シラバス情報

授業科目名
美学・芸術学
学年
1年
単位数
2.00単位
実務経験の有無
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
瀧 章次
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語 (Japanese)
授業方法区分
開講キャンパス
オンライン
授業の到達目標及びテーマ
本講義は、「美」の理念という人間性の共通基盤に対する理解を深めることをねらいとする。具体的には、創作あるいは享受等、美術、芸術作品の身近な経験をてがかりに、その社会的、文化的、歴史的、存立条件を考察することを手始めに、想像力を活かして、過去の人々の経験に関する同様の存立条件へと考察をひろげる。この作業を通して、美術・芸術一般の成立条件、さらには、「『美』とはなにか」という問いへと迫る。

授業紹介:
Webex ミーティングの録画: 「美学芸術学」 授業紹介
パスワード: cHRcKwW4
録画のリンク: https://jiu.webex.com/jiu/ldr.php?RCID=2f0aa2b29af2053c2ae7b02e253532a1
授業の概要
①  科目名: 「美学芸術学」(英語名: Aesthetics and Art Studies)
②  形式: オンデマンド 講義 (オンデマンド授業として、13回、各回50分視聴ファイル2本が配信される。授業出席確認のため毎回(全13回)小論課題が課せられる。課題提出締め切りはおよそ1週間を目途とする。)
③  内容: 現代商業社会における「美術」や「芸術」の多様性を確認する。即ち、諸ジャンルの作品創出・制作には、歴史相、享受階層、社会経済関係、技術的条件等が関り社会的に造られている実態があることを確認する。この多様性の確認の上で、先行する学問的分析手法や理論の助けにより、作品創造・享受の理念を問うことを通して、「芸術」ならびに「美」に関する人類的共通基盤の可能性を考察する。
④  授業回数: 13回
⑤  出席確認方法: 大学ポータルに提出される毎回の小論課題(なお、内容と質において大学の基礎教養の基準を満たすもののみを受理する)
⑥ 履修者への連絡及び教員への連絡方法: 大学ポータルを通じて行う(個人的なことについてはJIUメールで受け付ける)
⑦ 学生等と教員、或いは学生同士の意見交換の方法: 大学ポータルの掲示板
⑧ 設問解答・添削指導・質疑応答等による十分な指導: 毎回、受講者全員の提出物については、日本語並びに内容について講評を視聴ファイルのリンク先を通じて、フィードバックする。提出者の名前は伏せて、全提出物の内容と質は相互に比較できるようにする。これらの視聴ファイルを通じて、個々に、講評内容に関連して、修正がなされているかは、評価の対象となる。さらなる疑問や議論は、大学ポータル掲示板やコメント欄を用いて行う。


授業計画
1回
第1回 現代社会における「美術作品」、「芸術作品」の制作や享受の体験はどのようになっているか—大量消費の商業的社会における「芸術」、「美術」はどのような「商品」として登場してきているか。

芸術は人間にのみ備わっているものであるという常識はどれほど確かか。何が芸術で、何が芸術でないか、区別することが出来るだろうか。例えば、普通に歩くことと芸術的に歩くこととの差異は何であろうか。差異を区別できるとすれば何によってであろうか。

到達目標: 現代芸術の社会的文化的条件を考える。
事前学習
シラバスの内容を熟読すること(20分)。事前に配信する授業オリエンテーションを視聴すること(30分)。また、事前に配布する講義資料をおおよそ大項目に目を通しておくこと(15分)。
事後学習
視聴ファイルを通してそれぞれ自らが展開することができた問い(探究)の過程について、表現を与え、覚え書きとして残す。あとで読み返す際のために、日付をつける。自らの、自己探求ノートとして、覚え書きを作成する。右ページ、あるいは、左ページなど、あるいは、ファイルなど、<余白>をもうけ、後から(異なる色で)、書き込み、自分自身の思考のあしあとをたどれるようにする。なお後の回で自分が新たに問いを展開している過程で、問いがおたがいにつながり合っていることに気づいたら、できるかぎり、あとで思い起こせるように、つながりを明らかにしておく。場合によっては、大きな問いとして、全体のつながりを、箇条書きや、模式図を描いておく。(90分)
さらに学びを発展させていくために、講義関連資料にも目を通し、先人たちの具体的なテクストや、専門的な術語による説明についても、理解をひろげていくことをこころみる(30分)。

