Syllabus data

授業科目名
Microbiology B
学年
2Grade
単位数
2.00Credits
実務経験の有無
開講クォーター
semester not specified
担当教員
Michiyoshi Nukaga,Kitamura Akio
授業形態
授業で主に使用する言語
科目名:微生物学B(Microbiology B)
【二年生必修、日本語】
授業方法区分
開講キャンパス
Togane Campus
授業の到達目標及びテーマ
既習の「微生物学A」の知識を基に、病原性を有する細菌・ウイルス・真菌・寄生虫の各論を学ぶことにより、医療従事者として知るべき、代表的な感染症を理解する事を目的とする。さらに、それら病原性を有する細菌・ウイルス・真菌・寄生虫に対する化学療法薬を理解し、薬物治療に応用できるようになるために、抗微生物薬に関する基本的知識を修得する。
授業の概要
授業概要:ペニシリンの発見を契機として種々の抗生物質や合成抗菌薬が開発され、感染症による死亡は著しく減少した。しかし、抗微生物薬の多用による薬剤耐性菌の出現や院内感染の発生などが大きな問題となっている。これらの問題解決には抗微生物薬の適正使用が必要であり、すべての医療従事者での知識の修得が必要不可欠である。
本講義では、医療上問題となり得る各種病原微生物の特性を知るとともに、それら病原微生物に対して、どのような化学療法薬を適正に選択し使用すべきかを、その際の注意点を含め解説する。

授業計画
1回
細菌感染症と臨床各論(1)
グラム陽性球菌(ブドウ球菌、レンサ球菌)について、その特徴を知り、関連する疾患について理解する。
[SBO:E13500] 以下の全身性細菌感染症について、病態(病態生理、症状等)、感染経路と予防方法および薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。ジフテリア、劇症型A 群β溶血性連鎖球菌感染症、新生児B 群連鎖球菌感染症、破傷風、敗血症"
[SBO:E13400] 以下の薬剤耐性菌による院内感染について、感染経路と予防方法、病態(病態生理、症状等)および薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。MRSA、VRE、セラチア、緑膿菌等"
事前学習
微生物学Aで学んだ範囲のうち、教科書p11〜p35の細菌の構造、増殖機構について確認しておく。(2 hr)
事後学習
教科書の該当範囲を再度通読する。講義時に提示された課題に取り組むとともに、ESS等に登録されている問題演習も実施する。(2 hr)

2回
細菌感染症と臨床各論(2)
グラム陰性球菌(淋菌、髄膜炎菌)及びグラム陽性桿菌(破傷風菌、ガス壊疽菌、ボツリヌス菌、ジフテリア菌、炭疽菌)の細菌学的特徴を知るとともに、それらが引き起こす代表的な疾患について理解する。
[SBO:E13500]
事前学習
事前に教科書のグラム陰性球菌(p185-p186)、グラム陽性桿菌(p155-p166)の部分通読しておく。(2 hr)
事後学習
教科書の該当範囲を再度通読する。講義時に提示された課題に取り組むとともに、ESS等に登録されている問題演習も実施する。(2 hr)

3回
細菌感染症と臨床各論(3)グラム陰性桿菌その1
グラム陰性桿菌(大腸菌、緑膿菌、セラチア菌等)の細菌学的特徴を知り、それらが引き起こす代表的な疾患について理解する。
[SBO:E13400、E13500]
事前学習
事前に教科書のグラム陰性桿菌(p166-p176)の部分通読しておく。(2 hr)
事後学習
教科書の該当範囲を再度通読する。講義時に提示された課題に取り組むとともに、ESS等に登録されている問題演習も実施する。(2 hr)

4回
細菌感染症と臨床各論(4)グラム陰性桿菌その2
グラム陰性桿菌(シュードモナス属、ボルデテラ属等)等の細菌学的特徴を知るとともに、それらが引き起こす代表的な疾患について理解する。
[SBO:E13400、E13500]
事前学習
事前に教科書のグラム陰性桿菌(p177-p193)の部分通読しておく。(2 hr)
事後学習
教科書の該当範囲を再度通読する。講義時に提示された課題に取り組むとともに、ESS等に登録されている問題演習も実施する。(2 hr)

