Teacher name : Kamiya Sadahiro
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授業科目名
Biological System Practice
学年
2Grade
単位数
1.00Credits
実務経験の有無
開講クォーター
semester not specified
担当教員
Michiyoshi Nukaga,Kamiya Sadahiro
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語
授業方法区分
開講キャンパス
Togane Campus
授業の到達目標及びテーマ
● 生物の代謝に関し、1,2年生の内容を復習する。基礎生物学、生物学、生理化学1および生理化学2の内容について糖の代謝、脂肪酸の代謝、核酸の代謝、アミノ酸の代謝について演習および講義により、内容を確認し、知識の定着を図る。
● 全体の目標として生合成の全体像をマップの形で示し、生命活動を支える化学反応の概略を説明できることを目標とする。 授業の概要
【選択必修科目】
①科目名:生物系演習(Practice for Biology) ②授業形態:演習、講義。対面式授業(オンライン、オンデマンド授業を含め実施する場合は、JIU Portal 等にて連絡します。) ③授業内容: ● 1,2年生時における生物系科目において、生物の代謝に関して復習する。 生物は生命活動のためにエネルギーの獲得、生体を構成する化学物質の獲得および老廃物の排出を行う。それらに関わる主要な化学物質である糖、脂質、アミノ酸、ヌクレオチドを題材に食物から栄養として取り入れる過程、エネルギーを取り出す過程、排出する過程を理解する。 ● 生体は体内で糖や脂質の代謝を調節し、エネルギーの蓄積や絶食時に対する対応を行っている。栄養素の吸収・分布・代謝を切り口に代謝調節を理解し、絶食時や糖尿病時における代謝調節の現象を理解する。 ● 脂質は細胞膜を構成する成分となる他、細胞内伝達のシグナル分子としても働く。細胞膜成分となるリン脂質の代謝および、細胞内伝達に関わるIP3やプロスタグランジンの合成過程を理解する。 【オンラインとなった場合の授業について】 ・授業開始時間から、授業の内容、動画URLなどについて 10分程度説明します。 ・授業に関する Webex meeting のURL、連絡事項については、JIU portal 等に提示しますので、確認してください。 授業計画
1回
第1回 オリエンテーション 生体におけるタンパク質の役割 (担当:神谷、西口)
● 1,2年生の生化学および生物学で学んだ代謝経路を代謝マップとして大まかな流れをつかむ。 ● 生命維持に関わる分子であるタンパク質の役割について理解するタンパク質は細胞の構造を維持し、酵素として化学反応を触媒し、物質の輸送に携わるなど様々な役割がある。これらタンパク質の役割と、その中でも特に重要な酵素の役割について理解する。 事前学習
「一目でわかる医科生化学」の表紙裏の代謝マップを読んでおくことが望ましい。
「薬学領域の生化学」第2章 タンパク質 のところを読んでおくことが望ましい。 事後学習
配布プリントの演習をやりなおすことが望ましい。
2回
第2回 生体内の化学反応を触媒する酵素の働き (担当:神谷)
● 生体の化学反応を触媒するタンパク質の働きについて、反応速度に基づいて理解する。 ● 酵素反応の速度について、ミカエリス・メンテンの式とラインウィーバー・バークの式に基づいて理解する。 ● 阻害剤が酵素反応へ作用する様式を拮抗阻害、非拮抗阻害、不拮抗阻害のタイプに分けてミカエリス・メンテン式におけるKm値やVmax値がどのように影響されるか理解する。 SBO: C23801酵素反応における酵素と基質、阻害剤の関係を概説できる (知識・技能) 事前学習
「薬学領域の生化学」第3章 酵素 のところを読んでおくことが望ましい。
事後学習
配布プリントの演習をやりなおし、ミカエリス・メンテンの式とラインウィーバー・バークプロットの作図、および阻害剤の阻害の様式 (拮抗、非拮抗、不拮抗)におけるラインウィーバー・バークプロットの形、Km値とVmax値を復習することが望ましい。
3回
第3回 生体高分子の化学構造 (担当:神谷)
● 生体を構成する代表的な高分子であるタンパク質、多糖、脂肪の構造を単量体であるアミノ酸、単糖、脂肪酸の構造と重合の様式から理解する。 SBO: C25802経口摂取した代表的な食品成分の生体内での消長を概説できる 事前学習
「薬学領域の生化学」第2、4、5章 タンパク質、糖質、脂質 の構造、機能などを読んでおくことが望ましい。
事後学習
配布プリントの演習をやりなおし、タンパク質、多糖、脂肪を構成単位のアミノ酸、単糖、脂肪酸と対応させられるように復習することが望ましい。
4回
第4回 栄養素の消化・吸収 (担当:神谷)
