Syllabus data

授業科目名
Introduction to Airline and Airport Business Career B
学年
1Grade
単位数
2.00Credits
実務経験の有無
Have work experience
開講クォーター
semester not specified
担当教員
null,null
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語
授業方法区分
開講キャンパス
Togane Campus
授業の到達目標及びテーマ
テーマ: 航空ビジネスの基礎(Ⅱ) 

現代のグローバル社会の発展は、世界のGDP成長率に大きく貢献する国際観光ビジネスや航空ビジネスの発展を抜きに語ることはできない。本講義では、国際人文学部国際交流学科のディプロマポリシーに基づき、主に学生の知識・理解、汎用的技能、態度・志向性の向上に資するべく、秋学期の講義においては、春学期に学修した航空の基本的知識の下に、競争が激化する航空会社の様々な戦略モデル(ネットワークやアライアンス戦略、顧客戦略等)について詳しく学ぶ。航空業界のビジネスモデルの今後の方向性を考察することにより、さらにグローバル化が進む業界の発展に関わる幅広い見識を学修していく。 

担当講師の長年にわたる航空会社での実務経験を活かし、主要な営業戦略の詳細を、学生に興味の持てる形で、最新の動画やトリビアをふんだんに挟みながら解説する。また、講師の所属するANAおよびその関連会社より特別講義の講師を計2回招聘し、現場の臨場感あふれる体験談を聞く機会を提供する。(正課外となるが、F1とF2の合い間の時期に、成田空港にある貨物上屋見学も予定されている。)それらの学習機会を通じて、学生は職業に対する知識を得て、早い段階から自分の進路を模索するようになる。こうした学びを与えられることが実務家教員ならではの教育といえる。

【個別到達目標】
①エアラインビジネスの基本的な知識と専門用語を習得し、概要を説明できる。
②エアラインビジネスを支える航空会社の個別戦略について概要を説明できる。
③エアラインビジネスの現状と特性について学び、航空産業の未来を見通せる力が付く。
④世界の政治・経済・社会情勢に目を向け自ら情報収集をすることで視野が広がる。
授業の概要
本講義は、ANA総合研究所に所属するANA社員が担当する。

将来、航空業界・観光業界を目指す学生は、まず先にS1・S2の概論a/Aを、次にF1・F2の概論b/Bを、aからbの順序で履修することを推奨する。(秋学期の概論b/Bの履修が先になると、理解の難しいテーマがあるため)

【本講義の特長】
①航空ビジネスの実践感覚を養える講義
F1・F2の概論b/Bの講義では、S1・S2の概論a/Aで学んだエアラインビジネスの基礎知識に基づき、航空ビジネスの基礎(Ⅱ)として、航空のビジネスモデル(ネットワーク戦略・アライアンス戦略・顧客戦略・LCC戦略・航空貨物戦略など)を解説する。また、それらの戦略を通して航空業界の動きが見通せる眼を養う。

②航空貨物部門担当者による特別講義の実施
貨物航空会社に所属する現役社員による航空貨物の特別講義が計画されている。これは他の大学では見られない、ANA総合研究所提携校だけの特別な機会である。(但し、実施回と講義テーマは変更されることがある。)

③国家資格キャリアコンサルタントによるキャリアサポートサービスとの連携
本講義と連携して、ANA総合研究所の客員研究員(キャリアコンサルタント有資格者)によるキャリアサポート(就職支援・相談)が無料で用意されている。就活の時期が近づくと予約が入りづらくなるので、航空・観光業界に興味のある学生は早めに積極的に利用されたい。

【注意事項】
本講義においては、スマホでの出席登録に加え、都度教室で回覧する出欠表への記名をもって出席とみなす。授業時間中にスマホで出席登録しただけでは出席にならないので十分注意すること。なお、授業後にポータル上で行う「小テスト」の成績は平常点の要素としてのみカウントされる。

授業計画
1回
講義内容:ガイダンス、航空を取り巻く環境
前半は講義の概要、ならびに出席認定や成績評価など運営方法を説明する。後半では、現在航空業界で話題のテーマを解説する。
到達目標:これから13回の講義テーマを前もって理解することにより、春学期の講義全体への関心と学習意欲を高める。
事前学習
コロナ禍以降の航空業界に関する報道を事前に新聞やインターネット等で調べておく。(2時間以上)
事後学習
講義内容をテキストに沿って振り返り、知識を整理する。(2時間以上)また、第1回はまだ本格的な講義には入らないので、小テストに代えて授業の感想をアンケートで提出すること。(制限時間なし、平常点の対象)

2回
講義内容:エアラインビジネスの特性
春学期に航空・空港キャリア概論a/Aを履修していない受講生のために、本講義ではまずエアラインビジネスの理解に不可欠な事業特性について考察する。
到達目標:エアライン経営上の特性を理解し、他の産業と比較した場合の違いを説明することができる。
事前学習
航空会社の経営は他の産業と比べてどのような点が特徴的なのか、事前に参考書籍やインターネット等で調べておく。(2時間以上)
事後学習
講義内容をテキストに沿って振り返り、知識を整理する。(2時間以上)その後、理解度の確認のため小テストに回答する。(制限時間あり、成績は平常点の対象)

