シラバス情報

授業科目名
アジアの女性論
学年
1年
単位数
2.00単位
実務経験の有無
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
川野 有佳
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語 (Japanese)
授業方法区分
開講キャンパス
東金キャンパス
授業の到達目標及びテーマ
アジアの国や地域の多様性について、またアジアの女性が置かれた状況や課題について、ジェンダーの視点から学んでいく。授業を通して、国際的な視点から文化・社会を理解でき、多様な人々と協働するための基礎能力を養う。さらに言語や文化、社会の多様性を認め、国際社会における課題を発見できる能力の獲得を目指す。

Webex ミーティングの録画: アジアの女性論 授業紹介-20230319 0844-2
パスワード: eC3wWt3T
録画のリンク: https://jiu.webex.com/jiu/ldr.php?RCID=bd8f6b356f48d28c2697879a7e2053f2
授業の概要
(1) 科目名(英語名):  アジアの女性論(Theory of Women in Asia)
(2) 授業形態: 講義
(3) 内容:
アジアの国や地域は、経済の発展段階がそれぞれ異なるだけでなく、社会や文化、宗教、言語や民族などにおいても実に多様である。授業では、アジアの国や地域を取り上げ、人々の暮らしや社会、文化や宗教、慣習などについて理解を深めるとともに、アジアの女性たちが置かれた状況や直面している課題についてジェンダーの視点から学ぶ。
(4)   授業で主に使用する言語: 日本語

授業計画
1回
1.はじめにーアジア諸社会について関心のトビラを開こう
この授業の目的を理解し、授業スケジュールや今後取り上げるテーマについて把握する。さらにアジアの国々や地域にみられる多様性とジェンダー課題について理解を深める。
到達目標: アジアの国々や地域、またその多様性について基礎的な知識を得ることができている。
事前学習
[事前学習 2hrs] 事前にJIUポータルでシラバスを確認し、授業内容や目的を理解しておく。
事後学習
[事後学習 2hrs] 授業を振り返り、要点をまとめる。また、JIUポータルの課題にも取り組む。

2回
2.アジアにみられる特徴と多様性—人口・合計特殊出生率 (TFR)・平均余命・5歳未満児死亡率
アジアの多様性について、特に人口や合計特殊出生率 (TFR)、平均余命、5歳未満児死亡率の観点から学び、文化的特徴についても取り上げ比較する。また、日本をはじめ他のアジア諸国・地域においても少子高齢化が進行していることを理解し、その背景を探る。
到達目標:  アジアの特徴と多様性について、特に、人口や合計特殊出生率 (TFR)、平均余命、5歳未満児死亡率の観点から理解できている。また、アジア諸国・地域にて少子高齢化が進行している要因についても理解している。
事前学習
[事前学習 2hrs] JIUポータルに掲載している資料を読み、アジア諸社会にみられる共通点と相違点について調べ、事前課題に取り組む。
事後学習
[事後学習 2hrs] JIUポータルにて配布した白地図を完成させる。授業を振り返り、アジアの国・地域についての特徴や相違点についてまとめる。さらにJIUポータルの課題にも取り組む。

3回
3.アジアにみられる特徴と多様性ー人種・民族・エスニシティ、民族構成にみるアジア
人種や民族、エスニシティについて、また民族構成について学び、それらの観点からアジアのなかでの多様性についてさらに理解を深めていく。
到達目標: 人種や民族についての違いについて、また、アジア諸国・地域における民族、エスニシティ、民族構成や、その多様性について理解できている。
事前学習
[事前学習 2hrs] JIUポータルに掲載している資料を読み、事前課題に取り組む。
事後学習
[事後学習 2hrs] 授業で学んだことをまとめる。さらに参考資料を読み、JIUポータルの課題にも取り組む。

4回
4.  経済指標にみるアジア
国内総生産 (GDP) や国民総所得 (GNI) などの経済指標について学び、アジア諸国・地域における特徴と、アジアの女性が置かれた状況について考える。
到達目標:  国内総生産 (GDP) や国民総所得 (GNI) などの経済指標について、またその利点と限界について理解できている。
事前学習
[事前学習 2hrs] JIUポータルに掲載している資料を読み、経済指標について予習する。
事後学習
{事後学習 2hrs] JIUポータルに掲載している資料から読み取ったことや、問題点について、自分なりにまとめる。さらにJIUポータルの課題にも取り組む。

