シラバス情報

授業科目名
メディア概論A
学年
1年
単位数
2.00単位
実務経験の有無
〇(実務経験有)
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
及川 善弘、寺本 卓史
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語
授業方法区分
開講キャンパス
オンライン
授業の到達目標及びテーマ
メディアとは何か?メディアを学ぶとは何か?メディアに対する社会、人々の認識も一様ではなく、さらに時代と共にメディアの表層的な様態も変化している。この授業では、こうした「メディア」の状況を概観し、メディア学部で学ぶ学生にとって必要な「メディア」の意味を考えてもらう。これは、正解があるものではなく、しかしメディアを学ぶ一人一人が自身における意味を構築する必要があるものである。
さらに20世紀に登場し、現在もさらにその影響力を強化しつつある「映像メディア」をテーマにすることによって、現在、そしてこれからのメディアの形を想像し、創造に関わることのできる能力を身に付けることを、目的とする。
授業の概要
授業形態:この授業は対面とリアルタイムオンラインのハイフレックスで実施します。
「メディア」とは直訳すると「媒介」であり、何かと何かをつなぐもの、というものである。
ラジオ、テレビなどのマスメディアが「東西冷戦」を終わらせ、SNSの発達が「アラブの春」言われる民主化革命を起こしたと言われる。一方で、ナチス党のゲッペルスのように「宣伝」を巧みに利用して大衆を戦争に先導したと言われるなど、メディアは社会の形を変える力があると言われる。メディアには、本当にそのような力が存在するのか、授業の受講者1人1人が考えることにより、各人が「メディア」とは何かを考えることが重要である。さらに、20世紀に入り映像メディアが誕生し、強力な表現力を身に付けて人々を魅了するようになった。この傾向は、21世紀に入ってもとどまるところなく、YouTubeやTik-Tokに代表されるように、形態を変化させつつ発展し続けている。映像メディアの鋳型ともいうべき映画と、人々・社会との関係を考えることによって、現在も変化し発展し続ける「メディア」の形を考え、メディア学部での学びの最基礎を築く。
[授業の実施形式]
上記目的のため、この授業は2部構成(前半、後半)で実施される
第1部 メディアの歴史を学びメディアの意味とその価値について考える。メディアの変化がどのような影響を社会に与えてきたと「捉えられているか」について紹介した上で、それが本当であるのか、技術決定論としてのメディア論ではない構成主義としてのメディアの形を考える。
第2部 劇映画 の作品鑑賞を通じて、歴史的背景や社会問題を考察する。また、創り手が作品に込めたテーマやメッセージを読み解く。作品はAmazonプライムを利用した鑑賞形態となるので、時には有料となる場合もある。

授業計画
1回
ガイダンス:メディアとは何か?
受講者の持つメディア概念について取り上げ、社会における「メディア」の捉えられ方について考える。
到達目標:受講者間で一般的な「メディア」概念の共有を図る
事前学習
シラバスをよく読み、可能であれば参考文献を入手しておく。また、自身の持つ「メディア」という概念について、説明できるように文字化しておくこと(宿題として提出してもらう)。(3h)
事後学習
他の受講者の「メディア」概念について、目を通し、共感できるもの、疑問を感じるものを自身で理由を含めてまとめておく。(1h)

2回
メディアによって社会は変わったか1:事例の検討
受講者から提出された事例を検討し、さらに担当教員が用意した事例を取り上げて考えることで、メディアにはどのような「力」があるとされるのかを検討する。
到達目標:社会的なインパクトのあるとされるメディア事例を知る。
事前学習
メディアによって社会に変化を与えた事例を、その事例と、変化を与えた理由について1つ以上考えておくこと(宿題として提出してもらう)。(2h)
事後学習
メディアは社会に対して、ポジティブ・ネガティブ両面の影響を与えうるとされることについて、各自でその理由を含めてまとめておく。(2h)

3回
メディアによって社会は変わったか2:印刷機のインパクト
メディア論で必ず登場するグーテンベルクによる活版印刷機の発明と、そこから派生的に誕生した「近代」の諸概念の誕生について、オングなどを参考に論じる
到達目標:技術決定論的メディア論の基本的概念を理解する
事前学習
事前配布するレジュメにある、グーテンベルクによる印刷機の発明と近代の誕生までの流れについて、事前に目を通しておく。疑問があれば、授業で述べられるようにしておくこと。(2h)
事後学習
印刷機の発明から「近代」が誕生したという理屈を理解し、そうした考え方を批判的に考察しておくこと。(2h)

4回
メディア論の誕生1:「メディアはメッセージである」
メディア学者のマクルーハンは、メディアを「人間の感覚の外的拡張」として捉えている。また、「内容」と同等以上に「形式」が重要である、という独自のメディア理論を構築した。こうしたメディア理論を批判的に検討する。
到達目標:マクルーハンのメディア理論の基本を理解した上で、批判的考察を行なう。
事前学習
事前配布するレジュメにある、マクルーハンのメディア論の解説について、事前に目を通しておく。疑問があれば、授業で述べられるようにしておくこと。(2h)
事後学習
マクルーハンのメディア理論を肯定的・批判的に考察した文献を、参考文献から選択し、読んでおく。(2h)

5回
メディア論の誕生2:近代メディアとメディアリテラシー概念
20世紀に登場した映像メディア及び電子メディアについて、どのような影響があるとされているのかを取り上げ、その特性について考察する。
到達目標: 20世紀のメディア状況を当たり前と考えずに、相対的に評価できるようになること。
事前学習
映像メディアや電子メディア(映画、テレビ、ネット動画、SNS等)について、私たちの生活に与える影響について考察しておくこと(宿題として、提出してもらう)。(2h)
事後学習
私たちの身の回りにあるメディアが、私たちにどのような影響を与えているかを再確認し、自分との関係性を捉えなおしておく。(2h)

