教員名 : 井上 敏昭
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授業科目名
ミュージアムと資料保存
学年
2年
単位数
2.00単位
実務経験の有無
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
井上 敏昭
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語
授業方法区分
開講キャンパス
東金キャンパス
授業の到達目標及びテーマ
「ミュージアムと資料保存」は文部科学省令で定められた学芸員資格取得のための科目(学芸員資格取得課程講座科目)である。つまり、学芸員資格の取得を目指す学生のための科目である。学芸員資格取得を目指さない学生も履修可能ではあるが、内容は大変高度かつ専門的であることを理解して履修すること。また配当年次は2年次以降であるので1年生は履修できない。
本科目の学習到達目標は、 ミュージアム(博物館・美術館)の資料保存について理解し,資料を適切に保存・保管するための基礎的知識を獲得することである。なお本科目において「ミュージアム」とは博物館法に基づいて登録された博物館、美術館、資料館などを包含する公共施設の総称として用いる。 授業紹介動画:https://drive.google.com/file/d/112O6jJZt27HnLl7klsluHXirzq0WLT5k/view?usp=sharing 授業の概要
①科目名:ミュージアムと資料保存(Museum Studies: Conservation)
②授業形態:対面授業:講義形式ただし1回のみ水田美術館における学内実地授業を行う。 ③内容:「ミュージアムと資料保存」は、対面型式で13回の授業が行われる。授業形態は、主として講義形式で進められるが、学内の水田美術館において行う実地授業の機会を1回設ける。授業では、ミュージアムの資料保存に関して、温湿度環境、光と照明、室内空気汚染、生物被害、屋外環境、災害・事故などのトピックを取り上げ、下記の計画に従って講義する。なお、水田美術館の展示スケジュールとの調整を図るため、授業の順序・内容を入れ替えることがある。 授業計画
1回
〈対面授業〉「本科目における受講・自己学習の方法」
本科目を履修する際に求められる基本姿勢や順守すべきルールを理解し、授業内での議論や事前事後学習を行ううえで必要な技術を習得する。 到達目標:本科目を履修する際に求められる基本姿勢や順守すべきルールを理解できる。授業内での議論に参加をするうえで、また本科目に関する自己学習を行ううえで必要な技術を身につける。 「ミュージアムにおける資料保存の意義と目的/資料保存に関する倫理」 ミュージアム(博物館・美術館)における資料保存の理念、目的、意義や倫理、資料保存を通したミュージアムの社会的役割について学ぶ。 到達目標:ミュージアムでの資料保存の理念、目的、意義や倫理、その根拠となる法規、資料保存を通したミュージアムの社会的役割、地域貢献について理解できる。 事前学習
(2h)これまで履修した博物館学関連科目で学んだ内容を復習しておく。
事後学習
(2h)ミュージアム(博物館・美術館)における資料保存の理念、目的、意義や倫理、資料保存を通したミュージアムの社会的役割に関する授業内容について、この回の授業で教示した方法を用いて、ノートをまとめ直し、知識を整理しておく。また、期限までに小テストに解答し、知識の定着を確認する。
2回
〈対面授業〉「資料の保存環境」
ミュージアムにおける資料の保存環境や資料に影響を与える環境因子の概略について学ぶ。 到達目標:ミュージアムにおける資料の保存環境や環境因子についてその概要を理解できる。 事前学習
(2h)これまで訪れたことのあるミュージアムの状況を参考にして、ミュージアムにおいてどのような環境が保たれているか考察し、発表できるように準備しておく。
事後学習
(2h)ミュージアムにおける資料の保存環境・環境因子の概略について、初回の授業で教示した方法を用いて、ノートをまとめ直し、知識を整理しておく。また、期限までに小テストに解答し、知識の定着を確認する。
3回
〈対面授業〉「温度・湿度による資料への影響、その測定と対策」
温度や湿度がミュージアム資料に与える影響や保持すべき温湿度環境、温湿度の測定法の基礎や、対策法について学ぶ。 到達目標:温度や湿度がミュージアム資料に与える影響、保持すべき温湿度環境、温度・湿度の測定法や対策法について理解できる。 事前学習
(2h)温度や湿度が物質に与える影響について、経験から考察しておく。
事後学習
