教員名 : 柴 理子
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授業科目名
国際日本学
学年
1年
単位数
2.00単位
実務経験の有無
〇(実務経験有)
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
柴 理子
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語
授業方法区分
開講キャンパス
東金キャンパス
授業の到達目標及びテーマ
国際日本学とは、外に開かれた、国際的・学際的・複眼的な方法に基づく新しい日本学である。
この授業では、内からの視点のみならず外からの視点による日本学にも注目し、日本の歴史や文化が諸外国においてどのような契機から関心の対象となり、それがどのように学術的な日本学につながっていったのか、その歴史と現状を学ぶ。そこに関わった人物や主な事象を知ることも目的の一部である。日本の歴史や社会や文化の諸問題を、内からの視点に偏ることなく多面的にとらえるという思考や態度を身につけることが目標である。 ※この授業の概要と履修上の注意点については、以下の説明動画も参照して下さい。 https://youtu.be/6Ry4sf6crmw 授業の概要
海外における日本に対する関心と日本学の大きな流れをつかむために、最初に日本に関する情報の量と広がりを見る。そのうえで、個々の国の歴史的背景や日本との関係、日本学における諸国間の相互関係や相互影響などに注目しつつ、内と外の両方の視点があってこそ生み出された日本学の研究成果を個別に検討する。
通常の講義形式とするが、画像や映像などのビジュアル資料も活用し、受講者の理解を助けるようにしたい。 授業計画
1回
第1回 海外の書物に見る「日本」
過去500年間の書物に登場した「日本」の分析を手がかりとしながら、その動向を検討する。 [到達目標]海外では、だれが、いつ、どこで、どんなきっかけで日本について関心を持ったのかを把握する。 事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。
2回
第2回 日本研究の多様化と多地域化〜ジャポニスムの遺産と「クールジャパン」
近年は、諸外国の日本への関心が拡大するとともに多様化するという様相が見られる。その背景的な要因を学ぶ。 [到達目標]19〜20世紀のジャポニスムと近年のクールジャパンの関係性を理解する。 事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。
3回
第3回 ヨーロッパにおける日本研究の黎明と二人の先駆者たち
日本研究のパイオニアとなったポルトガルとオランダの状況を概観し、鎖国体制下の日本に滞在したケンペル、シーボルトという二人の先駆者がヨーロッパに何を伝えたかを学ぶ。 [到達目標]ヨーロッパの日本研究がどのように始まったのかを理解する。 事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。
4回
第4回 漂流民が伝えた「日本語」〜日本語とロシア語の出会い
人の往来が限られていた時代の諸外国の日本語教育には、偶然流れ着いた日本からの漂流民が重要な役割を果たした。日本の隣国ロシアの日本語教育がどのように始まったのか、そこに日本人がどう関わったのかについて学ぶ。 [到達目標]日本の隣国ロシアの日本語教育がどのように始まったのかを理解する。 事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。
5回
第5回 大黒屋光太夫のロシア体験
海外渡航が禁じられていた江戸時代にロシアで約10年を過ごした人物、大黒屋光太夫は、鎖国体制下の日本に貴重な海外情報をもたらした。彼のロシア体験、当時のロシアの日本観について学ぶ。 [到達目標]鎖国体制下の日本人の海外体験とその意義を理解する。 事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。
6回
第6回 日英交流と幕末日本の留学生
開国以前の幕末にイギリスに渡った留学生は、明治日本の建設に大きな役割を果たした。日英交流の歴史を概観した上で、オランダやロシアへの留学生とも比較しながら見ていく。 [到達目標]幕末の海外留学の状況とその意義を理解する。 事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。
7回目
第7回 江戸時代の外国語事情と通訳者
現在の国際共通語となっている英語を国民すべてが学習するという状況が続いているのは、たかだか100年足らずに過ぎない。明治以前には、200年余りにわたって、オランダ語が主要言語として学ばれていた。外国人とのコミュニケーションのための言語がどのように移り変わってきたのかを、オランダ通詞という近代日本の通訳・翻訳者を通してみていく。 [到達目標]鎖国体制下の日本の外国語学習を現代との比較の視点から理解する。 事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。
8回
第8回 明治期の日本は留学生をどう受け入れたか
