Teacher name : Uozumi Akiyo
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授業科目名
Gender
学年
1Grade
単位数
2.00Credits
実務経験の有無
Have work experience
開講クォーター
semester not specified
担当教員
Uozumi Akiyo
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語の文献を用い、日本語で授業をする。
授業方法区分
開講キャンパス
Online (OnDemand)
授業の到達目標及びテーマ
「ジェンダー論」は、女性解放運動(フェミニズム)の影響を受けて発展した研究領域であり、日常生活のあらゆる場面を研究対象とする。本講義では、テキストに基づいて多様な視点から研究されてきたテーマを取り上げる。先行研究の知見を紹介しながら、ジェンダー研究の基礎を学ぶ。ジェンダーに関わる基礎的概念や理論を修得すると共に、社会のあらゆる場面で不当な差別や排除がなされていないかを批判的に観察する視点を養う。多様な背景を持つ人びとが生きやすい社会を創るために、必要な活動や政策とは何かを考え、自ら判断し行動できるようになることを目標とする。
授業の概要
世界で女性解放運動(フェミニズム)がどのように展開し、女性学やジェンダー研究へと結実したのかを理解する。また現代日本においてジェンダー平等がどの程度達成されているのか、いないのかを多様なデータをもとに理解する。家庭や職場、学校、地域社会など、様々な局面でのジェンダー問題を数値や具体的事例をもとに捉えて理解し、問題を解決していくための方策を考える。授業はオンデマンド形式で、指定したテキストに基づいて講義を行い、適宜関連する資料を示す。
授業計画
1回
目標:ジェンダー研究の成立について理解する。
第一回目の授業では、オリエンテーション(授業の目的、概要、授業方法、評価などについての説明を行う)。スライドを用いて、フェミニズムと、女性学の誕生およびジェンダー研究への発展について概観する。本授業で基本的な用語や概念について説明を行う。テキストの前書きを読み、社会学的視点からジェンダー研究を行う意義を理解する。 事前学習
履修者がこれまでに学んだジェンダー関連の知識を整理しておいて欲しい。また、昨今の社会問題の中からジェンダーに関わる事例を取り上げて、問題の核心とその背景について考えておくこと。更に、テキストの序章を読んで基本的用語について調べておく。この授業については、毎回の事前学習を、テキストの予習を含めて1時間程度行って欲しい。
事後学習
テキスト序章と第一章を詳読する。第一回目授業の要点をまとめて提出すること。この授業では、毎回の事後学習を当日扱ったテキストの復習を含め1時間程度行って欲しい。
2回
目標:第1波フェミニズム、第2波フェミニズムの歴史を理解する。
ボーヴォワール著『第二の性』やベティ・フリーダン著『女らしさの創造』などの著作を紹介しながら、第二波フェミニズムの主張と社会への影響について学ぶ。欧米のフェミニズムと比較して、日本のリブ運動がどのような特徴を持つのかについて学ぶ。 事前学習
フェミニズムの歴史と思想を学ぶ。第一波、第二波フェミニズムの相違について調べておく。
事後学習
提示した資料をもとに、日本のリブが達成したこと/達成できなかったことは何か。また1970年代のリブが現代に与えた影響とは何かについて簡潔にまとめて提出する。
3回
テキスト第二章を踏まえて、育ちと学びー子どもの社会化、学校教育とジェンダーについて講義する。テキストを踏まえて、どのような問題意識の元に学校教育におけるジェンダーバイアスの問題が研究として成立するに至ったのかを考える。
事前学習
目標:学校教育の中の隠れたカリキュラムについて理解する。
テキストを踏まえ、学校教育に潜むジェンダーバイアスについて、調べ学習を行うと共に自身の経験をもとに問題点を明らかにしておく。 事後学習
家庭におけるジェンダー役割が子どもの生育に与える影響について、具体的な事例を踏まえ短いレポートを書いて提出する。
4回
目標:言葉づかいとジェンダーの関係性を理解する。
性による言葉遣いの違いとジェンダー意識の関係性という問題を先行研究を元に論じる。更にテキストの論述を踏まえて、現代の若者ことばについても取り上げ、日常何気なく用いている言葉がジェンダー役割にどのような影響を与えているのかについて深く考える。更にジェンダーに関わる言葉遣いの柔軟化への取り組みを、ドイツ語の例をもとに取り上げる。 事前学習
第4章の「語る」をよく読んでおくこと。ことばとジェンダーに関する資料(manabaに提示)を事前によく読み、自身の意見をまとめておく。
事後学習
事前に掲示した新聞記事についての意見と感想をまとめて提出する。
5回
目標:雇用の場における女性差別の歴史と現状を理解し、問題点を整理する。
テキストをもとにして、雇用の場における性差別の歴史を知る。戦後の法制度の展開と、現在も解決されない問題の背景を幅広い資料をもとに学ぶ。特に法制度がどのように変化してきたのかについて十分な知識を得ることを目標とする。 事前学習
テキストの第5章と第6章をよく読む。労働の場におけるジェンダー差別について、どのような事例が裁判で争われて来たのかについて調べておく。
事後学習
日本における女性と男性の賃金格差が今なお大きい理由を調べ、指示した参考文献を元に学習する。課題レポートとして提出する。
6回
目標:家族の中の性役割の問題について理解する。
第7章の「家族する」について、新しいデータをもとに性役割の現状を学ぶ。無償で行われている家事労働を賃金換算すると、実際にはどの程度に算定されるのか、統計データをもとに家事労働の価値を計算してみる。テキストを踏まえて、性役割の柔軟化をどのように進めていくべきかを考える。 事前学習
