教員名 : 染谷 芳臣
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授業科目名
起業マネジメント演習(修士論文指導を含む)IA
学年
1年
単位数
4.00単位
実務経験の有無
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
染谷 芳臣
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語
授業方法区分
開講キャンパス
東金キャンパス
授業の到達目標及びテーマ
授業の到達目標 会計の理論研究と実証研究に必要な研究方法を理解・実践でき、将来研究者の道を歩むための基礎的な科学的方法論と高度な専門職業人としての知識を修得すこと目標とする。
テーマ 会計、特に財務会計の理論と会計行為の実証研究 授業の概要
授業は、26回の授業を大別して、2部構成で実施する。
第1回から第13回は、財務会計の理論研究を中心に討論形式で実施する。会計学は企業の経済活動を測定す測定科学としての側面と会計測定という人間の行為に関する説明を対象とする実証研究とからなる。 また、会計はビジネスの言語であるために、言語学のアナロジーを使って、①構文論・②意味論・③語用論の視点から、会計の構造理論、特に計算構造論、会計言語の意味論(経済活動を表現する会計概念や測定基準)、及び会計行為の経済的影響に関する理論とに分別できる。前半部分では会計の意味論的理論を扱う。 後半の14回から26回にかけては、会計の実証研究に関して学修する。授業のスタイルは所定の著書や論文を読破し、小レポートを作成してもらいながら討論しつつ研究方法を学修する。なお、本授業では研究発表計画に従って、修士論文指導を並行して実施する。 授業計画
1回
①測定科学としての会計学と②説明科学としての実証研究の異同を学修する。
事前学習
①測定科学の会計学と②会計行為の説明科学の実証研究との違いを調べる。
研究計画書に従って各自に研究テーマが①に属するか②に属するかを判断する。なお、研究テーマに関して確定していない学生は、授業を通じて早急にテーマを確定すること。 事後学習
現行会計の究極の測定目的が①企業の利益測定か②企業の価値測定かに関してい問題点を明示する。
2回
資金的貸借対照表観(資金的動態論)と収益・費用アプローチを学修する。
資金的動態論と貨幣資本の回収・維持計算としての利益測定 事前学習
事前に所定の著書又は論文を提示して簡単な小レポート、スライド(PPT)で5枚程度を作成し発表する準備をする。
事後学習
貨幣資本の回収・維持計算と分解可能利益の算定を理解する。
3回
アメリカ会計学における資本主理論の形成・発展と利益概念の変遷を学修する。
戦後日本の企業会計はアメリカの会計理論の影響を強く受けてきたことを理解する。 事前学習
事前に所定の著書又は論文を提示して簡単な小レポート、スライド(PPT)で5枚程度を作成し発表する準備をする。
事後学習
会計主体論に関して理解し整理する。資本主理論と企業主体理論から現在のエイジェンシー理論を前提とする企業観
4回
資産概念の計算構造論的アプローチと属性的アプローチを学修する。
アメリカ会計学の資産概念の変遷と日本の資産概念の変遷 事前学習
事前に所定の著書又は論文を提示して簡単な小レポート、スライド(PPT)で5枚程度を作成し発表する準備をする。
事後学習
資産の定義を整理・検討する。
5回
バッターの用役潜在力説と現代会計学の資産概念の関係を学修する。
事前学習
事前に所定の著書又は論文を提示して簡単な小レポート、スライド(PPT)で5枚程度を作成し発表する準備をする。
事後学習
現代会計学の資産の定義を画定する。
6回
エドワーズ・ベルの利益測定論を検討する。
事前学習
事前に所定の著書又は論文を提示して簡単な小レポート、スライド(PPT)で5枚程度を作成し発表する準備をする。
事後学習
エドワーズ・ベルの利益測定論と包括利益概念との関係を理解する。
7回目
資産評価の測定属性・測定尺度(測定基準)と公正価値基準
事前学習
事前に所定の著書又は論文を提示して簡単な小レポート、スライド(PPT)で5枚程度を作成し発表する準備をする。
事後学習
公正価値基準の意義を理解する。
8回
のれんの買収価格決定プロセスと公正価値基準を学修する。
事前学習
事前に所定の著書又は論文を提示して簡単な小レポート、スライド(PPT)で5枚程度を作成し発表する準備をする。
事後学習
のれんの会計処理に関して考察する。
9回
資金調達方法の多様化と負債概念を考察する。
事前学習
事前に所定の著書又は論文を提示して簡単な小レポート、スライド(PPT)で5枚程度を作成し発表する準備をする。
事後学習
負債概念と負債会計の再構築の必要性を考える。
10回
プロダクト型経済⇒ファイナンス型経済⇒インタンジブルズ型経済への移行と貸借対照表の機能変化を検討する。
特に知的資本経営と無形の経営資源の重要性及び企業価値 事前学習
事前に所定の著書又は論文を提示して簡単な小レポート、スライド(PPT)で5枚程度を作成し発表する準備をする。
事後学習
ブランド資産について検討する。
11回
知的資本経営及び人的資本情報の開示と会計の関係を学修する。
事前学習
事前に所定の著書又は論文を提示して簡単な小レポート、スライド(PPT)で5枚程度を作成し発表する準備をする。
事後学習
企業価値創造と人的資産について整理する。
12回
閑話休題 日本の会社法会計と資本概念の検討、特に非公開会社、特に中小企業の会計
事前学習
事前に所定の著書又は論文を提示して簡単な小レポート、スライド(PPT)で5枚程度を作成し発表する準備をする。
