Teacher name : Shiba Riko
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授業科目名
Central European StudiesCentral European Studies
学年
3Grade
単位数
2.00Credits
実務経験の有無
Have work experience
開講クォーター
semester not specified
担当教員
Shiba Riko
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語
授業方法区分
開講キャンパス
Togane Campus
授業の到達目標及びテーマ
中欧地域は近代以降、周辺の諸帝国の支配下に置かれ、国家としての独立を失った。第1次世界大戦後には独立を獲得(または回復)したが、第2次世界大戦後にはその多くが社会主義国となり、さらには冷戦終結に伴う再度の体制転換を経験して現在に至っている。このような共通の歴史的経験のもと、中欧には同じヨーロッパでも西欧とは異なる、民族的・文化的多様性に富む複雑な社会が形成された。この授業の目標は、映画やドキュメンタリーなどの映像資料を手がかりとしながら、19〜20世紀の中欧地域の文化とその歴史的背景を知り、他地域とも比較しながらその特徴を理解することである。ポーランド、チェコ、スロヴァキア、ハンガリーのいわゆるV4諸国を中心とするが、多くの歴史的共通点をもつバルカン地域にも随時言及する。
※この授業の概要と履修上の注意点については、以下の説明動画も参照して下さい。 https://youtu.be/c8ZRsuTzwUY 授業の概要
初めに、中欧とはどんな地域なのか、19世紀までどんな歴史をたどってきたのかを概観したうえで、19〜20世紀の中欧の文化を見ていく。その際、中欧の地域としての共通性と個々の国や民族としても独自性とに着目したい。映像が基本的な素材となるが、文学や音楽など関連領域も必要に応じて取り上げる。授業は、講義・映像鑑賞・ディスカッションを組み合わせた形で進める。
【履修条件あり】 中欧に関する基礎的な知識を必要とするため、2年次修了までに、中欧の言語(ポーランド語、チェコ語、ハンガリー語)、中欧に関する基礎的な科目(日本とヨーロッパ、ハンガリー文化研究a/b、中欧の社会と文化)の中から2科目以上履修していることが望ましい。 授業計画
1回
第1回 中欧映画の概要
中欧における映画の歴史、主な作品、主な映画人について知る。 [到達目標]中欧の映画を観る上で必要な基本事項を理解する。 事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。
2回
第2回 初期の写真と映像にみる東欧(中欧・バルカン)
東欧における写真と映像の普及、被写体としての東欧について学ぶ。 [到達目標]写真と映像の黎明期に、東欧はどのように記録されているかを理解する。 事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。
3回
第3回 バルカンへの眼差し〜外からの視点と内からの視点
外からの眼差しによって形成されがちなバルカンのイメージに対して、アンゲロプロス『ユリシーズの瞳』を手がかりとしながら、内からの眼差しとはどのようなものであったのかを考える。 [到達目標]バルカンのイメージが往々にしてネガティヴなものになりがちであったのはなぜかを理解する。 事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。
4回
第4回 『太陽の雫』〜ハンガリーにおけるハンガリー人とユダヤ人
第二次世界大戦前には、中欧のどの国でもユダヤ人が大きな人口比を占めていた。ハンガリー人が主要民族のハンガリーで、ユダヤ人はどのような存在だったのか。激動の20世紀を彼らはどのように生きたのか。あるユダヤ人一家の家族史を描いた映画を手がかりに考える。 [到達目標]第二次世界大戦前のハンガリーにおけるハンガリー人と非ハンガリー人の共存と相克について理解する。 事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。
5回
第5回 『パプーシャの黒い瞳』〜ポーランドのポーランド人と非ポーランド人
第二次世界大戦前、多民族国家のポーランドには多数のロマ(ジプシー)も暮らしていた。馬車を連ねたクンパニア(キャラバン)を組んで旅するという独自の生活様式を守っていたロマが、第一次次世界大戦、ポーランド独立回復、第二次世界大戦、社会主義化という激動の中でどう生きることになったのか。他の民族とはどのような関係にあったのか。 [到達目標]中欧のどの国でも少数民族となっているロマが、20世紀ポーランドではどのような状況にあったかを理解する。 事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。
6回
第6回 『英国王給仕人に乾杯』〜ひとりのチェコ人を通して描く小国チェコスロヴァキアの自画像