テキスト第7章をよく読み、日本の家庭における性役割分担の現状を、時間調査のデータを調べておく。
事後学習
参考文献『セカンドシフト』の一部を読んで感想を提出する。
7回目
目標:オンデマンドの授業で理解が及ばなかった点や疑問点を解決するための意見交換を行う。
今回は、双方向型の授業を行う。質疑応答の時間を設けて履修者の疑問に答える。また疑問点についての補足説明を行う。 事前学習
第一回〜第六回の授業で疑問に思った点をまとめておく。テキストの序章〜第7章までの復習をする。
事後学習
質問の内容と解答について復習する。補足説明の内容を復習してノートを作成する。本日の授業でテーマとなったテキストの部分を復習する。
8回
目標:母性に関する作られた観念が、性役割を強固なものにしてきたことを理解する。
『女らしさの神話』(アメリカ)や『妻たちの思秋期』(日本)などで扱われたテーマが両国で共通していること、時を経て今なお現代的な問題である事を取り上げる。「母性神話」や「三歳児神話」などを通じて母親役割が強調されて来た社会的背景を理解する。 事前学習
フェミニストカウンセリングとは何かについて調べておく。
事後学習
「母性とは何か」授業を踏まえて課題レポートを提出する。
9回
目標:多様なライフスタイルの一環として、住まいの多様性を理解する。
テキスト第8章「シェアする」をもとに、共同生活とジェンダー役割をテーマに、共に暮らすメリットとデメリットについて理解する。「多世代の家」というドイツの事例について写真スライドを用いて講義する。 事前学習
第8章「シェアする」をよく読んだうえで、昨今のシェア文化と若者の生活様式の変化について調べておく。
事後学習
オルタナティブな暮らし方について、コレクティブ・ハウスの事例を挙げて小レポートを作成する。
10回
目標:装うことにも様々な制約があり、ジェンダーの規範が関係していることを理解する。
第11章「装うーファッションと社会」の内容に沿って講義を行う。フランスと日本の歴史の事例から、装いの多様性を学ぶ。また異性装についての理解を深める。 事前学習
第11章を読んだうえで、ファッションとジェンダー、ルッキズムなどについて事前に調べ、自身の考えをまとめておく。
事後学習
画一化されたファッションや体系の理想像がもたらす弊害と、ファッション界の新しい潮流について調べてレポートを書く。
11回
目標:セクシュアリティの多様性、法的保護について理解する。
第10章の内容を踏まえて、セクシュアリティの多様性、同性婚について学ぶ。同性パートナ間の法的保護について、日本の施策の現状と課題を知る。 事前学習
セクシュアリティの多様性について理解を深めておく。テキスト第10章を読み、発展的な調べ学習を行う。
事後学習
同性婚に関する法的保護を達成した諸外国の事例を詳しく調べてレポートを作成する。
12回
目標:DV防止法とDV被害者への保護や支援について理解する。
日本におけるDV防止法の制定の背景、制定の過程、改正等の流れについて講義する。DVが個別の問題ではなく、社会的構造的問題であることを理解する。諸外国の法制度を学ぶと共に、被害者支援の現状と課題について理解する。 事前学習
ドメスティックバイオレンスについて事前学習をする。テキストに扱われていないテーマなので、事前に示した参考文献を読み調べておく。
事後学習
日本の各地方自治体の取り組みの状況を調べて小レポートを作成する。
13回
目標:ケアとジェンダーについて、日本の社会政策の問題点を考える。
テキストの第15章「ケアするーケアはジェンダーから自由になれるか」を踏まえて講義を行う。ケアにおけるジェンダー非対称性を理解した上で、家族介護の「社会化」とケアの新しい在り方、取り組み、政策的対応について理解する。 事前学習
第15章をよく読んで、日本社会における「ケアとジェンダー」の課題について詳しい情報を得て問題点をまとめておく。
事後学習
テキスト244ページ「ケアが拓く新しい社会構想」をよく読み、内容を要約した上で自身の意見をまとめて提出する。
14回
事前学習
事後学習
15回
事前学習
事後学習
16回
事前学習
事後学習
17回
事前学習
事後学習
18回
事前学習
事後学習
19回
事前学習
事後学習
20回
事前学習
事後学習
21回
事前学習
事後学習
22回
事前学習
事後学習
23回目
事前学習
事後学習
24回
事前学習
事後学習
25回
事前学習
事後学習
26回
事前学習
事後学習
試験及び成績評価
成績評価については、授業で出した課題への積極的な取り組みの状況(3割)と小テスト(2割)、学期末試験/レポート(5割)等をもとに総合的に判断する。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
レポートへのフィードバックは、各回の次週の授業に置いて行う。質問はメール等でも随時受け付ける。
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
ジェンダーで学ぶ社会学(全訂新版)
伊藤公雄他
世界思想社
9784790716686
1980円
参考文献・推薦図書
落合恵美子著『21世紀家族へ(第4版)』有斐閣選書、2004年
ケイト・ミレット著『性の政治学』ドメス出版、1985年 上野千鶴子著『家父長制と資本制』岩波書店、1990年 多賀太著『男らしさの社会学』世界思想社、2006年 その他、講義において関連する参考文献を指示する予定である。 研究室
H棟505室
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火曜・水曜の昼休み、火曜日の5限
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