Syllabus data

授業科目名
Central European Society and Culture
学年
1Grade
単位数
2.00Credits
実務経験の有無
Have work experience
開講クォーター
semester not specified
担当教員
Shiba Riko
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語
授業方法区分
開講キャンパス
Togane Campus
授業の到達目標及びテーマ
中欧(中央ヨーロッパ)とはヨーロッパのどの地域を指すのだろうか。地理的にみると、ヨーロッパの中央部に位置し、多様な人々が暮らす空間ということになる。歴史的にみると、神聖ローマ帝国やハプスブルク帝国が支配した領域といえる。現在の国名で言うと、オーストリア、ハンガリー、チェコ、スロヴァキア、ポーランド、スロヴェニア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナの全域、さらにウクライナ、ルーマニア、クロアチア、セルビア、イタリアの一部の社会と文化を理解することが授業の到達目標である。

※この授業の概要と受講上の注意点については、以下の説明動画も参照して下さい。
https://youtu.be/fbp34Cqg13o
授業の概要
ヨーロッパの近代史において、ハプスブルク帝国はどのような位置を占めたのか、ハプスブルク帝国とドイツの関係はどのようなものだったのか、ハプスブルク帝国の統治下に置かれた中欧の社会はどのようなものだったか、といった疑問に答える形で授業を進める。ハプスブルク帝国の歴史を概観し、第一次世界大戦によって帝国が崩壊したあと、現在の中欧の国々が建国される時期までを、授業の対象時期としながら、中欧の社会と文化を考えてみたい。授業は講義形式で進めるが、写真や図版や動画も活用して受講者の理解を助け、一方的にならないよう配慮する。


授業計画
1回
第1回 中欧とは?
中欧は、時代によって変遷を重ねてきた概念であり、様々な意味で使われてきた。その主な「中欧」概念について学ぶ。
[到達目標]「中欧」という言葉の多義性を理解する。
事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。

2回
第2回 ハプスブルク帝国〜多様な地域と人びと
現在の中欧諸国は、第一次世界大戦後に独立国家となり、それ以前はハプスブルク帝国の支配下に置かれていたという歴史的な共通体験を持つ。ハプスブルク帝国の特徴である多様性について、地域とそこに住む人々および文化を概観することにより理解する。
[到達目標]ハプスブルク帝国に支配された地域がもつ共通性と多様性を理解する。
事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。

3回
第3回 ハプスブルク帝国の成立と中世の中欧
ハプスブルク帝国の歴史をその起源から概観するとともに、ハプスブルク帝国の支配下に入る以前、すなわち中世の中欧の歴史と文化を学ぶ。
[到達目標]ハプスブルク以前の中欧の歴史を理解する。
事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。

4回
第4回 ハプスブルク帝国の拡大と中欧
領土を拡大するハプスブルク帝国に対し、中欧はどのような関わりをもったのか、またその中で中欧の社会と文化はどのような影響を受けたのかを学ぶ。
[到達目標]ハプスブルク帝国の領土的拡大が中欧に与えた影響を理解する。
事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。

5回
第5回 三十年戦争とハプスブルク帝国
ヨーロッパの国家の様相を大きく変化させた三十年戦争(1618‐1648)によってハプスブルク帝国と中欧はどのように変わったか。
[到達目標]ヨーロッパ初の世界大戦と言われる三十年戦争から中欧が受けた影響を理解する。
事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。

6回
第6回 革命の時代とハプスブルク帝国の再編
フランス革命からナポレオン戦争という革命の時代のヨーロッパにあって、ハプスブルク帝国はどのように近代国家としての歩みを進めたのか。
[到達目標]ヨーロッパの歴史が大きく動いたナポレオン戦争の時代における中欧の状況を理解する。
事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。

7回目
第7回 中欧における「民族」の登場と自立への動き 
中欧では「〇〇人」がどのように形成されたのか。人々がどのようにして国民としての「○○人」になっていったのか。
[到達目標]多民族地域である中欧の例を学ぶことで、「民族」とは何か、「国民」とは何かを理解する。