5回
 抗菌薬の作用機序各論(1) −細胞壁合成阻害薬−
β-ラクタム系薬を中心に、細胞壁合成阻害薬の特徴について学習する。
また、代表的なβ-ラクタム系抗菌薬の分類、抗菌スペクトルおよび有効な感染症についても学習する。

[SBO:E12301] 以下の抗菌薬の薬理(薬理作用、機序、抗菌スペクトル、主な副作用、相互作用、組織移行性)および臨床適用を説明できる。
β-ラクタム系、テトラサイクリン系、マクロライド系、アミノ配糖体(アミノグリコシド)系、キノロン系、グリコペプチド系、抗結核薬、サルファ剤(ST 合剤を含む)、その他の抗菌薬"
[SBO:E12500] 主要な抗菌薬の耐性獲得機構および耐性菌出現への対応を説明できる。
[SBO:C35000、SBO:C35001]
事前学習
事前に、教科書の抗菌薬各論の細胞壁ペプチドグリカン合成の阻害薬(p279-p293)の部分通読しておく。(2 hr)
事後学習
教科書の該当範囲を再度通読する。講義時に提示された課題に取り組むとともに、ESS等に登録されている問題演習も実施する。(2 hr)

6回
抗菌薬の作用機序各論(2) −タンパク質合成阻害薬−
マクロライド系抗菌薬、アミノ配糖体系抗菌薬およびテトラサイクリン系抗菌薬等を中心に、タンパク質合成阻害薬の特徴、抗菌スペクトル、分類、そして有効な感染症について学習する。
[SBO:E12301、SBO:E12500、SBO:C35000、SBO:C35001]
事前学習
事前に、教科書の抗菌薬各論のタンパク質合成阻害薬(p293-p302)の部分通読しておく。(2 hr)
事後学習
教科書の該当範囲を再度通読する。講義時に提示された課題に取り組むとともに、ESS等に登録されている問題演習も実施する。(2 hr)

7回目
抗菌薬の作用機序各論(3)-DNA合成阻害薬、代謝拮抗薬、他-
ピリドンカルボン酸系抗菌薬を中心に、抗結核薬、サルファ薬(ST合剤を含む)等の特性と、有効な感染症について学習する。また、細菌感染症に関係する代表的な生物学的製剤の作用機序についても学ぶ。
[SBO:E12301、SBO:E12500、SBO:C35000、SBO:C35001]
事前学習
事前に、教科書のDNA合成を阻害する抗菌薬等(p302-p312)の部分通読しておく。(2 hr)
事後学習
教科書の該当範囲を再度通読する。講義時に提示された課題に取り組むとともに、ESS等に登録されている問題演習も実施する。(2 hr)

8回
病原性ウイルスと治療薬(1)  -DNA ウイルス-
代表的な抗ウイルス薬の作用機序について知る。そしてDNAウイルス(ヒトヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、EB ウイルス、アデノウイルス、パルボウイルスB19など)についてその特性を知ると共に、これらが引き起こす代表的な疾患について理解する。

[SBO:C34100、SBO:C35200]
[SBO:C34100] ワクチンの原理と種類(生ワクチン、不活化ワクチン、トキソイド、混合ワクチンなど)について説明できる。
[SBO:C35200] ウイルスの構造、分類、および増殖機構について説明できる。
[SBO:C36200] DNA ウイルス(ヒトヘルペスウイルス、アデノウイルス、パピローマウイルス、B 型肝炎ウイルスなど)について概説できる。
[SBO:E13600] ヘルペスウイルス感染症(単純ヘルペス、水痘・帯状疱疹)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、予防方法および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
[SBO:E13700] サイトメガロウイルス感染症について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
事前学習
事前に、教科書のDNAウイルス(p195-p204)、抗ウイルス薬(p345-p358)の部分を通読しておく。微生物学Iの範囲であるが、ウイルス総論(p69-p80)も通読しておくとなお良い。(2 hr)
事後学習
教科書の該当範囲を再度通読する。講義時に提示された課題に取り組むとともに、ESS等に登録されている問題演習も実施する。(2 hr)

