Syllabus data

授業科目名
Seminar in International ExchangeI
学年
3Grade
単位数
2.00Credits
実務経験の有無
開講クォーター
semester not specified
担当教員
Inoue Toshiaki
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語
授業方法区分
開講キャンパス
Togane Campus
授業の到達目標及びテーマ
このゼミでは、履修生がおのおの文化に関する研究テーマを設定し、そのテーマに関して研究調査を行い、その成果を卒業論文にまとめることを目標とする。とくに3年のS1、S2に開講する「国際交流演習Ⅰ」では、研究が満たすべき条件や、研究を行う上での基本姿勢、各種の調査活動及びそこで得られたデータの分析を行うための技術を身につけることを目標とする。また、それと並行して各自で研究テーマを設定し、調査計画を立てたのち、調査に着手することを目標とする。
授業の概要
科目名:国際交流演習Ⅰ(Seminar in International Exchange I)
授業形態:すべて対面で演習形式で行う。
内容:このゼミでは、履修生がおのおの文化に関する研究テーマを設定し、そのテーマに関して研究調査を行い、その成果を卒業論文にまとめていく。とくに3年のS1、S2に開講する「国際交流演習Ⅰ」では、研究が満たすべき条件や、研究を行う上での基本姿勢、各種の調査活動及びそこで得られたデータの分析を行うための技術を身につけるとともに、履修生各々が研究のテーマの確定し、調査活動に開始する。
研究テーマは、広義の「文化」に関するものなら、ゼミ生各自が自由に設定してよい。とくに「自分にとっての他者」の価値観や生活、文化の理解を含む内容になるものは特に歓迎するが、異文化理解の本質にたっていれば、他者の文化を理解するための研究でもよいし、自文化を探求して他者に説明することを目指す研究でもかまわない。


授業計画
1回
「研究とは」
演習を始めるにあたって、研究活動を行って卒業論文を執筆し学位をとることの意義について、指導学生と検討する。また、人文系の学問分野において、「研究」とはどのような要件を満たさなければならないか学ぶ。
到達目標:卒業研究を行い、その成果を卒業論文にまとめることの意義や責務について理解できる。人文系の学問分野において、「研究」とはどのような要件を満たさなければならないか理解できる。
事前学習
(2h)このゼミを志望した理由、このゼミで研究したいテーマについて答えられるように準備しておく。
事後学習
(2h)この回の授業での議論を受けて、大学の学びの集大成として卒業研究を行うことの意義について再考しておく。また、自分の学問的興味を研究として扱うためにはどうすればよいか考察しておく。

2回
「研究論文に求められる条件」
研究論文が満たすべき条件や書式について学ぶ。とくに本学科で定められている、卒業論文が満たすべき条件について学ぶ。
到達目標:研究論文が満たすべき条件や書式、本学科で定められている、卒業論文が満たすべき条件を理解できる。
事前学習
(2h)入学時のガイダンスで配布された資料や学生便覧などを参照して、本学科で定められている卒業論文の書式や提出期限などを予習しておく。また、「研究論文」と「エッセイ」、「ルポルタージュ」の相違点、共通点について論述できるようにしておく。
事後学習
(2h)本学科で定められている卒業論文の条件や提出期限などを復習し、自身の今後2年間の予定を鑑みて、研究のスケジュールを考えておく。

3回
「先行研究の収集」
研究活動において先行研究を収集し、検討する意義について学ぶ。また、研究に用いることが適切な資料の条件についても学ぶ。さらに、日本において適切な先行研究を収集するための方法や、収集した先行研究の文献を整理し、ビブリオグラフィを作成する方法を学ぶ。
到達目標:自身の卒業研究の研究領域において主要な先行研究の検索・収集ができる。収集した先行研究の文献を整理し、ビブリオグラフィを作成することができる。
事前学習
(2h)前回の授業で指示された内容に従って、各々の研究テーマにおけるキーワードを5つ以上挙げておく。
事後学習
(2h)この回の授業の指導内容に従って、卒業研究の研究領域における先行研究を3つ以上検索し、そのうち少なくとも1編については入手して読み解いておく。また、ビブリオグラフィの作成を開始する。

