シラバス情報

授業科目名
観光と文化財
学年
2年
単位数
2.00単位
実務経験の有無
〇(実務経験有)
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
佐滝 剛弘
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語で行う
授業方法区分
開講キャンパス
東金キャンパス
授業の到達目標及びテーマ
本講義では、建築物だけでなく広い概念を持つ文化財全般に焦点を当て、国内外にある文化的遺産と観光の関わりについて理解を深めることが目標である。観光と様々な文化財や建築物には深い関係がある。文化財・建築物は「モノ」としての魅力があるが、それにとどまらず、歴史、文化、宗教、民族など様々な文化的要素との深い関わり合いを持って成り立っている人類の遺産でもある。文化の証としての文化財や建築についての理解を深めていく。

授業紹介動画URL;   https://youtu.be/r1cnCy9ltqk
授業の概要
①科目名; 観光と文化財 (Tourism and Culturai Property)
②授業形態:講義
③授業内容
 基本的には、狭義の「文化」である、建築、絵画、工芸、史跡などの文化財を中心に取り扱う。それは、2023年から、これまでの「観光と文化」という名称の授業が「観光と文化財」として扱う範囲を少し狭めたからである。文化財は、重要な観光資源である一方、様々な危機に瀕している。例えば日本の文化財の主流を占める歴史的文化財は多くが木造で、石造建築に比べ劣化が早く、火事などにも弱い。一方で文化財は単なる観光資源であるだけではなく、地域の誇りにも直結し、まちづくりの中心を担う役割も持つ。震災で崩れた熊本城や火事で焼失した首里城の再建を多くの人が待ち望むのは観光客を呼ぶという経済的な視点ではなく、それが見慣れた地域のシンボルだからでもある。こうした視点も交えて、文化を巡る諸相を最新の状況も入れ込みながら詳しく解説する。

〇授業はすべて対面で行う。オンラインには原則として対応しない。
〇「履修者への連絡及び教員への連絡方法」
・履修者全体への連絡は manaba で行う。
・教員から学生の皆さんへ個別の連絡が必要な場合および学生の皆さんから教員への連絡は、原則としてJIU メールを利用する。
〇「学生等と教員、或いは学生同士の意見交換の方法」
・授業内容について学生の皆さんとの議論および学生相互の議論は 、manaba の掲示板などを用いて行うこととする。


授業計画
1回
第1回 授業の方針と概要、および成績評価について
到達目標;授業のイメージをつかむ
事前学習
<2時間>シラバスを事前に確認し、疑問点を書き留めたうえで授業に参加
事後学習
<2時間> 授業の方針と概要についての理解を深める

2回
第2回 文化財保護法を学ぶ〜日本の文化財に関する法律の原点を確認する〜
到達目標;文化財保護法の理念をしっかり理解する
事前学習
<2時間>文化庁のホームページを見て、日本の文化財保護法が規定する文化財の種類をつかんでおく。
事後学習
<2時間>自分が興味のある文化は何か、問い直してみる

3回
第3回 「国宝と重要文化財」その1 建築物を中心に解説する
到達目標;日本の代表的な国宝建築・重文建築を確認する
事前学習
<2時間>自分が知っている国宝に指定された文化財をリストアップする
事後学習
<2時間>自分のゆかりの地、好きな地域の国宝・重文建築の画像をインターネットなどで確認する

4回
第4回 「国宝と重要文化財」その2 絵画・工芸
到達目標;日本の有形文化財のうち建築以外の「動産」の文化財の基本を理解する
事前学習
<2時間>絵画、刀剣など建築以外の工芸などの中で興味があるものの由来を調べる
事後学習
<2時間>「刀剣乱舞」のブームによりリアルな刀剣に注目が集まったような、コンテンツと文化財が結びついた例を調べる

5回
第5回 「名勝・史跡」「天然記念物」の概要
到達目標;庭園、動植物など自然と関わる文化財の基本を理解する
事前学習
<2時間>庭園や国立・国定公園などの景観の中で好きなものを一つ選んで調べておく。
事後学習
<2時間>京都の寺院・神社の庭園のうち文化財指定となっているものを選んで概要を調べる