9回
病原性ウイルスと治療薬(2) - RNA ウイルス1-
ポリオウイルス、コクサッキーウイルス、エコーウイルス、ライノウイルス、麻疹ウイルス、ムンプスウイルス及びインフルエンザウイルスについて、各ウイルスの特性を知ると共に、これらが引き起こす疾患と使用する抗ウイルス薬について理解する。
[SBO:C36300] RNA ウイルス(ノロウイルス、ロタウイルス、ポリオウイルス、コクサッキーウイルス、エコーウイルス、ライノウイルス、A型肝炎ウイルス、C 型肝炎ウイルス、インフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、日本脳炎ウイルス、狂犬病ウイルス、ムンプスウイルス、HIV、HTLV など)について概説できる。
[SBO:E13800] インフルエンザについて、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、感染経路と予防方法および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
[SBO:E14000] 後天性免疫不全症候群(AIDS)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、感染経路と予防方法および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
[SBO:E14100] 以下のウイルス感染症(プリオン病を含む)について、感染経路と予防方法および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。伝染性紅斑(リンゴ病)、手足口病、伝染性単核球症、突発性発疹、咽頭結膜熱、ウイルス性下痢症、麻疹、風疹、流行性耳下腺炎、風邪症候群、Creutzfeldt-Jakob(クロイツフェルト-ヤコブ)病"
事前学習
事前に、教科書の病原ウイルス各論のうち、RNAウイルス等(p204-p224)の部分と抗ウイルス薬(p345-p358)の部分を通読しておく。(2 hr)
事後学習
教科書の該当範囲を再度通読する。講義時に提示された課題に取り組むとともに、ESS等に登録されている問題演習も実施する。(2 hr)

10回
病原性ウイルスと治療薬(3) - RNA ウイルス2--
レトロウイルス(HIV、HTLV)の特徴とそれらに対する抗ウイルス薬について知り、それらが引き起こす代表的な疾患について理解する。
[SBO:E14001]HIV感染によるAIDS発症後、免疫力低下に伴う感染について、諸外国と日本との感染原因微生物の違いについて概説できる。


事前学習
事前に、教科書の病原ウイルス各論のうち、RNAウイルス等(p204-p224)の部分と抗ウイルス薬(p345-p358)の部分を通読しておく。(2 hr)
事後学習
教科書の該当範囲を再度通読する。講義時に提示された課題に取り組むとともに、ESS等に登録されている問題演習も実施する。(2 hr)

11回
病原性ウイルスと治療薬(4) - RNA ウイルス3--
A型、B 型、C 型、D型及びE型肝炎ウイルスの特徴とそれらに対する抗ウイルス薬について知り、それらが引き起こす代表的な疾患について理解する。
[SBO:E13900] ウイルス性肝炎(HAV、HBV、HCV)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、感染経路と予防方法および病態(病態生理(急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝細胞がん)、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。)
[SBO:C34100、SBO:C35200]
事前学習
事前に、教科書の病原ウイルス各論のうち、RNAウイルス等(p204-p224)の部分と抗ウイルス薬(p345-p358)の部分を通読しておく。(2 hr)
事後学習
教科書の該当範囲を再度通読する。講義時に提示された課題に取り組むとともに、ESS等に登録されている問題演習も実施する。(2 hr)