事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。

8回
第8回 19世紀前半の2つの革命と中欧
フランス革命、ナポレオン戦争を通じて、中欧にナショナリズムの思想が伝わり、中欧の諸民族が「民族」の自覚を高めたが、反動的なウィーン体制に抑え込まれ、文化運動が政治運動に発展することはなかった。しかし、フランスを発火点とする19世紀前半の2つの革命は、中欧にも大きな影響を及ぼす。その過程と結果について検討していく。
[到達目標]ヨーロッパ規模の革命の時代にあって、君主制のハプスブルク帝国支配下の中欧はどう変わったかを理解する。
事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。

9回
第9回 帝国の二重化〜オーストリア・ハンガリーへの再編とその影響 
1867年のアウスグライヒにより、ハプスブルク帝国の統治体制は大きく変化した。ハンガリー人がドイツ人と対等の地位に立つという「オーストリア・ハンガリー二重君主国」への再編によって、社会はどのようにかわったのかを学ぶ。
[到達目標]アウスグライヒとは何かを理解する。
事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。

10回
第10回 世紀転換期の文化
19世紀末〜20世紀初頭の世紀転換期に、オーストリア・ハンガリーでは帝都ウィーンを中心に、芸術から自然科学にいたる様々な分野で多数の優れた芸術家や学者が輩出し、その多くが世界的な業績を残した。「世紀末文化」と総称される多彩な文化は、なぜこの時期に開花することになったのかを考える。
[到達目標]ハプスブルク帝国の世紀末文化とその中欧における展開について理解する。
事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。

11回
第11回 第一次世界大戦とハプスブルク帝国の崩壊
5世紀以上にわたってヨーロッパの歴史の中核であり続けたハプスブルク帝国も、19世紀後半に入ると衰退の様相を見せる。自らが火付け役となる第一次世界大戦に至る過程で何があったのかを学ぶ。
[到達目標]ハプスブルク帝国の崩壊の過程とその影響を理解する。
事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。

12回
第12回 第一次世界大戦後の中欧〜新国家群への再編
第一次世界大戦の火付け役となったハプスブルク帝国(オーストリア・ハンガリー)はこの戦争に敗北し崩壊した。広大な多民族国家の崩壊によって、戦後、中欧では大規模な再編が行なわれる。中欧にはどのような国家が成立したのか、その過程を見ていく。
[到達目標]第一次世界大戦後の中欧における新国家の形成過程を理解する。

事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。

13回
第13回 地域の視点からロシアのウクライナ侵攻を考える
2022年2月のロシアのウクライナ侵攻により両国が交戦状態に陥ってから、すでに1年余りが経過している。ウクライナもロシアも歴史的に中欧(東欧)と密接な関係にあり、この事態も冷戦終結後の中欧(東欧)の地域再編と無関係ではない。地域の視点から現状を考えてみたい。
[到達目標]ロシアのウクライナ侵攻の背景的要因を歴史的視点から理解する。
事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。

14回
事前学習
事後学習

15回
事前学習
事後学習

16回
事前学習
事後学習

17回
事前学習
事後学習

18回
事前学習
事後学習

19回
事前学習
事後学習

20回
事前学習
事後学習

21回
事前学習
事後学習

22回
事前学習
事後学習

23回目
事前学習
事後学習

24回
事前学習
事後学習

25回
事前学習
事後学習

26回
事前学習
事後学習

試験及び成績評価
次の二つを総合的に評価する。
(1)毎回の授業に関する課題または小テスト:50%
(2)期末レポート:50%

(1)の課題または小テストは、毎回の授業後に公開する。提出はLMSを利用する。
(2)のレポート提出はLMSを利用する。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
○毎回の授業の課題または小テストついては、原則として次の授業内で解説する。小テストの点数はLMSにより各自で把握できるので、理解不足の個所を重点的に復習すること。
○提出されたレポート課題(期末)については、LMSを通じてコメントする。
○教員への質問は、LMSの掲示板機能を活用すること。
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
授業内容をまとめたプリントを事前に配布し、授業中にテキストとして使用する。
原則として授業の前日までに公開するので、各自ダウンロードしておくこと。
参考文献・推薦図書
授業のテーマに関する参考文献・推薦図書をその都度紹介する。
研究室
東金キャンパス A棟3階 A314
オフィスアワー
水曜 4限
金曜 3限
科目ナンバリング
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