5回
5.社会経済指標に見るアジア女性の現状ージェンダー・ギャップとジェンダー不平等
国連開発計画(UNDP)による人間開発指数 (HDI) などから、アジア各国・地域にみられる違いについて考える。さらにジェンダー概念について学び、ジェンダー開発指数 (GDI) やジェンダー不平等指数 (GII)、また世界経済フォーラムで使われているグローバル・ジェンダー・ギャップ指数 (GGGI)から、ジェンダー・ギャップやジェンダー不平等を読み取る。さらにブータンと国民総幸福量 (GNH指標) についても取り上げ、幸福や豊さについて考える。
到達目標:  人間開発指数 (HDI) やその他の社会経済指標について学び、アジア各国・地域にみられる違いについて理解できている。さらにジェンダー概念について理解を深め、社会経済指標からジェンダー・ギャップやジェンダー不平等を読み取ることができる。
事前学習
[事前学習 2hrs] JIUポータルに掲載している資料を読み、ジェンダー概念について予習する。また、社会経済指標についても予習し、事前課題に取り組む。
事後学習
[事後学習 2hrs] JIUポータルに掲載している資料から読み取ったことや、問題点について復習する。さらにJIUポータルの課題にも取り組む。

6回
6. アジアと宗教ーイスラームについて
授業では、宗教、とりわけイスラームについて着目し、その特徴について理解を深める。また、日本社会の中でのイスラームについても学び、多文化共生についての理解に繋げる。
到達目標: 宗教間の違いについて学び、特にイスラーム教にみられる特徴について、また日本社会の中でのイスラームやイスラム教徒の暮らしについて理解できている。
事前学習
[事前学習 2hrs]  JIUポータルに掲載している資料を読み、事前課題に取り組む。
事後学習
[事後学習 2hrs] JIUポータルに掲載している動画を観て、理解したことや感想をまとめる。また、JIUポータルの課題にも取り組む。

7回目
7. 宗教と女性・ジェンダー規範
宗教が持つ女性・ジェンダー規範について、特にイスラームの視点から考える。また、ムスリマのスカーフ着用について考察する。
到達目標: イスラームと女性、イスラームのジェンダー規範について考え、イスラームの中での多様性についても理解できている。
事前学習
[事前学習 2hrs] イスラームについて調べ、宗教やジェンダー規範について考察する。
事後学習
[事後学習 2hrs] JIUポータルに掲載している資料や、授業から理解したことを自分なりにまとめる。また、JIUポータルの課題にも取り組む。

8回
8. 南アジアの社会と文化—ヒンドゥー教と女性
ヒンドゥー教の特徴について理解する。また、南アジア社会の文化的特徴についても、インドやネパールを中心に学んでいく。さらにヒンドゥー教徒の女性が置かれた現状や、ジェンダー課題について理解を深める。
到達目標:  ヒンドゥー教にみられる宗教的特徴について学び、ヒンドゥー女性が直面する状況について理解できている。
事前学習
[事前学習 2hrs] JIUポータルに掲載している資料を読み、キーワードについて事前に調べる。また、インドやネパールには、どのようなジェンダー課題があるのかを調べる。
事後学習
[事後学習 2hrs] JIUポータルに掲載している資料や、授業から理解したことを自分なりにまとめる。また、JIUポータルの課題にも取り組む。

9回
9. 南アジア・インドで女児や女性として生きること
南アジアやインドについて、またインド内部での多様性について理解するとともに、インドの女児や女性が抱える問題について、特に出生性比や男児選好などの観点から考察する。
到達目標:  南アジアにみられる特徴について学ぶとともに、特にインドの女児や女性がどのようなジェンダー課題に直面しているのか理解する。さらに出生性比や男児選好といった概念についても理解できている。


事前学習
[事前学習 2hrs] JIUポータルに掲載している資料を読み、南アジアや特にインド、ネパールの社会・文化的特徴について予習する。推奨する動画を事前に観ておく。
事後学習
[事後学習 2hrs] 授業や映像から、ジェンダー、カースト、宗教の結びつき・交差性について考え、JIUポータルの課題に取り組む。

10回
10. 現代インド映画とジェンダーー伝統と慣習、女性の自立と社会変革に向けて
現代インド映画を題材に、女性と慣習・ジェンダー規範について、また慣習の壁を打ち破ろうとする女性の姿とエンパワーメントについて考える。
到達目標:  インド映画を観て、映像から読み取れる伝統や慣習、またそれらからくる問題点などを読み取ることができる。さらにエンパワーメントという概念について基礎的な理解を得ている。
事前学習
[事前学習 2hrs] JIUポータルに掲載されている資料を読み、インドや他の南アジアについて、また映画の背景について予習する。
事後学習
[事後学習 2hrs] インド映画あるいは南アジアの映画を1作品選び、ジェンダーの視点から分析したレポートを作成する。

