シラバス情報

授業科目名
起業マネジメント演習(修士論文指導を含む)IA
学年
1年
単位数
4単位
実務経験の有無
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
染谷 芳臣
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語
授業方法区分
開講キャンパス
東金キャンパス
授業の到達目標及びテーマ
テーマ 『現代会計・ファイナンスの課題:無形資産の会計とブランド価値』
授業の到達目標は、『経営学修士』の学位に相応しい様式と内容を備えた論文の作成である。研究テーマは現代の企業会計及びコーポレートファイナンスの課題、特に無形資産の会計とブランド価値創造及び評価の問題を取り上げる。また、本授業ではまず、現代の企業会計の理論とファイナンス理論とを学修しながら、修士論文の作成に必要な理論的な基盤を学び理解する。
授業の概要
本授業では、春の2つクォーター(S1・S2)で現代会計及びファイナンスに関する理論を関連著書や論文などを熟読しPPT(スライド)で整理し発表したもらう。そして、修士論文のタイトルをより具体的なものにし、修士論文の研究計画書の基礎となるレジュメ(修士論文の骨格を作成・発表してもらう。秋の2つのクォーター(F1/F2)では、修士論文の中間計画書を作成するために、研究計画書に従って、先行研究を実施し研究上の問題意識や研究方法論(リサーチメソドロジー)を探究し検討してもらう。

授業計画
1回
会計とファイナンスの異同
到達目標 会計とファイナンスとの異同を理解し、特に現行の会計理論が情報の経済学、企業の経済学(特に新制度学派経済学)によって影響を受けていることを理解する。
事前学習
事前学習2時間 配布プリント・資料を熟読する。
事後学習
事後学習2時間 配布プリント・資料を復習する。

2回
会計学の理論体系
到達目標 会計学の理論構造が、特に構文論・意味論・語用論という視点から、会計の計算構造を分析する分野、企業の経済活動の実態と会計言語との関係を解明する分野及び会計言語とステークホルダーの経済的意思決定との間の関係や相互的な影響を説明する分野とに区別できることを理解する。
事前学習
事前学習2時間 配布プリント・資料を熟読しスライド(PPT8枚程度)を作成する。
事後学習
 事後学習2時間 配布プリント・資料を復習する。

3回
2つの会計学
授業目標 会計学にイ、測定科学としての会計学とロ、説明科学としての実証会計学(Positive Accounting)とがあることを理解する。
事前学習
事前学習2時間 配布プリント・資料を熟読しスライドを作成する。
事後学習
事後学習2時間 配布プリント・資料を復習する。

4回
現代企業会計の目的
到達目標 現代企業会計の目的が何かについて討論を通じて理解し各人が明確な会計観を構築する。
事前学習
事前学習2時間 配布プリント・資料を熟読しスライドを作成する。
事後学習
事後学習2時間 配布プリント・資料を復習する。

5回
会計情報の有用性と2つの利益測定アプローチ
到達目標 企業のステークホルダーが今日求める会計又は財務情報とは何かについて議論しイ、収益・費用アプローチとロ、資産・負債アプローチとの異同を理解する。
事前学習
事前学習2時間 配布プリント・資料を熟読しスライドを作成する。
事後学習
事後学習2時間 配布プリント・資料を復習する。

6回
収益・費用アプローチと取得原価・実現主義会計
到達目標 収益・費用アプローチと親和性がある取得原価・実現主義会計の意味が理解できる。特に原価即事実説と原価則価値説の違いが理解できる。
事前学習
事前学習2時間 配布プリント・資料を熟読しスライドを作成する。
事後学習
事後学習2時間 配布プリント・資料を復習する。 

7回目
資産・負債アプローチと公正価値会計
到達目標 資産・負債アプローチと親和性のある公正価値会計の意味が理解でき、公正価値会計が収益認識基準に与えた影響を理解する。
事前学習
事前学習2時間 配布プリント・資料を熟読しスライドを作成する。
事後学習
事後学習2時間 配布プリント・資料を復習する。

8回
コーポレートガバナンス・コードと現代の企業観  
到達目標 コーポレートガバナンス・コードを理解し、現代の企業観について議論し各人が明確な企業観を構築する。