2回
第2回 「芸術」、「美術」その他に関わるさまざまな体験を通して、「美しさ(美)」の体験について、どれだけの違いについて語ることが出来るか。
「美しい」という表現の使用は、「おいしい」、「うるわしい」、「心地よい」、「よろこばしい」などの表現の使用と、また、「赤い」、「四角い」などの表現の使用との差異について、どれだけ説明することが出来るだろうか。

到達目標:「美」の経験とそうではない経験とについてその区別を語ることが出来るか、またできるとすれば、その経験についてさらに区別して分類することは出来るだろうか、確認する。
事前学習
与えられている問い(あるいはテーマ)から、自分自身でも、どのような問いであるか、そこから、どのように問いを展開していけるか、自分自身でもこころみる。その際、問いやテーマがどのようなものか、自分自身で理解を広げるために、講義関連資料についても、分かる範囲で、目を通しておく。さらに、取り上げられている書物について、時間の許す範囲内で、難しいものであっても通読も試みる。(2時間)
事後学習
第1回目の事後学習に与えられたことをこころみる。

3回
第3回 演劇、舞踊、舞台芸術について、その創出・制作と享受とのそれぞれ社会的・文化的条件を考察する。
演劇、舞踊、舞台芸術の起源とは何か。各伝統文化における大きな違いは何か。現代の視点から、演劇、舞台芸術の歴史を概観する時、そこに連続的で統一的な条件を見いだすことは出来るであろうか。

到達目標:演劇、舞踊、舞台芸術について、現代の多様性とともに過去の流れの大要をつかむ。
事前学習
第2回目の事前学習と同じことをこころみる。
事後学習
第1回目の事後学習に与えられたことをこころみる。

4回
第4回 音楽について、その創出・制作と享受とのそれぞれ社会的・文化的条件を考察する。
音楽の起源とは何か。各伝統文化における大きな違いは何か。現代の視点から、音楽の歴史を概観する時、そこに連続的で統一的な条件を見いだすことは出来るであろうか。

到達目標:音楽について、現代の多様性とともに過去の流れの大要をつかむ。
事前学習
第2回目の事前学習と同じことをこころみる。
事後学習
第1回目の事後学習に与えられたことをこころみる。

5回
第5回 過去の美術・藝術作品の創出と享受の社会的・歴史的条件を考察する—絵画・彫刻・壁画・建築の歴史

絵画・彫刻・壁画・建築の起源とは何か。各伝統文化における大きな違いは何か。現代の視点から、絵画・彫刻・壁画・建築の歴史を概観する時、そこに連続的で統一的な条件を見いだすことは出来るであろうか。写真や映画についても同様の問いにどう答えることが出来るであろうか。

到達目標:絵画・彫刻・壁画・建築について、現代の多様性とともに過去の流れの大要をつかむ。
事前学習
第2回目の事前学習と同じことをこころみる。
事後学習
第1回目の事後学習に与えられたことをこころみる。

6回
第6回 過去の美術・藝術作品の創出と享受の社会的・歴史的条件を考察する—文芸の歴史
文芸の起源とは何か。文芸のジャンル、小説、詩歌、戯曲等についてもその起源は何であろうか。各伝統文化における大きな違いは何か。現代の視点から、文芸の歴史を概観する時、そこに連続的で統一的な条件を見いだすことは出来るであろうか。

到達目標:文芸について、現代の多様性とともに過去の流れの大要をつかむ。
事前学習
第2回目の事前学習と同じことをこころみる。
事後学習
第1回目の事後学習に与えられたことをこころみる。

7回目
第7回 演劇、舞踊、舞台芸術、音楽、絵画・彫刻・壁画・建築、写真、映像、文芸等ジャンルを超えた芸術性を統一的に歴史的に把握することは可能か
産業構造、生産構造の人類史上の変遷を通して、芸術作品の創造と道具・器・調度品の製造とのちがいはなにか

到達目標: 芸術、美術のジャンルを超えた歴史的統一性を探究することはどのようにして可能か考える。
事前学習
第2回目の事前学習と同じことをこころみる。
事後学習
第1回目の事後学習に与えられたことをこころみる。