● 糖・脂肪・タンパク質の消化管で消化される過程において消化酵素の働きと中間代謝物を理解する。 ● 栄養素が小腸上皮細胞で吸収される仕組みを輸送体の働きから理解する。 ● 脂質が血中で輸送される過程を理解する。 SBO: C25802 経口摂取した代表的な食品成分の生体内での消長を概説できる C25803 経口摂取した栄養素の出納について説明できる 事前学習
「薬学領域の生化学」第1章 細胞膜の構造と機能、第4、5、7章 糖質、脂質、タンパク質 の消化・吸収のところを読んでおくことが望ましい。
事後学習
配布プリントの演習をやりなおし、糖、脂肪、タンパク質が口腔、胃、十二指腸、小腸で分解される過程を復習することが望ましい。また、授業に関連する内容をレポート用紙にまとめる課題を提示します。
5回
第5回 炎症性メディエーターの合成 (担当:神谷)
● 炎症性メディエーターとして働くプロスタグランジンが合成されるアラキドン酸カスケードの反応と酵素の働きを理解する。 ● さらにNSAIDsによる反応への影響を理解する。 SBO:C26581炎症性メディエーターの産生、およびアラキドン酸カスケードにおける代謝物産生のメカニズムや生体への影響について説明できる 事前学習
「薬学領域の生化学」第11章 情報伝達 を読んでおくことが望ましい。
事後学習
配布プリントの演習をやりなおアラキドン酸カスケードの反応の内容とプロスタグランジン類の生理作用を復習することが望ましい。
6回
第6回 生体が糖と脂肪からエネルギーを得るしくみ (担当:西口)
● 糖が解糖系・TCA回路・電子伝達系・酸化的リン酸化の過程でATPの形でエネルギーを取り出す仕組みを好気条件下および嫌気条件下の2点から理解する。 ● 脂肪酸がベータ酸化によりATP合成に関わることを理解する。 ● 生体がエネルギーの蓄積に利用しているグリコーゲンからグルコースを取り出す仕組みを理解する。 ● アミノ酸のアミノ基転移反応と尿素サイクルの過程を理解する。 SBO: C26601身体活動レベルの違いにおける生体内のエネルギー代謝について分子レベルで図式化できる (技能) C26601対象者の状態に応じた糖代謝および脂質代謝が概説できる 事前学習
「薬学領域の生化学」第4章の糖質のエネルギー代謝の分野を読んでおくことが望ましい。
事後学習
授業内容をポスターにまとめる課題を提示します。
7回目
第7回 糖を合成するしくみ (担当:西口)
● 糖の同化代謝の過程を糖新生、グリコーゲン合成、ペントースリン酸経路、グルクロン酸経路から理解する。 SBO: C26601身体活動レベルの違いにおける生体内のエネルギー代謝について分子レベルで図式化できる (技能) C26601対象者の状態に応じた糖代謝および脂質代謝が概説できる C25901糖代謝に基づく代謝性アシドーシスと生体緩衝系について概説できる 事前学習
「薬学領域の生化学」第4章 グリコーゲン代謝の分野を読んでおくことが望ましい。
事後学習
授業内容をポスターにまとめる課題を提示します。
8回
第8回 脂質を合成するしくみ (担当:西口)
● 脂質の同化代謝を脂肪酸合成、コレステロール合成の過程から理解する。 ● ケトン体合成の過程を理解する。 SBO: C26601身体活動レベルの違いにおける生体内のエネルギー代謝について分子レベルで図式化できる (技能)。 C26601対象者の状態に応じた糖代謝および脂質代謝が概説できる 事前学習
「薬学領域の生化学」第5章 脂質代謝 第6章 生体酸化とエネルギー産生 の分野を読んでおくことが望ましい。
事後学習
授業内容をポスターにまとめる課題を提示します。
9回
第9回 アミノ酸の代謝、およびアミノ酸代謝と糖代謝の関係 (担当:西口)
● アミノ酸の合成および尿素回路、酸化的脱アミノ化について学ぶ。 事前学習
「薬学領域の生化学」第7章 アミノ酸代謝 の分野を読んでおくことが望ましい。
事後学習
授業内容をポスターにまとめる課題を提示します。
10回
第10回 ヌクレオチドの代謝 (担当:西口)
● アミノ酸を原料にしたヌクレオチドのde novo経路による合成を学ぶ。 ● デオキシヌクレオチドの合成や、核酸の異化反応について学ぶ。 事前学習
「薬学領域の生化学」第9章 核酸の代謝 の分野を読んでおくことが望ましい。
事後学習
授業内容をポスターにまとめる課題を提示します。
11回
第12回 食後および絶食時の代謝調節および全体のまとめと課題の説明 (担当:西口)
● 高血糖時に視床下部と膵臓のベータ細胞が高血糖を感知し、インスリンを分泌する過程とインスリンを受け取った全身の細胞が血中のグルコースの取り込み、糖の同化代謝を行い、血糖値の低下とエネルギー源の蓄積を行うしくみを理解する。 ● これまで押さえてきた解糖系、クエン酸回路、グリコーゲン合成と分解、糖新生、脂肪酸のベータ酸化、脂肪酸合成、コレステロール合成、ケトン体合成、アミノ酸代謝を代謝マップとしてまとめ、それらに含まれる重要な中間体、酵素をおさらいする。 SBO: C26601身体活動レベルの違いにおける生体内のエネルギー代謝について分子レベルで図式化できる (技能) C26601対象者の状態に応じた糖代謝および脂質代謝が概説できる 事前学習