事前学習
 事前学習2時間 コーポレートガバナンス・コードを熟読し現代の企業観に関してスライドを作成する。
事後学習
事後学習2時間 ①株主資本主義経営とステークホルダー資本主義経営との相違を調べる。

9回
無形の経営資源の重要性と無形資産会計 
到達目標 企業の競争優位の源泉として無形の経営資源が重要であり、会計学上の課題として無形資産会計の重要性が増大していることを理解する。
事前学習
事前学習2時間 配布プリント・資料を熟読しスライドを作成する。
事後学習
事後学習2時間 配布プリント・資料を復習する。

10回
のれん、ブランド及びコーポレートレピュテーション
到達目標 会計上及びファイナンス上の、のれんの意義とブランドやコーポレートレピュテーションとの異同が理解できる。
事前学習
事前学習2時間 配布プリント・資料を熟読しスライドを作成する。
事後学習
事後学習2時間 配布プリント・資料を復習する。

11回
ブランドとコーポレートレピュテーション
到達目標 ブランド、特にコーポレート・ブランドの形成とコーポレートレピュテーションとの関係に関して議論を通じて理解し、各人が明確な見解を構築できる。
事前学習
事前学習2時間 配布プリント・資料を熟読しスライドを作成する。
事後学習
事後学習2時間 配布プリント・資料を復習する。

12回
ブランド価値の評価方法
到達目標 多様なブランド価値の評価方法を理解し活用できる。
事前学習
事前学習2時間 配布プリント・資料を熟読しスライドを作成する。
事後学習

13回
現代企業会計の限界と今日的な課題
到達目標 今日的な企業会計の課題を明示でき、研究計画発表に臨むことができる、なお、事前に関連するプリント・資料を配布する。
事前学習
事前学習2時間 修士論文のテーマを画定し論文のレジュメをスライドで作成する。そして、当該レジュメに従って研究計画の発表をする。
事後学習
事後学習2時間 提示された夏季休業中の課題を実施する。  。
夏季休業中の課題:先行研究の収集と熟読及び研究計画発表会で指摘された課題に対応し修士論文レジュメを完成させる。

14回
修士論文レジュメの発表と提出
到達目標 修士論文のレジュメを作成し、研究中間報告の基礎となる論文の骨格(章立て等)が構築できる。
事前学習
事前学習2時間 修士論文レジュメを完成させスライドを準備する。
事後学習
事後学習2時間 修士論文の作成上及び様式上の留意点を確認する。事前にプリント『修士論文作成の留意点』を配布する。

15回
 修士論文テーマと問題意識
 到達目標 修士論文のテーマの文言と問題意識とが整合しているかどうかを確認して、論文の問題意識が適切に明示されているかを確認する。
事前学習
事前学習2時間 先行研究と比較しながら、問題意識を明示しスライドを作成する。
事後学習
事後学習2時間 授業中に指摘された問題点を解消する。

16回
修士論文の先行文献リストの作成
到達目票 修士論文テーマについて、過不足なく先行研究を網羅しているかどうかを理解する。
事前学習
事前学習2時間 先行研究リスト及びそののスライドを作成する。
事後学習
事後学習2時間 修士論文テーマと先行研究との整合性を確かめる

17回
先行研究の概要発表
到達目標 先行研究に関する文献研究が十分行われていることを理解し確認できる。
 
事前学習
事前学習2時間 主要な先行研究の要旨をスライドで作成し準備する。
事後学習
事後学習2時間 各先行研究の背景にある『理論』を理解する。

18回
修士論文テーマの独自性のチェック
到達目標 先行研究の各文献を通じて解決された課題を明らかにし、各人の修士論文の問題意識及びテーマの独自性を再確認する。
事前学習
事前学習2時間 事前研究 配布プリント・資料を熟読する。
事後学習
事後学習2時間 配布プリント・資料を復習する。

19回
『仮説』の定立
到達目標 先行研究の背景にある理論から仮説を導出することができる。
事前学習
事前学習2時間 先行研究に関連する『理論』、例えばエイジェンシー理論やシグナリング理論等に関する資料等を熟読する。
事後学習
事後学習2時間 課題として提示された論文等を熟読する。

