・精神疾患をもつ親とその家族の現状を知り、今後どのような支援が必要かを考え、自身の意見を記述または述べることができる
・精神疾患をもつ親とその家族への支援およびヤングケアラーの現状を知り、今後どのような支援が必要かを考え、自身の意見を記述または述べることができる
・ヤングケアラーの現状を知り、今後どのような支援が必要かを考え、自身の意見を記述できる

事前学習
[事前学習:1.5h]
・「ヤングケアラー」「家族システム理論」について調べ、Wordでまとめる(発表できるようにしておくこと)
・事前配布資料を閲読する
事後学習
[事後学習:2.5h]
・配布資料の復習
・事例1の取り組み(事例1の提出とグループディスカッションの準備)

7回目
7回:精神保健医療福祉を取り巻く環境(2) 精神医療における倫理
   担当教員:伊賀聡子・太田幸雄・島村龍治
    精神医療における倫理的問題と権利擁護を考える

到達目標:
・精神医療分野における倫理的問題を理解する
・患者の権利擁護のための支援について考える
・患者の意思決定についての動画を見て、感じたこと、考えたことをグループでディスカッションする
事前学習
[事前学習:1.5h]
・「四分割法」についてWordでまとめる
・ある少女の選択 18歳『いのち』のメールを視聴しておく
・事前配布資料を閲読する
事後学習
[事後学習:2.5h]
・配布資料の復習
・事例1の取り組み(事例1グループディスカッションの準備)

8回
8回:看護過程(1) 精神症状とセルフケアの理解
   担当教員:伊賀聡子・太田幸雄・島村龍治
             ・事例1 グループディスカッション①(情報用紙とセルフケアアセスメントの整理)
             ・事例1 ストレングス・マッピングシートの提示
             ・事例2 提示

到達目標:
・生育歴、精神症状の査定(MSE)、オレム−アンダーウッドのセルフケアモデルの要点を理解する
・主体的にグループディスカッションに参加することの意義を理解する
・グループダイナミクスによって事例1の対象に関心を寄せて多角的にとらえることができる
・グループディスカッションで得たことを自身の記録用紙に追記することができる
事前学習
[事前学習:1.5h]
・ストレングスモデルの講義内容を復習する
・メンバー同士の連絡体制、検討事項や共有方法の確認と準備、自身の考えを他者に伝えられるように準備する
・グループディスカッションを効果的に行うために何が必要かを考え、メンバーと協働して準備する
・必要時はグループミーティングを開催する
事後学習
[事後学習:2.5h]
・事例1グループディスカッションの振り返り
・必要時はグループミーティングを開催する
・ストレングス・マッピングシートの情報を踏まえて援助を考える
・事例2の個人ワークの取り組み

9回
9回:看護過程(2) 援助の方向性を見定めた看護ケアを考える
   担当教員:島村龍治・太田幸雄・伊賀聡子
    事例1 グループディスカッション②(援助の方向性とケア計画の整理)

到達目標:
・グループダイナミクスを促進し、事例1の援助の方向性を整理し、具体的な計画を挙げることができる
・患者のもつ力を活かしたケア計画とは何かを説明できる
・グループディスカッションで得たことを自身の記録用紙に追記することができる
事前学習
[事前学習:1.5h]
・ストレングス・マッピングシートやアセスメントを統合して援助の方向性とケア計画を立案する
・メンバー同士の連絡体制、検討事項や共有方法の確認と準備、自身の考えを他者に伝えられるように準備する
・グループディスカッションを効果的に行うには何が必要かを考え、メンバーと協働して準備する
・必要時はグループミーティングを開催する
事後学習
[事後学習:2.5h]
・事例1グループディスカッションの振り返り
・必要時はグループミーティングを開催する
・事例2の個人ワークの取り組み

10回
10回:精神医療における多職種連携(1) 臨床精神医学の診断と治療
   担当教員:大熊孝裕先生・島村龍治・太田幸雄・伊賀聡子
    精神疾患の診断と治療について

到達目標:
・臨床精神医学における診断と治療の視点を理解することができる
・精神疾患の診断に至るまでの経過と治療の実際を知り、医師や看護師の役割を考えることができる

事前学習
[事前学習:1.5h]
・精神看護方法論の講義資料を閲読する
・統合失調症の急性期と慢性期の症状や治療について調べる
・うつ病の症状や治療について調べる
・講師に質問する内容を考える

事後学習
[事後学習:2.5h]
・レポート
・事例2の個人ワークの取り組み

11回
11回:精神医療における多職種連携(2) 精神保健福祉士(MHSW)について
   担当教員:森山拓也先生・太田幸雄・島村龍治・伊賀聡子
   ・ゲスト講義:精神保健医療福祉におけるMHSWの役割と活動の実際
   ・事例2の提出