4回
「先行研究のレビュー」
先行研究を批判的に読み解き、研究に有用な知見を得る方法を学ぶ。また適切な引用法について学ぶ
到達目標:自身の卒業研究に資するように先行研究を批判的に読み解き、そこから研究に有用な知見を得ることができるようになる。論文の中で文献資料を適切に引用できるようになる。
事前学習
(2h)収集した先行研究1編の内容について、発表できるように準備しておく。
事後学習
(2h)この回の指導内容に基づき、残りの2編も含め先行研究を読み込んでおく。

5回
「研究目標の設定」
卒業研究に関する先行研究において、これまでに明らかになっていることを整理して把握する。その内容に基づいて、その領域の研究課題を検討し、卒業研究の研究目標を設定する。
到達目標:自身の卒業研究のテーマに関する先行研究の概要を把握し、これまでに明らかになっている事実を理解することができる。それに基づいて、その研究領域での研究課題を理解したうえで、研究目標を設定することができる。

事前学習
(2h)これまでの指導内容および先行研究の検討結果を踏まえて、自身の研究の領域における研究課題を整理しておく。
事後学習
(2h)この回の指導内容に従って、自身の卒業研究の暫定的な研究目標を作成する。また、先行研究の再読あるいは追加の文献の読み込みを行っておく。

6回
「研究・調査倫理」
研究やそのための調査を遂行するにあたって必ず配慮すべき研究倫理、とくに調査対象者の権利や尊厳の擁護について学ぶ。
到達目標:卒業研究を遂行するにあたって配慮すべき研究倫理について理解し、適切な行動・配慮をすることができる。
事前学習
(2h)自身が調査を受ける側に立った場合、どのような配慮を求めたいと思うか、考察しておく。
事後学習
(2h)この回の指導内容に従って、自分の研究計画について研究倫理上問題がないか、チェックしておく。

7回目
「アンケート調査法の基礎」
データ収集法の基礎について学ぶ。この回ではアンケート調査法について、実施方法や得られるデータの特質など基礎的な事柄について学ぶ。
到達目標:アンケート調査法の特性を理解し、各自が設定した研究目標を達成するために最適な調査・分析法を選択することができる。


事前学習
(2h)自身の卒業研究においてどのようなデータが必要となるか、そのようなデータを得るためにはどのような調査を行えばよいか、その理由も含めて説明できるようにしておく。
事後学習
(2h)授業内で個別に指示した参考文献などを用いて、それぞれの研究目標に合致したアンケート調査法に習熟しておく。

8回
「質問紙の作成法」
データ収集法の基礎について学ぶ。この回ではアンケート調査における質問紙の作成法の基礎を学ぶ。とくに分析方法に対応した質問項目の設定や、その際に気を付けなければならないポイントについて学ぶ。
到達目標:アンケート調査の質問項目と分析との関係を理解し、分析可能なデータを適切に得ることができるアンケート調査の具体的方法を理解できる。
事前学習
(2h)自身の研究でアンケート調査を実施することを想定し、質問紙を作っておく。
事後学習
(2h)自身の研究にアンケート調査を用いるかどうか検討しておく。また用いる場合、今回の授業内容に基づいて、質問紙を改訂しておく。

9回
「インタビュー調査法の基礎」
データ収集法の基礎について学ぶ。この回ではインタビュー調査法について、実施方法や得られるデータの特質、研究倫理上避けるべき方法など基礎的な知識を学ぶ。
到達目標:インタビュー調査法の特性を理解し、各自が設定した研究目標を達成するために最適な調査・分析法を選択することができる。
事前学習
(2h)「質的データ」と「数的データ」の違いについて調べておく。
事後学習
(2h)アンケート調査とインタビュー調査の違いについて復習し、自身の研究におけるデータ収集にはどちらが適切か考察しておく。