11回
11. イスラームの現代映画とジェンダーー伝統と慣習、ジェンダー規範と女性
イスラームの現代映画(バングラデシュ、アフガニスタン、サウジアラビア)を題材に、女性と慣習、イスラームのジェンダー規範について理解を深める。
到達目標: 指定する映画を観て、アジア各国にみられる問題点について、ジェンダーの視点から分析することができる。
事前学習
[事前学習 2hrs] JIUポータルに掲載されている資料を読み、国や映画の背景について理解を深める。
事後学習
[事後学習 2hrs] 授業や映像からジェンダーと宗教との結びつき・交差性について考える。推奨する映画を1作品選んで鑑賞し、ジェンダーや宗教の観点から分析する課題に取り組み、JIUポータルに提出する。

12回
12. 健康と健康格差、月経衛生への対処 (MHM) と水と衛生 (WASH)
健康に関する問題や健康格差について、持続可能な開発目標 (SDGs) と関連づけながら理解を深める。特に乳幼児死亡率や妊産婦死亡率について注目し、国家間および国内での格差にも留意する。また、月経を取り巻く文化的背景について理解を深めるとともに、国際協力のなかでの月経衛生への対処 (MHM) や月経教育の重要性について学ぶ。 さらに開発課題としての、安全な水や基礎的な衛生設備、すなわちトイレへのアクセスについて、SDGsと関連づけながら理解を深める。
到達目標:  アジアの国々にみられる健康問題や健康格差、また、月経衛生への対処(MHM) や水と衛生(WASH)について理解できている。
事前学習
[事前学習 2hrs] JIUポータルに掲載している資料を事前に読み、キーワードについて事前に調べる。また、日本のなかでの月経に関する議論や「生理の貧困」について調べ、日本と世界各国にみられる共通点や相違点について考える。
事後学習
[事後学習 2hrs] 授業を振り返り、学んだことを自分なりにまとめる。またJIUポータルの課題にも取り組む。

13回
13. おわりにー授業の振り返りとまとめ
全13回の授業を振り返り、学んだことを総括する。
到達目標:  授業を振り返り、アジア諸国・地域の特徴と多様性、また多様性の中で織りなされているジェンダー課題とその改善に向けて、SDGsと関連づけながら理解できている。
事前学習
[事前学習 2hrs] これまで学んだことを振り返るとともに、期末試験の準備に取り組む。
事後学習
[事後学習 2hrs] 授業を振り返り、要点をまとめる。また、JIUポータルの課題にも取り組む。さらに期末試験に向けて準備をおこなう。

14回
事前学習
事後学習

15回
事前学習
事後学習

16回
事前学習
事後学習

17回
事前学習
事後学習

18回
事前学習
事後学習

19回
事前学習
事後学習

20回
事前学習
事後学習

21回
事前学習
事後学習

22回
事前学習
事後学習

23回目
事前学習
事後学習

24回
事前学習
事後学習

25回
事前学習
事後学習

26回
事前学習
事後学習

試験及び成績評価
小テスト・レポート・期末試験を実施する。評価配分は以下の通りとする。
○授業中に実施する小テストおよびレポート:   40%
○期末試験:   50%
○授業への取り組み:  10%
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
次回の授業内での解説、またはレポート提出後、解説コメントを配布または掲載する。
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
特に指定しない。授業時に適宜プリントを配布する。
参考文献・推薦図書
『南アジア社会を学ぶ人のために』/田中雅一・田辺明生/世界思想社/ISBN978-4-7907-1490-3
『東南アジアを知るための50章』/今井昭夫他/明石書店/ISBN978-4-7503-3979-5
『ようこそ南アジア世界へ』/石坂普哉他編/昭和堂/ISBN978-4-8122-1918-8
『現代アジア経済論ー「アジアの世紀」を学ぶ』/遠藤環他/有斐閣ブックス/ISBN978-4-641-18442-8
『ジェンダーで学ぶ宗教学』/田中雅一・川橋範子/世界思想社/ISBN978-4-7907-1279-4               
『アジアのなかでのジェンダー』 川島典子・西尾亜希子/ミネルヴァ書房/ISBN978-4-623-06310-9
『現代アジアの女性たち:グローバル化社会を生きる』 福原裕二・吉村慎太郎編/新水社/ISBN978-4-88385-171-3
「世界人口白書」/国連人口基金 (UNFPA)
「世界子供白書」/ユニセフ (UNICEF)
「人間開発報告書」/国連開発計画 (UNDP)  他
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