到達目標:
・精神保健福祉士(MHSW)の仕事と役割を理解し、説明することができる
・MHSWがどのような視点で対象者と関わっているのかがわかる
事前学習
[事前学習:1.5h]
・事前配布資料を閲読する
・「精神保健福祉士(MHSW)」について調べる
・講師に質問する内容を考える

事後学習
[事後学習:2.5h]
・課題レポート
・事例1グループワークの復習
・事例2の個人ワークの取り組み
・試験準備

12回
12回:精神医療における多職種連携(3) 精神医療を支える環境
   担当教員:島村龍治・太田幸雄・伊賀聡子
    作業療法・デイケア・外来・訪問看護・作業所・グループホーム・自助グループについて

到達目標:
・精神障がい者を支える地域の社会資源サービスにはどのようなものがあるのかを知り、各サービスの特徴や役割を理解することができる
・入院前から退院後までを通して、どのような看護職が関わり、どのような視点・役割を担っているのかがわかる
事前学習
[事前学習:1.5h]
・事前配布資料を閲読する
事後学習
[事後学習:2.5h]
・事例2の個人ワーク記録物を提出する準備
・試験準備


13回
13回:まとめ 地域で生活する当事者の語り
   担当教員:水島英行先生、伊藤嘉章先生、島村龍治・太田幸雄・伊賀聡子
   ・まとめ :事例1・2(発表質疑応答)解説、精神科病棟における多職種連携
   ・特別講義:当事者の語りからリカバリーの実際を知り、精神看護を考える

到達目標:
・語りを聞き、現在に至るまでの様々な出来事や当時のことを想像し、受け止めることができる
・語りを通して自身が感じたこと、考えたことを表出できる
・「多職種連携」について理解できる
・精神科病棟での多職種連携の現状と課題について説明できる
・多職種連携に求められる看護師の役割がわかる

事前学習
[事前学習:1.5h]
・事前配布資料を閲読する
・講師に質問する内容を考える
・事例2の提出
・試験準備

事後学習
[事後学習:2.5h]
・レポート
・事例1・2の復習
・試験後の復習
・実習前事前課題の取り組み

14回
(試験):試験
   担当教員:島村龍治・太田幸雄・伊賀聡子
   試験(学内試験を予定)、実習事前課題と実習準備について
事前学習
事後学習

15回
事前学習
事後学習

16回
事前学習
事後学習

17回
事前学習
事後学習

18回
事前学習
事後学習

19回
事前学習
事後学習

20回
事前学習
事後学習

21回
事前学習
事後学習

22回
事前学習
事後学習

23回目
事前学習
事後学習

24回
事前学習
事後学習

25回
事前学習
事後学習

26回
事前学習
事後学習

試験及び成績評価
○ 各講義レポート:15%
○ プロセスレコード:10%
○ 事例1(グループワーク)記録物:8%
○ 事例2(個人ワーク)記録物:20%
○ テスト:40%
○ 授業への取り組み・発表:2%
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
・次回授業内で解説します。
・質問は講義中もしくはメールを活用してください。
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
精神看護学 : 学生-患者のストーリーで綴る実習展開 第2版
田中美恵子 編著
医歯薬出版
978-4-263-23673-4
2015年/定価2600円
ナーシング・グラフィカ 精神看護学① 情緒発達と精神看護の基本 第4版
出口禎子ほか編
メディカ出版
978-4-8404-5383-7
2017年/定価2860円
ナーシング・グラフィカ 精神看護学② 精神障害と看護の実践 第4版
出口禎子ほか編
メディカ出版
978-4-8404-5384-4
2017年/定価3520円
参考文献・推薦図書
1)『系統看護学講座 専門分野Ⅱ 精神看護の基礎 精神看護学① 第6版』 武井麻子ほか編著 (医学書院/2021年/定価2530円)  ISBN 978-4-260-04213-0
2)『系統看護学講座 専門分野Ⅱ 精神看護の展開 精神看護学② 第6版』 武井麻子ほか編著 (医学書院/2021年/定価2530円)  ISBN 978-4-260-04214-7
3)『ナーシング・ポケットマニュアル 精神看護学 第2版』 田中美恵子,濱田由紀編著(医歯薬出版/2017年/定価2400円)     ISBN 978-4-263-23972-8
4)『看護のための精神医学 第2版』 中井久夫他著 (医学書院/2004年/定価3080円)  ISBN  978-4-260-33325-2
他は講義内で案内する。
研究室
島村龍治:東金キャンパス・K棟・K517号室
太田幸雄:東金キャンパス・H棟・H203号室
伊賀聡子:東金キャンパス・K棟・K416号室
オフィスアワー
月曜2限・木曜5限
科目ナンバリング
学位授与方針との関連
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