20回
仮説』を検証するためのリサーチ・メソドロジー
到達目標 定立した『仮説』の検証方法が体系的に構築できる。
事前学習
事前学習2時間 『仮説』と『統計的検定モデル』の異同が理解できる。
事後学習
事後学習2時間 授業で指摘された課題を解消する。

21回
『仮説』と『統計的検定モデル』との整合性のチェック
到達目標 『理論』から導出した『仮説』と『統計的検定モデル』とが、論理的に整合しているかどうかを確認できる。
事前学習
事前学習2時間 『仮説』の検証に必要なデータを収集し統計的検定モデルの検定に適合した検定方法を探索しスライドでまとめる。
事後学習
事後学習2時間 授業で指摘された課題を解消する。

22回
リサーチ・デザイン
到達目標 『仮説』検証のためのリサーチ・デザインを構築し、統計的な仮説検定の設計ができる。
事前学習
事前学習2時間 『仮説』の検証に必要なデータを収集し、統計的検定モデルの検定に適合した検定方法を探索しスライドでまとめる。
事後学習
事後学習2時間 『統計的検定モデル』とデータを用い、統計的検定を実施する。なお、重回帰分析をする場合、多重共線性に注意する必要がある。

23回目
統計的検定結果の検討 
イ、『仮説』の定立に誤りはないか ロ、収集したデータに問題はないか、ハ、選択した統計的検定方法に誤りないかを検討する。
イからロに誤りがなく、統計的検定結果が『仮説』を検証していなkれば、『仮説』は棄却されたことになる。
その場合、イを再度チェックし『理論』からの『仮説』導出課程に論理的な問題がなければ、『理論』自体に問題があることになる。現行の又は既存の『理論』では説明のつかない「アノマリー(変則性)」の存在を認めるか、又は異なる『理論』から新たな『仮説』を導出し、統計的な検証を実施することになる。
到達目標 『理論』及び統計的検定の理解度を深めることができる。
事前学習
事前学習2時間 統計的検定結果を整理・要約しスライドを作成する。
事後学習
事後学習2時間 
『仮説』が棄却された場合には、第20回に戻り再度研究を続けていく。
『仮説』が検証された場合には、下記の点を以後、検討jする。
イ、『仮説』の導出に誤りがないかを再度チェックする。ロ、よりシンプルな統計的検定モデルが構築できないかどうかをチェックする。ハ、重回帰分析では説明力が同じようであれば、より説明変数の少ない方が『モデル』としては科学上の経済合理性から望ましい。二、検定結果から想定される理論上の含意や実務上の含意等を検討する。ホ、最後に研究上の課題を明らかにする(なお、当該課題には統計的検定方法の精緻化や堅牢さも含まれる)。




24回
リサーチデザインの再確認1 『理論』と『仮説』
到達目標 『理論』と『仮説』間に矛盾がないことを再度確認し、『理論』の理解を深める。

事前学習
事前学習2時間 リサーチデザインをチェックする。
事後学習
事後学習2時間 検定結果の含意を考える。

25回
リサーチデザインの再確認2 『理論』と統計的検定結果の解釈
到達目標 『理論』に基づく検定結果の解釈ができる。
事前学習
事前学習2時間 リサーチデザインを再度確認する。
事後学習
事後学習2時間 検証結果から可能な解釈(含意)を導き出す。 

26回
リサーチデザインの再確認3 統計的検定モデルの経済性のチェック
到達目標 リサーチデザインの経済合理性をチェックできる。
事前学習
事前学習2時間 配布プリント・資料を熟読する
事後学習
事後学習 統計的検定の課題を明示する。

試験及び成績評価
研究計画発表及び研究中間報告と授業での発表内容で評価する。評価配分は以下の通りである。
研究計画発表及び研究中間報告 60%
授業での発表内容405
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
事前に提出する研究計画書や研究中間報告書に関して、従業中及びmanabaでコメントを配信する。
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
適宜、プリント・資料を配布する。
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参考文献・推薦図書
財務会計講義第23版 桜井久勝著 中央経済社 2022年 3,800円+税
ISBN978-4-502-42901-9  
実証会計学 石塚博司編 中央経済社 2006年 5,400円+税
ISBN4-502-26760-0
研究室
東金キャンパス・F棟・F203
オフィスアワー
月曜日・火曜日・水曜日及び金曜日の昼休み
科目ナンバリング
学位授与方針との関連
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