(2h)温度や湿度がミュージアム資料に与える影響や保持すべき温湿度環境、温湿度の測定法の基礎や対策法について、初回の授業で教示した方法を用いて、ノートをまとめ直し、知識を整理しておく。また、期限までに小テストに解答し、知識の定着を確認する。
4回
〈対面授業〉「光による資料への影響、その測定と対策」
光がミュージアム資料に与える影響と保持すべき光度、その測定法の基礎や対策法について学ぶ。 到達目標:光がミュージアム資料に与える影響や保持すべき光度、その測定法の基礎や対策法、とくに展示照明用光源について理解できる。 事前学習
(2h)光が物質に与える影響について、経験から抽出し考察しておく。
事後学習
(2h)光がミュージアム資料に与える影響や保持すべき光度、その測定法の基礎や展示照明用光源などの対策法について、初回の授業で教示した方法を用いて、ノートをまとめ直し、知識を整理しておく。また、期限までに小テストに解答し、知識の定着を確認する。
5回
〈対面授業〉「空気の質が与える資料への影響、その測定と対策」
室内の空気の質がミュージアム資料に与える影響と保持すべき状態、その測定法の基礎について学ぶ。 到達目標:展示室や収蔵室の空気の質がミュージアム資料に与える影響と、変色試験紙やパッシブインジケータ、ガス検知管などの測定器具について理解できる。 事前学習
(2h)空気の質が物質に与える影響について、経験から抽出し考察しておく。
事後学習
(2h)展示室や収蔵室の空気の質がミュージアム資料に与える影響と、変色試験紙やパッシブインジケータ、ガス検知管などの測定器具について、初回の授業で教示した方法を用いて、ノートをまとめ直し、知識を整理しておく。また、期限までに小テストに解答し、知識の定着を確認する。
6回
〈対面授業〉「害虫・害獣・カビによる劣化と対策」
虫やカビなどによるミュージアム資料への生物被害について、生物種ごとに学ぶ。 到達目標:ミュージアムにおける生物被害の概要について理解できる。 事前学習
(2h)虫やカビなどの生物が物質に与える影響について、経験から抽出し考察しておく。
事後学習
(2h)虫やカビなどによるミュージアム資料への生物被害について、初回の授業で教示した方法を用いて、ノートをまとめ直し、知識を整理しておく。また、期限までに小テストに解答し、知識の定着を確認する。
7回目
〈対面授業〉「IPM」
ミュージアム資料への生物被害対策となる環境管理法であるIPM(包括的有害生物管理)の考え方とその具体的方法について学ぶ。 到達目標:IPMの考え方とミュージアムにおける実施の概要について理解できる。 事前学習
(2h)農薬や殺虫剤の多用が人体や環境にどのような影響を与えてきたかについて調べておく。
事後学習
(2h)IPMの考え方とその具体的方法について、初回の授業で教示した方法を用いて、ノートをまとめ直し、知識を整理しておく。また、期限までに小テストに解答し、知識の定着を確認する。
8回
〈対面授業〉「輸送と梱包」
ミュージアムの資料を梱包し、輸送する際の基本について学ぶ。あわせて資料に関する防犯対策の基礎についても学ぶ。 到達目標:ミュージアムの資料を梱包し、安全かつ適切に輸送するための方法を理解する。またミュージアムの資料に関する防犯対策の基礎を理解する。 事前学習
(2h)大事なものを壊したり紛失したりせずに輸送するためには、どのようなことに配慮すべきか、考察しておく。
事後学習
(2h)ミュージアムの資料を梱包し、安全かつ適切に輸送するための方法や防犯対策について、初回の授業で教示した方法を用いて、ノートをまとめ直し、知識を整理しておく。また、期限までに小テストに解答し、知識の定着を確認する。
9回
〈対面授業〉地域の自然・文化資源の保存と活用
「エコミュージアム」や「ナショナルトラスト運動」の事例から、地域の資源を保全し、文化の継承や再生産に寄与する新しいミュージアムの在り方について学ぶ。 到達目標:「エコミュージアム」「ナショナルトラスト」の歴史や理念を理解し、説明することができる。 事前学習
(2h)「エコミュージアム」の事例をひとつ挙げて、その特徴を調べておく。
事後学習
(2h)「エコミュージアム」「ナショナルトラスト」の歴史や理念、それらの活動による地域の文化資源の保存や文化の継承、活用の事例について、初回の授業で教示した方法を用いて、ノートをまとめ直し、知識を整理しておく。また、期限までに小テストに解答し、知識の定着を確認する。
10回
〈対面授業〉「ミュージアムの防災・減災」
災害に際してミュージアムの資料をのみならず来館者やスタッフの被害を防ぎ、あるいは最小限に食い止めるための防災・減災の手法を学ぶ。 到達目標:ミュージアムにおける防災・減災の方法を理解できる。 事前学習