代謝マップを作成できるように糖、脂質、コレステロールの代謝を復習しておくことが望ましい。
事後学習
課題のマップづくりを行う。
12回
第12回 リン脂質から細胞内情報伝達物質の合成 (担当:神谷)
● 細胞膜の基本構造となるリン脂質の二重膜の構造およびリン脂質の構造を理解する。 ● リン脂質からIP3とジアシルグリセロールを合成する反応と酵素の働きを理解する。 SBO:J15801リン脂質の生合成および代謝経路を細胞内情報伝達系との関連性から概説できる 事前学習
「薬学領域の生化学」第11章 情報伝達 を読んでおくことが望ましい。
事後学習
配布プリントの演習をやりなおし、細胞内情報伝達に関わるリン脂質の作用を復習することが望ましい。
13回
第13回 演習内容のまとめ (担当:神谷)
● 第14回までの内容を演習形式でおさらいする。 SBOs: J15801 リン脂質の生合成および代謝経路を細胞内情報伝達系との関連性から概説できる C23801 酵素反応における酵素と基質、阻害剤の関係を概説できる (知識・技能) C25802 経口摂取した代表的な食品成分の生体内での消長を概説できる C25803 経口摂取した栄養素の出納について説明できる C26581 炎症性メディエーターの産生、およびアラキドン酸カスケードにおける代謝物産生のメカニズムや生体への影響について説明できる C26601 身体活動レベルの違いにおける生体内のエネルギー代謝について分子レベルで図式化できる (技能) 事前学習
12回までの内容、特に第1〜5回、第12回の内容を配布プリントで復習しておくことが望ましい。また、糖、脂質、コレステロールの代謝マップなどを書けるように準備しておくことが望ましい。
事後学習
配布プリントの演習をやりなおし、本講義で学習したことを総復習することが望ましい。
14回
事前学習
事後学習
15回
事前学習
事後学習
16回
事前学習
事後学習
17回
事前学習
事後学習
18回
事前学習
事後学習
19回
事前学習
事後学習
20回
事前学習
事後学習
21回
事前学習
事後学習
22回
事前学習
事後学習
23回目
事前学習
事後学習
24回
事前学習
事後学習
25回
事前学習
事後学習
26回
事前学習
事後学習
試験及び成績評価
● 期末試験※(筆記試験90%)+課題レポートおよび課題点(10%)で評価し、合格基準を超えなかった場合は、再試験※ (筆記試験100%)を行う。
【重要】期末試験を受験するためには、神谷および西口から出題された「課題レポート」の提出を必須とします。「課題レポート」を未提出の場合には、期末試験の結果が合格点を超えていても「再試験」とします。 ※:期末試験および再試験については対面式での実施を予定していますが、新型コロナウイルス感染拡大の状況によりGoogleフォームなどを用いたオンラインでの試験に切り替える場合があります。 課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
● 試験終了後、ポイントや解説等を JIU Portal等へ掲示する予定です。
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
薬学領域の生化学
伊東ら
廣川書店
9784567244114
2013年出版 / 5,000 円+税
一目でわかる医科生化学
J. G. Salway(訳:西澤和久)
メディカルサイエンスインターナショナル
9784895924856
2007年出版 / 2,800 円+税
参考文献・推薦図書
●「Essential 細胞生物学第5版」 ブルース・アルバーツほか著 中村桂子・松原謙一 監訳 (南江堂 / ISBN: 9784524226825 /2021年出版/8,000円+税)
●「基礎から学ぶ生物学・細胞生物学 第3版」 和田 勝 (羊土社/ ISBN: 9784758120654/2015年出版/3200円+税) ●「アメリカ版 大学生物学の教科書 第2巻」 石崎泰樹・丸山敬 監訳・翻訳 (講談社ブルーバックス/ ISBN: 9784062576734/2010年出版/1600円+税) 研究室
神谷:東金キャンパス、K棟5F, K501
西口:東金キャンパス、K棟5F, K502 オフィスアワー
神谷:木・金曜昼休み
西口:月・火曜昼休み 科目ナンバリング
学位授与方針との関連
関連ページ
薬学基礎生物学、生物学、生理化学1、生理化学2、細胞生理学
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