6回
第6回 有形文化財に対する「無形文化財」の価値〜祭礼を中心に〜
到達目標;日本を代表する伝統的な祭礼への理解を深める
事前学習
<2時間>自分が知っている日本のお祭りのうち興味が持てるものについてその由来や観光資源としての価値について調べる
事後学習
<2時間>コロナ禍でお祭りを取り巻く状況がどう変化したか、どこか1か所を選んで調べる

7回目
第7回 登録有形文化財(1) タワー、公共建築、産業
到達目標;地域文化の代表ともいえる登録有形文化財のうち、ランドマークになっているような建築を中心に理解する

事前学習
<2時間>東京タワーがどんな文化財の範疇に入るか調べる
事後学習
<2時間>東京スカイツリーの文化的価値について自分の意見をまとめる

8回
第8回 登録有形文化財(2) 民家を中心に
到達目標;日本各地の風土に根差した民家の魅力を知る


事前学習
<2時間>民家・町家の魅力について具体例を調べる
事後学習
<2時間>自分の出身県にある登録有形文化財の民家を一つ選んでその価値を確認する

9回
第9回 温泉・宿泊施設など「泊まれる」文化財の広がり
到達目標;文化財建築に泊まる魅力を知る
事前学習
<2時間>宿泊施設のうち魅力的な文化財となっているものをいくつかピックアップする
事後学習
<2時間>泊まってみたい文化財級の宿泊施設を利用するツアーを考える

10回
第10回 海外の文化財〜中国・アメリカ・欧州の実例から〜
到達目標;文化財のありようや制度は国によって違う。各国の大まかな制度の違いを理解する
事前学習
<2時間>日本以外の文化財にどんなものがあるのか、いくつか具体例を調べる
事後学習
<2時間>自分が行ってみたい海外の世界遺産は、その当事国ではどんな文化財の位置づけになっているか調べる。

11回
第11回 「重要伝統的建造物群保存地区」と「重要文化的景観」
到達目標;街並みや文化的景観の価値を正しく理解する
事前学習
<2時間>日本の古い街並みの中で、自分が好きなところの概要を調べる
事後学習
<2時間>千葉県にある「重伝建」の町並みの特徴を調べる。

12回
第12回 無形文化遺産としての「民俗芸能」の現在
到達目標;地域で親しまれる一方、少子高齢化や過疎化で存続の危機にある実情を理解する

事前学習
<2時間>日本の伝統的な民俗芸能をいくつか選んでその観光資源としての価値を調べる
事後学習
<2時間>消えゆく民俗芸能のうち、特に地域で保存に力を入れている例を調べる。

13回
第13回 文化財の維持と修復のありかた
到達目標;最近注目を集めている文化財修復の活動への理解を深める
事前学習
<2時間>文化財の保存や維持、伝承の具体的な事例を1〜2つ調べておく
事後学習
<2時間>13回の授業を振り返り、あらためて観光における文化財の価値を自分なりに腹に落とす

14回
事前学習
事後学習

15回
事前学習
事後学習

16回
事前学習
事後学習

17回
事前学習
事後学習

18回
事前学習
事後学習

19回
事前学習
事後学習

20回
事前学習
事後学習

21回
事前学習
事後学習

22回
事前学習
事後学習

23回目
事前学習
事後学習

24回
事前学習
事後学習

25回
事前学習
事後学習

26回
事前学習
事後学習

試験及び成績評価
授業内のミニ課題などの提出状況や授業態度 20%程度
課外に課されるレポート          80%程度
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
レポートについては、提出後授業内で詳しく解説する
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
使わない
使わない
参考文献・推薦図書
教員の著書の中では、「登録有形文化財−保存と活用からみえる新たな地域の姿−」(2017年 佐滝剛弘 勁草書房 2970円)が参考になる。ただし、授業では特に使わない。
研究室
A318
オフィスアワー
水曜3限・金曜2限の予定。(所用で部屋を空けることもあるので、来訪は事前の連絡を基本とする。)
科目ナンバリング
学位授与方針との関連
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