事後学習
中小企業会計について調べてみる。
13回
現代における測定科学としての会計学の役割を改めて検討する。特に環境会計の問題
事前学習
事前に所定の著書又は論文を提示して簡単な小レポート、スライド(PPT)で5枚程度を作成し発表する準備をする。
事後学習
環境会計論を考える。
14回
実証会計学とは何で、どのような役割を担っているかを検討する。
事前学習
事前に所定の著書又は論文を提示して簡単な小レポート、スライド(PPT)で5枚程度を作成し発表する準備をする。
事後学習
実証会計学の研究領域を整理し理解する。
15回
経営者の裁量的行動と会計選択理論を学修する。
事前学習
事前に所定の著書又は論文を提示して簡単な小レポート、スライド(PPT)で5枚程度を作成し発表する準備をする。
事後学習
経営者の機会主義的行動と情報誘導理論を理解する。
16回
資本市場・情報の非対称性と会計規制の必要性を理解する。
事前学習
事前に所定の著書又は論文を提示して簡単な小レポート、スライド(PPT)で5枚程度を作成し発表する準備をする。
事後学習
アカロフの中古車市場の説明
17回
エイジェンシー理論と実証会計学を理解する。
事前学習
事前に所定の著書又は論文を提示して簡単な小レポート、スライド(PPT)で5枚程度を作成し発表する準備をする。
事後学習
ワッツとジマーマンの『実証理論としての会計学』須田一幸訳を読む。
18回
実証会計理論を理解する上で重要な3つの経済学上の理論を学修する。
①エイジェンシー理論、②取引コスト理論、③所有権理論 事前学習
事前に所定の著書又は論文を提示して簡単な小レポート、スライド(PPT)で5枚程度を作成し発表する準備をする。
事後学習
エイジェンシー理論・取引コスト理論・所有権理論をまとめ・整理する。
19回
組織の経済学と実証会計理論 コーポレート・ファイナンス理論の新たな流れ
事前学習
事前に所定の著書又は論文を提示して簡単な小レポート、スライド(PPT)で5枚程度を作成し発表する準備をする。
事後学習
企業が経営戦略を必要とする理由を考える。
20回
R統計入門 R統計を活用して会計データの分析を行う。eolデータベースの活用方法を学修する。
事前学習
事前に所定の著書又は論文を提示して簡単な小レポート、スライド(PPT)で5枚程度を作成し発表する準備をする。
事後学習
会計情報の価値関連性の研究を調べる。
21回
ファクター・モデルの入門 CAPMとイベント・スタディを学修する。
事前学習
事前に所定の著書又は論文を提示して簡単な小レポート、スライド(PPT)で5枚程度を作成し発表する準備をする。
事後学習
R統計でCAPMを理解する。
22回
簡単なイベント・スタディの方法を理解する。
事前学習
事前に所定の著書又は論文を提示して簡単な小レポート、スライド(PPT)で5枚程度を作成し発表する準備をする。
事後学習
簡単なイベント・スタディを実施してみる。
23回目
会計の実証研究の方法を理解する。特に統計的検定モデルの構築。
事前学習
イベント・スタディの成果の発表の準備をする。スライド(PPT)10枚程度に纏める。
事後学習
R統計の応用力を身に付ける。
24回
コロナ禍と会計方法の選択問題を検討する。会計行為の実証研究の課題を発見する。
事前学習
事前に所定の著書又は論文を提示して簡単な小レポート、スライド(PPT)で5枚程度を作成し発表する準備をする。特にコロナ禍における会計方法の選択に関する実証研究のテーマを検討する。
事後学習
コロナ禍と実証会計に関する先行研究を調べる。
25回
仮説の定立及びR統計を使った会計行為の実証研究に関する統計検定モデルを構築する。
事前学習
事前に所定の著書又は論文を提示して簡単な小レポート、スライド(PPT)で5枚程度を作成し発表する準備をする。
先行研究を整理し要約する。 事後学習
統計検定モデルを使ってパイロットテストを実施する。
26回
仮説の定立と統計検定の結果を検討する。次年度に向けた課題の確認と改善
事前学習
パイロットテストの結果をスライド(PPT)10枚程度で作成し発表の準備をする。
事後学習
R統計の応用力を高める。
試験及び成績評価
毎回の小レポートの発表内容・討論30%
S2時点での修士論文研究計画発表・研究テーマの独創性・問題設定の妥当性30% F2時点での研究中間発表 研究方法の選択・研究方法実行の適格性40% 課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
小レポートは授業中コメントする。
研究計画発表会用のスライドの吟味とチェック。 研究中間発表会用のスライド及び修士論文の骨格のチェックと評価・訂正。 講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
プリント・資料をLMS等で事前に配布する。
参考文献・推薦図書
伊藤邦雄著『Accounting 新・現代会計入門第5版』日本経済新聞出版 2022年3月 4,000円+税 ISBN 9784532135256
笠原晃恭・村宮克彦共著『実証会計・ファイナンス Rによる財務・株式データの分析』新世社 2022年6月 2,800円+税 ISBN 9784883843497 宮川壽夫著 『企業価値の神秘 コーポレートファイナンス理論の思考回路』中央経済社 2022年 3,200円+税 ISBN978-4-502-20191-2 研究室
F棟203号室
オフィスアワー
月曜日・火曜日・水曜日・金曜日の昼休み
科目ナンバリング
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