10回
「インタビュー調査の種類と方法」
データ収集法の基礎について学ぶ。この回では「構造化されたインタビュー」「半構造化されたインタビュー」「構造化されていないインタビュー」のそれぞれの特徴や得られるデータの違いについて学ぶ。またインタビュー調査における関係構築や研究倫理について学ぶ。
到達目標:「構造化されたインタビュー」「半構造化されたインタビュー」「構造化されていないインタビュー」の方法や得られるデータの違いを理解できる。インタビュー調査の場において、調査対象者の権利を適切に擁護できるようになる。
事前学習
(2h)「話をしやすい人」とはどのような人物か、考えをまとめておく。
事後学習
(2h)インタビュー調査の種類ごとの特性について、授業内容を復習し、理解を深めておく。

11回
「エスノグラフィカル・アプローチ1 文脈理解・すべての知覚・視点を使う」
調査・分析の枠組みとして文化人類学のエスノグラフィカル・アプローチについて学ぶ。この回では、エスノグラフィカル・アプローチの特徴の概略を学ぶ。また、一つのメソッドにとらわれず手を変え品を変えながら多様なアプローチを積み重ねていく重要性について学ぶ。
到達目標:「エスノグラフィー」とは何か、「エスノグラフィカル・アプローチ」とはどのような研究姿勢か、理解できる。とくに「文脈理解」の重要性について理解できる。
  
事前学習
(2h)他者理解がうまくいった自己の経験について分析し、説明できるようにしておく。
事後学習
(2h)授業内での議論を踏まえ、「現場の学」としてのエスノグラフィーについて理解を深めておく。とくに「文脈理解」の重要性について復習しておく。

12回
「エスノグラフィカル・アプローチ2 様々な問題点」
文化人類学のエスノグラフィカル・アプローチについて学んでいく。この回では、「ライティング・カルチャー・ショック」やポストコロニアル論などを紹介し、文化人類学のフィールドワークが抱える負の面を考察する。
到達目標:文化を語る権利はあくまでも当事者本人が優先されること、フィールドで出会う者同士は対等な関係であるべきことが理解できる。
事前学習
(2h)前回の授業内で提示した報道をめぐる問題について、自分の意見をまとめておく。
事後学習
(2h)授業内での議論に基づいて、他者との対等な関係を構築する重要性と難しさについて考察を深めておく。指導学生同士のディスカッションを行うことが望ましい。

13回
「夏季休業前の個別指導」
各々が夏季休業中に卒業研究を滞りなく遂行できるように個別指導を行う。
到達目標:夏季休業中に調査・研究を滞りなく遂行できるようになる。
事前学習
(2h)これまでに行った研究活動の成果を整理しておく。
事後学習
(10h)指導内容に従って、期末レポートを作成するとともに、研究活動を実施する。

14回
事前学習
事後学習

15回
事前学習
事後学習

16回
事前学習
事後学習

17回
事前学習
事後学習

18回
事前学習
事後学習

19回
事前学習
事後学習

20回
事前学習
事後学習

21回
事前学習
事後学習

22回
事前学習
事後学習

23回目
事前学習
事後学習

24回
事前学習
事後学習

25回
事前学習
事後学習

26回
事前学習
事後学習

試験及び成績評価
卒業論文作成の土台となる期末レポートを課す。成績評価の配分は以下の通り。
期末レポート:70%
各回の課題:20%
演習の議論への参加:10%
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
卒業研究指導は個別性が高いので、フィードバックは個別かつ具体的に行う。指導学生は、授業時間以外でも自主的に研究を進めたうえで、頻繁に教員の指導を仰ぐことが望ましい。
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
超図解 レポート・論文術
石井一成
日本文芸社
4537218703
参考文献・推薦図書
『改訂版 エスノグラフィー入門 〈現場〉を質的調査する』 小田博志 春秋社 2023年
『フィールドワーカーズ・ハンドブック』日本文化人類学会監修 鏡味治也、関根康正、橋本和也、森山工編 世界思想社 2011年
さらに、指導学生それぞれの研究主題に即して、参照すべき文献を個別に指導する。
研究室
東金キャンパス・H棟・H501
オフィスアワー
オフィスアワーは決定次第授業内で通知する。指導学生の質問を歓迎する。
科目ナンバリング
学位授与方針との関連
関連ページ
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