(2h)任意のミュージアムを一つ挙げて、その館が公開しているHPなどの情報から、どのような防災・減災策がとられているか調べておく。
事後学習
(2h)ミュージアムの資料の被害を防ぎ、最小限に食い止めるための防災・減災の手法について、初回の授業で教示した方法を用いて、ノートをまとめ直し、知識を整理しておく。また、期限までに小テストに解答し、知識の定着を確認する。
11回
〈対面授業〉「大規模災害と復旧・保存ネットワーク」
大規模災害に見舞われ、地域の文化財や民間所在資料が被災したとき、ミュージアムが果たすべき役割について学ぶ。さらにミュージアム自体が被災した場合に資料の破損や散逸をを防ぐ保存ネットワークについて学ぶ。 到達目標:大規模災害発生時にミュージアムあるいは、資料保存の専門家としての学芸員が果たすべき役割を理解できる。 事前学習
(2h)任意のミュージアムを一つ挙げて、その館が公開しているHPなどの情報から、大規模災害に際してその館や館に所属する学芸員がどのような活動を行ってきたか調べておく。
事後学習
(2h)大規模災害の際にミュージアムが果たすべき役割や被災地のミュージアムが所蔵する資料をレスキューする保存ネットワークに関して、初回の授業で教示した方法を用いて、ノートをまとめ直し、知識を整理しておく。また、期限までに小テストに解答し、知識の定着を確認する。
12回
〈学内実地授業〉「水田美術館での実地授業」
本科目で学んだ内容について、学内の水田美術館において実地授業を行い、実際の運用について学ぶ。 到達目標:本科目で学んだ資料保存が、実際の美術館展示でどのように実践されているかを実地授業からあらためて理解する。 事前学習
(2h)本科目の開講期間に水田美術館で行われている特別展の概要を事前に館を訪れて把握しておく。
事後学習
(2h)本科目で学んだ内容について、実際の美術館展示でどのように実践されていたか、初回の授業で教示した方法を用いて、ノートをまとめ直し実地授業で得た知見を整理しておく。また、期限までに実地授業に関する小レポートを提出する。
13回
〈対面授業〉「まとめ」
本科目で学んだ内容を整理・総括し、ミュージアムの資料を保存し活用することの社会的意義について考察する。 到達目標:ミュージアムの資料を保存し活用することの社会的意義について説明できる。 事前学習
(2h)本科目の授業各回の事後学習でまとめ直したノートを用いて、本科目で学んだ内容をあらためて振り返る確認しておく。
事後学習
(2h)初回の授業で教示した方法を用いてノートをまとめ直し、、本科目で学んだ内容を整理・総括し、ミュージアムの資料を保存し活用することの社会的意義について考えをまとめておく。また、期限までに小レポートを提出する。
14回
事前学習
事後学習
15回
事前学習
事後学習
16回
事前学習
事後学習
17回
事前学習
事後学習
18回
事前学習
事後学習
19回
事前学習
事後学習
20回
事前学習
事後学習
21回
事前学習
事後学習
22回
事前学習
事後学習
23回目
事前学習
事後学習
24回
事前学習
事後学習
25回
事前学習
事後学習
26回
事前学習
事後学習
試験及び成績評価
授業各回において小テストまたは小レポートを課す。提出期限までに必ず提出すること。
また期末にはレポート提出を求める。成績評価における点数配分は以下の通り。 ・期末レポート:50% ・各回の小テスト:40% ・授業への取り組み:10% 課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
授業各回の小テストは、解答締切後、LMSの機能を用いて正解と点数を。解答者個人にフィードバックする。
授業や提出課題に対する質問、意見は、原則として1週間以内の授業内で回答・解説する。 講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
テキストは定めない。授業内で適宜参考文献を紹介する。
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参考文献・推薦図書
『現代博物館学入門』栗田秀法編著(ミネルヴァ書房/2019年/2500円+税)
その他、授業中に適宜紹介する。 研究室
東金キャンパス:H棟 H501
オフィスアワー
オフィスアワーは決定次第授業内で通知する。履修生の質問を歓迎する。
科目ナンバリング
学位授与方針との関連
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