8回
第8回 作品創出の理念型はどのようなものか—作品がひとりの人間に生まれてくるための人間的条件は何か

到達目標:日用の道具、機械製品の制作と異なり、芸術作品を創出するには制作者にはどのような条件がなければならないかを考察する。

事前学習
第2回目の事前学習と同じことをこころみる。
事後学習
第1回目の事後学習に与えられたことをこころみる。

9回
第9回 作品享受の理念型はどのようなものか—作品において何にひとはであっているのか—芸術作品の存在論的条件

到達目標:日用の道具、機械製品の使用や利用と異なり、芸術作品を鑑賞して芸術性を見いだすためには、享受者にはどのような条件がなければならないかを考察する。
事前学習
第2回目の事前学習と同じことをこころみる。
事後学習
第1回目の事後学習に与えられたことをこころみる。

10回
第10回 作品の創出や享受を離れて、「美」の経験は存立するか
科学的真理は能知主体としての人間が存在しなくても存立するか。倫理的規範の妥当性は実践的主体としての行為者たる人間が存在しなくても存立するか。

到達目標:作品の創出者や享受者なしでも「美」は存立することがあり得るか考える。

事前学習
第2回目の事前学習と同じことをこころみる。
事後学習
第1回目の事後学習に与えられたことをこころみる。

11回
第11回 「『美』とはなにか」−「美」の理念的統一性は可能か
作品の創出、享受に関して、芸術作品を前提する論点先取を回避しながらなお、「美」の存立を問うことは可能か。

到達目標: 「『美』とはなにか」という問いに答えを提起するためのアプローチの可能性を考える。
事前学習
第2回目の事前学習と同じことをこころみる。
事後学習
第1回目の事後学習に与えられたことをこころみる。

12回
第12回 理念としての「美」は、理念としての「善」ならびに「正義」とどのように関係するか。

到達目標:超越的な価値とも言われる「善」、「正義」、「美」の三者について、それら三者を統一的に思考することを可能にするような視点を設定することが可能か否かを問う。
事前学習
第2回目の事前学習と同じことをこころみる。
事後学習
第1回目の事後学習と同じことをこころみる。

13回
第13回 「美」に関わる作品創出を中心とする「芸術的生き方」は普遍的な生き方となり得るか。

到達目標:現代芸術諸ジャンルにおいて、専門分化する状況において、社会的な特化した創出者(「芸術家」)とは異なる意味に於て、人間としての芸術的な生き方を普遍的に問うことが出来る視点を見いだし得るか考える。
事前学習
第2回目の事前学習と同じことをこころみる。
事後学習
最終の授業を終えた段階で、改めて、自分自身の自己探求ノートを読み直し、気づいたことを、後から読み直したときに分かるように、追記していく。

14回
事前学習
事後学習

15回
事前学習
事後学習

16回
事前学習
事後学習

17回
事前学習
事後学習

18回
事前学習
事後学習

19回
事前学習
事後学習

20回
事前学習
事後学習

21回
事前学習
事後学習

22回
事前学習
事後学習

23回目
事前学習
事後学習

24回
事前学習
事後学習

25回
事前学習
事後学習

26回
事前学習
事後学習

試験及び成績評価
13回の小論課題について、毎回を10点として採点して、最終的に、合計点を、130点満点で割って計算して、100点満点に加算して、成績を評価する。
課題提出に当たっては、授業設定日の授業時間開始時間から、翌週の同じ曜日の開始時間前までを、提出期間とする。なお祭日、休業が入る場合は、次の回まで適宜延長する。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
授業出席確認小論課題については、大学ポータルを通じて講評する。
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
講義資料ファイルで事前配布
参考文献・推薦図書
プラトン『パイドロス』 岩波文庫 858円
プラトン『饗宴』岩波文庫 726円 
プラトン『国家』岩波文庫 上下巻 計2840円
アリストテレス『詩学』岩波文庫 1067円
イマヌエル・カント『判断力批判』岩波文庫 上下巻 計 2240円
G.W.F. ヘーゲル 『美学講義』法政大学出版局 5060円
研究室
A311
メール:akitaki 以下JIUメール
オフィスアワー
火曜日 2限
水曜日 1限
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