12回
抗真菌薬と病原真菌各論
代表的な抗真菌薬の作用機序について知ると共に、各種真菌の微生物学的特徴とそれらが引き起こす代表的な疾患について理解する。

[SBO:C36900] 真菌(アスペルギルス、クリプトコックス、カンジダ、ムーコル、白癬菌など)について概説できる。
[SBO:C35300] 真菌の性状を概説できる。
[SBO:E14200] 抗真菌薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)および臨床適用を説明できる。
[SBO:E11900] 皮膚真菌症について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
[SBO:E17702]細菌・真菌感染症に用いられる要指導医薬品・一般用医薬品等に含まれる成分・作用・副作用を列挙できる。
事前学習
事前に、教科書の抗真菌薬(p367-p376)の部分と病原真菌各論(p225-p235)の部分を通読しておく。さらに微生物学Iの範囲であるが、真菌学総論(p81-p86)を通読しておくとなお良い。(2 hr)
事後学習
教科書の該当範囲を再度通読する。講義時に提示された課題に取り組むとともに、ESS等に登録されている問題演習も実施する。(2 hr)

13回
病原寄生虫・病原原虫と抗寄生虫薬・抗原虫薬
代表的な原虫、寄生虫による疾患について知るとともに、抗原虫・寄生虫薬の作用機序および臨床応用を理解する。

[SBO:E14400] 以下の原虫感染症について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
マラリア、トキソプラズマ症、トリコモナス症、アメーバ赤痢"
[SBO:E14500] 以下の寄生虫感染症について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
回虫症、蟯虫症、アニサキス症"
[SBO:C35400] 原虫および蠕虫の性状を概説できる。
[SBO:C37000] 原虫(マラリア原虫、トキソプラズマ、腟トリコモナス、クリプトスポリジウム、赤痢アメーバなど)、蠕虫(回虫、鞭虫、アニサキス、エキノコックスなど)について概説できる。
事前学習
事前に、教科書の寄生虫と寄生虫症(p236-p246)及び寄生虫と寄生虫症(p377-p382)の部分を通読しておく。(2 hr)
事後学習
教科書の該当範囲を再度通読する。講義時に提示された課題に取り組むとともに、ESS等に登録されている問題演習も実施する。(2 hr)

14回
微生物学Bの範囲の総復習と確認のため、試験を実施する。実施方法は事前に講義中に指示する。
事前学習
事前に、教科書のp149-p246、p279-p382の範囲(微生物学Bで学習した全範囲)の部分を熟読ししておく。さらに、各回配付資料・課題についても確認しておく。(4 hr〜)
事後学習
上位学年で履修する薬物治療等でも必要な知識となるため、さらに教科書の該当範囲を再度教科書・授業資料などを熟読する。(1hr〜)

15回
事前学習
事後学習

16回
事前学習
事後学習

17回
事前学習
事後学習

18回
事前学習
事後学習

19回
事前学習
事後学習

20回
事前学習
事後学習

21回
事前学習
事後学習

22回
事前学習
事後学習

23回目
事前学習
事後学習

24回
事前学習
事後学習

25回
事前学習
事後学習

26回
事前学習
事後学習

試験及び成績評価
・定期試験、課題への参加・取り組みによって評価する。
 定期試験の成績(80%)、小テストを含む課題等の取り組み状況(20%)

・定期末試験までの総合評価で合格基準を超えなかった学生には、追・再試験を行う。(試験100%)
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
小テストにより、授業の理解度を確認する。点数が低い場合など問題がある場合は、 JIU メールで個別に連絡・指導する。状況によっては、再テストを実施する。
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
薬学領域の病原微生物学・感染症学・化学療法学 第4版
増澤俊幸、河村好章 編集
廣川書店
978-4-567-52133-8
参考文献・推薦図書
ベーシック薬学教科書シリーズ15 微生物学・感染症学」 土屋友房 編集 (化学同人)
等、図書館の微生物学の教科書全般
研究室
・額賀路嘉
 研究室:生体防御学研究室 K棟4階 K407

・北村昭夫
 研究室:生体防御学研究室 K棟3階 K304
オフィスアワー
・額賀路嘉
 オフィスアワー:水 3限、金 2限

・北村昭夫
 オフィスアワー:水 3限、金 2限
科目ナンバリング
学位授与方針との関連
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