チェコスロヴァキアの歴史を概観した上で、チェコ人の世界観や自己認識、価値観を映画から読み解く。 [到達目標]チェコ人が自分たちを、あるいは自分たちの国をどのように認識しているのかを理解する。 事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。
7回目
第7回 中欧における第二次世界大戦と社会主義体制の成立
ドキュメンタリーを通して中欧の現代史、特に第二次世界大戦と社会主義化について学ぶ。 [到達目標]後半の授業の準備として、中欧諸国における社会主義体制の成立過程を理解する。 事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。
8回
第8回 『デカローグ』より第8話「ある過去に関する物語」〜過ぎ去らない過去
ポーランドにおけるポーランド人とユダヤ人の関係を、ポーランドのテレビドラマを手がかりに考える。 [到達目標]ポーランドにおけるポーランド人とユダヤ人の屈折した関係を理解する。 事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。
9回
第9回 『灰とダイヤモンド』(1)〜戦後ポーランドの出発点
ポーランドの戦後体制の成立に人々はどう向き合ったのか、作品を通して考える。 [到達目標]社会主義体制の成立という戦後の新たな状況に対するポーランド人の意識と行動を理解する。 事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。
10回
第10回 『灰とダイヤモンド』(2)〜場面の意味を考える
厳しい検閲体制下で制作されたこの作品では、セリフで語らせることのできない部分を映像や音楽に語らせるという象徴主義的な手法がとられている。いくつかの場面を取り上げてどのような意味がこめられているかを読み解き、どのような解釈が可能かを考える。 [到達目標]セリフで語られない部分が、どのように場面として表現されているかを理解する。 事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。
11回
第11回 『木洩れ日の家で』〜人生とは? 人生の仕舞いかたとは?
人間にとって普遍的な「老い」というものの受け止め方に現れるポーランド人の価値観を、映画を通して考える。 [到達目標]「老い」の受け止め方に現れるポーランド人の家族関係や人間関係、価値観や世界観を理解する。 事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。
12回
第12回 『ひなぎく』〜1960年代チェコスロヴァキアにおける「普通の女の子」という存在
チェコ・ヌーヴェルヴァーグの代表的な作品を通して、当時の若者の状況や価値観・世界観、世代間の関係などを考える。 [到達目標]「普通の女の子」を通して描くことで現れている社会主義体制下のチェコ社会の側面を知る。 事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。
13回
第13回 中欧のアニメーション〜チェコスロヴァキア(チェコ)の作品を中心に
中欧のアニメーションの歴史を概観し、チェコのパペット・アニメーションの代表的な作品の鑑賞をとおして当時の社会状況や人々の世界観や価値観について考える。 [到達目標]アニメーション形式の作品を通して描かれている社会の側面、そこにこめられた意味を理解する。 事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。
14回
事前学習
事後学習
15回
事前学習
事後学習
16回
事前学習
事後学習
17回
事前学習
事後学習
18回
事前学習
事後学習
19回
事前学習
事後学習
20回
事前学習
事後学習
21回
事前学習
事後学習
22回
事前学習
事後学習
23回目
事前学習
事後学習
24回
事前学習
事後学習
25回
事前学習
事後学習
26回
事前学習
事後学習
試験及び成績評価
次の二つを総合的に評価する。
(1)毎回の授業に関する課題または小テスト:50% (2)レポート課題(期末):50% (1)の課題または小テストは、毎回の授業後に公開する。提出はLMSを利用する。 (2)のレポート提出はLMSを利用する。 課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
○毎回の授業の課題または小テストついては、原則として次の授業内で解説する。小テストの点数はLMSにより各自で把握できるので、理解不足の個所を重点的に復習すること。
○提出されたレポート課題(期末)については、LMSを通じてコメントする。 ○教員への質問は、LMSの掲示板機能を活用すること。 講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
授業内容をまとめたプリントを事前に配布し、授業中にテキストとして使用する。
原則として授業の前日までに公開するので、各自ダウンロードしておくこと。
参考文献・推薦図書
個別のテーマに関する参考文献をその都度紹介する。
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