6回
第1部まとめ:人と人は分かりあえることはできるか
受講者のメディア概念を再び概観した上で、私たちの目指すべきメディアとの関係性について、コミュニケーション理論を援用しながら提案する。
到達目標:各人が論理的説明のできるメディア概念を確立し、必要に応じてそれを更新する能力を身に付けること。
事前学習
メディアの概念について、自身の認識が授業以前と以後において変化があったのか、変化があった場合はその内容、なかった場合はその理由をまとめておく(宿題として、提出してもらう)。(3h)
事後学習
ここまでの授業すべてを捉えなおして、その感想をまとめること。(1h)

7回目
【作品鑑賞】映画というメディア 劇映画(邦画)の鑑賞及び分析 1「コッチばあちゃん」解説


事前学習
【作品鑑賞】授業で鑑賞する作品の背景(日韓関係)を調べておく。(2h)
事後学習
【作品鑑賞】授業で取り上げたテーマ(日韓関係)について自分の考えをまとめておく。(2h)

8回
【作品鑑賞】劇映画(洋画)の鑑賞及び分析 2「雨に唄えば」鑑賞(映画表現の変遷)

事前学習
【作品鑑賞】授業で鑑賞する作品の背景(サイレント〜トーキー)を調べておく。(2h)
事後学習
【作品鑑賞】授業で取り上げたテーマ(サイレント〜トーキー)について自分の考えをまとめておく。

9回
【作品鑑賞】劇映画(洋画)の鑑賞及び分析 2「雨に唄えば」作品分析(映画表現の変遷)
事前学習
【作品鑑賞】授業で鑑賞する作品の背景(サイレント〜トーキー)を調べておく。
事後学習
【作品鑑賞】授業で取り上げたテーマ(サイレント〜トーキー)について自分の考えをまとめておく。(2h)

10回
【作品鑑賞】劇映画(洋画)の鑑賞及び分析 3「インビクタス」鑑賞(映画における社会問題)
            
事前学習
【作品鑑賞】授業で鑑賞する作品の背景(マンデラ大統領・アパルトヘイト)を調べておく。(2h)
事後学習
【作品鑑賞】授業で取り上げたテーマ(マンデラ大統領・アパルトヘイト)について自分の考えをまとめておく。

11回
【作品鑑賞】劇映画(洋画)の鑑賞及び分析 3「インビクタス」作品分析(映画における社会問題)


事前学習
【作品鑑賞】授業で鑑賞する作品の背景(マンデラ大統領・アパルトヘイト)を調べておく。
事後学習
【作品鑑賞】授業で取り上げたテーマ(マンデラ大統領・アパルトヘイト)について自分の考えをまとめておく。(2h)

12回
【作品鑑賞】劇映画の鑑賞及び分析 4「たそがれ清兵衛」鑑賞(映画における歴史の描き方)
事前学習
【作品鑑賞】授業で鑑賞する作品の背景(原作者・藤沢周平)を調べておく。(2h)
事後学習
【作品鑑賞】授業で取り上げたテーマ(原作者・藤沢周平)について自分の考えをまとめておく。

13回
【作品鑑賞】劇映画の鑑賞及び分析 4「たそがれ清兵衛」作品分析(映画における歴史の描き方)
事前学習
【作品鑑賞】授業で鑑賞する作品の背景(原作者・藤沢周平)を調べておく。
事後学習
【作品鑑賞】授業で取り上げたテーマ(原作者・藤沢周平)について自分の考えをまとめておく。(2h)

14回
事前学習
事後学習

15回
事前学習
事後学習

16回
事前学習
事後学習

17回
事前学習
事後学習

18回
事前学習
事後学習

19回
事前学習
事後学習

20回
事前学習
事後学習

21回
事前学習
事後学習

22回
事前学習
事後学習

23回目
事前学習
事後学習

24回
事前学習
事後学習

25回
事前学習
事後学習

26回
事前学習
事後学習

試験及び成績評価
評価方法
授業内での宿題形式の課題レポートを課し、最終レポートは課さない。
第1部と第2部それぞれ50%ずつの採点とする。
第1部
宿題レポート 30%
授業への参加 20%
第2部
課題レポート30%
ミニレポート内容15%
授業への積極的な取り組み5%
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
第1部、第2部とも
提出されたレポートの中で、優秀なもの、共有すべきと考えられるものは、次週の授業内で紹介し、解説する。また、授業内で質問にも答える。
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
授業時にレジュメを適宜配布する。
授業時にレジュメを適宜配布する。
授業時にレジュメを適宜配布する。
レジュメを適宜配布
授業時にレジュメを適宜配布する。
参考文献・推薦図書
第1部
佐藤卓己(2020)『メディア論の名著30』ちくま新書 ISBN:978-4480073525
※この書籍で紹介されている30冊も参考文献となる
水越伸(2011)『21世紀メディア論 (放送大学大学院教材)』放送大学教育振興会 ISBN:978-4595139703
佐藤俊樹(2010)『社会は情報化の夢を見る---[新世紀版]ノイマンの夢・近代の欲望 』河出文庫 ISBN:978-4309410395
第2部
授業にて指示する。
研究室
第1部(寺本):紀尾井町キャンパス4号棟4階研究室
第2部(及川):紀尾井町キャンパス3号棟4階10研究室
オフィスアワー
第1部(寺本):月曜3限、金曜3限(紀尾井町もしくはオンライン)
第2部(及川):月曜3限・火曜5限
科目ナンバリング
学位授与方針との関連
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