明治日本によるアジアの留学生の受入れ状況とその問題点を、中国およびベトナムからの留学生を中心に検討する。 [到達目標]明治日本の留学生への対応を現代との比較の視点から見てみることで、留学生受け入れのあるべき姿を理解する。 事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。
9回
第9回 訪日外国人が伝えた明治日本 〜イザベラ・バード『日本奥地紀行』
明治期に来日した外国人はなぜ日本に関心をいだいたのか。また、日本をどのようにとらえ、本国に何を伝えたのか。イギリスの旅行家イザベラ・バードの紀行文を通して考える。 [到達目標]明治日本は外国人の目にはどのように映っていたのかを理解する。 事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。
10回
第10回 江戸時代の日朝交流と朝鮮通信使
豊臣秀吉の朝鮮侵攻後、日本と朝鮮はその負の歴史を乗り越え、約250年間にわたって友好的な関係を続けた。特に「朝鮮通信使」は日本各地に交流の痕跡を残し、その記録は日本国内12都府県と韓国に今も保存されている。今日の私たちは江戸時代の日朝関係から何を学べるだろうか。 [到達目標]江戸時代の日朝交流を現代との比較の視点から学ぶことで、相互理解に何が必要かを知る。 事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。
11回
第11回 日本論・日本人論に見る「日本」(1)〜他者からの眼差し
日本の社会や文化、日本人は、諸外国の人々からどのように見られているのか。ここではまず、外国人によって書かれた代表的な日本論・日本人論を取り上げ比較検討する。 [到達目標]日本および日本人は諸外国からどのように見られてきたのかを知る。 事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。
12回
第12回 日本論・日本人論に見る「日本」(2)〜日本人の自画像
日本人は自らをどう認識しているのか。それは、他者から見た場合とどのようなズレがあるのか。日本人の手で書かれた代表的な日本論・日本人論を取り上げ比較検討する。 [到達目標]日本人の自己認識を外国人による他己認識と突き合せてみることで、国際交流におけるあるべき姿勢や態度を理解する。 事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。
13回
第13回 越境する文学〜「日本文学」から「日本語文学」へ
旧来の「日本文学」は、もっぱら日本語を母語とする書き手によって日本語で書かれてきた。しかし、1990年代頃から、日本語を母語としない書き手によって日本語で書かれた作品が続々と登場し、「日本文学」は日本語ネイティヴだけのものではなくなりつつある。母語にとらわれることなく非母語である他言語を表現手段として選ぶという文学作品執筆のあり方は、他の言語の場合も広く見られる。グローバル化・多文化化の進展に伴う「日本文学」の変容と新たな展開について学ぶ。 [到達目標]グローバル化・多文化化の時代の言語のありようを理解する。 事前学習
[2h]事前に授業の予定を確認し、配布プリントをよく読んで、わからない用語などがあれば調べておく。
事後学習
[2h]授業で学んだ内容に関する課題または小テストを課す。
14回
事前学習
事後学習
15回
事前学習
事後学習
16回
事前学習
事後学習
17回
事前学習
事後学習
18回
事前学習
事後学習
19回
事前学習
事後学習
20回
事前学習
事後学習
21回
事前学習
事後学習
22回
事前学習
事後学習
23回目
事前学習
事後学習
24回
事前学習
事後学習
25回
事前学習
事後学習
26回
事前学習
事後学習
試験及び成績評価
次の二つを総合的に評価する。
(1)毎回の授業に関する課題または小テスト:50% (2)期末レポート:50% (1)の課題または小テストは、毎回の授業後に公開する。提出はLMSを利用する。 (2)のレポート提出はLMSを利用する。 課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
○毎回の授業の課題または小テストついては、原則として次の授業内で解説する。小テストの点数はLMSにより各自で把握できるので、理解不足の個所を重点的に復習すること。
○提出されたレポート課題(期末)については、LMSを通じてコメントする。 ○教員への質問は、LMSの掲示板機能を活用すること。 講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
授業内容をまとめたプリントを事前に配布し、授業中にテキストとして使用する。
原則として授業の前日までに公開するので、各自ダウンロードしておくこと。
参考文献・推薦図書
授業のテーマに関する参考文献・推薦図書をその都度紹介する。
研究室
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水曜 4限
金曜 3限 科目ナンバリング
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