3回
講義内容:エアラインのESG経営とSDGs
エアラインを含む企業は利益をあげることで成長し、商品・サービスを通じて社会へ貢献するが、その持続的な成長には、ESG(E環境・S社会・Gガバナンス)の課題に適切に配慮・対応することが必要である。本講義では現代の企業を取り巻く環境について解説するとともに、2030年に向けたSDGsの目標達成に向けた航空会社の取り組みを取り上げる。
到達目標:ESG経営とはどのようなものか、またSDGs目標達成に向けた航空会社の取組みを説明することができる。
事前学習
現代の企業が重視するESG経営とは何か、国連が定めたSDGsに企業がどう関わるのかなど、事前に参考文献やインターネット等で調べておく。(2時間以上)
事後学習
講義内容をテキストに沿って振り返り、知識を整理する。(2時間以上)その後、理解度の確認のため小テストに回答する。(制限時間あり、成績は平常点の対象)

4回
講義内容:航空自由化の流れ
1978年、アメリカの航空規制廃止法の成立を受けて、それまで規制業種だった航空業界は一転して自由化に向かうことになる。アメリカから始まった規制緩和の流れがやがて欧州、日本、そして世界へと広がり、その過程で今やどの国でも飛ぶようになったLCCが数多く誕生した。そして現在に至るまでの歴史の流れを詳しく学修する。
到達目標:なぜ当初は世界各国で航空産業は保護されていたのか。それが何故アメリカでは逆に自由化の流れが生まれたのか。歴史の経緯を踏まえて現状が理解できるようになる。
事前学習
誕生から第2次世界大戦を経て拡大期を迎えた民間航空は長らく政府の保護下にあったが、1970年代のアメリカでは一転して自由化の流れが始まった。それは何故か、事前に参考文献やインターネット等で調べておく。(2時間以上)
事後学習
講義内容をテキストに沿って振り返り、知識を整理する。(2時間以上)その後、理解度の確認のため小テストに回答する。(制限時間あり、成績は平常点の対象)

5回
講義内容:ネットワーク戦略とアライアンス戦略
航空運送業において、「いつ、どこへ、どれだけ」の座席の飛行機を飛ばすのかということは事業の根幹である。また、グローバル市場で競争する航空会社は生き残りをかけて他社との提携を拡大している。その必要性と戦略、仕組みについて詳しく解説する。
到達目標:ネットワーク策定時に考慮すべき要素や、利便性向上の方策を説明することができる。また、アライアンスについても必要性、提携形態、航空会社と利用者にとってのメリットを正しく説明できるようになる。
事前学習
航空各社が路線網を作るにあたってどのような要素を検討すべきだろうか。また、現在世界には航空会社の大きな連合体(アライアンス)が3つあるが、それぞれの名前と主な参加航空会社などについて、事前に参考文献やインターネット等で調べておく。(2時間以上)
事後学習
講義内容をテキストに沿って振り返り、知識を整理する。(2時間以上)その後、理解度の確認のため小テストに回答する。(制限時間あり、成績は平常点の対象)

6回
講義内容:レベニューマネジメント戦略とマイレージプログラムの仕組み
座席供給を自由に調節できない航空会社にとって、限られた座席の中で収入をいかに最大化するかは経営上もっとも重要な仕事の一つである。本講義では、航空会社の収入を最大化するためのビジネス戦略を基礎から学修する。また、マイレージプログラムは今や利用者がエアラインを選択する際の重要な要素である。その誕生の歴史、背景、基本的な仕組みを解説する。
到達目標:航空会社にとってレベニューマネジメントの概念がなぜ重要なのか、その骨子となる2つの手法を説明することができる。また、マイレージプログラムの仕組みを理解し、航空会社と利用者にとっての価値と将来性を説明できるようになる。
事前学習
レベニューマネジメントという言葉がどのような業界で使われている概念なのか。また、航空会社のマイレージプログラムとはどのようなものか、事前に参考文献やインターネット等で調べておく。(2時間以上)
事後学習
講義内容をテキストに沿って振り返り、知識を整理する。(2時間以上)その後、理解度の確認のため小テストに回答する。(制限時間あり、成績は平常点の対象)

7回目
講義内容:国際航空貨物
グローバルなSCMの進展やEコマースの隆盛によって国際航空貨物は近年著しい成長を遂げている。特にコロナ禍では需要が急激な拡大した。本講義では、航空貨物の基本知識や輸送貨物の特性などを学び、貨物物流が社会や経済にどのような影響を与えているかを考察する。
到達目標:航空貨物の基本知識を身に付けると同時に、旅客輸送と同様、社会インフラとしての重要性を理解することができる。

※【参考】F1/F2間の休み期間中には、正課外活動として、成田空港貨物上屋施設の見学会を計画予定。(案内は秋学期に入ってから行う)
事前学習
コロナ禍で人の移動が制限される中、国際航空貨物の需要は逆に急拡大したが、その理由は何か。事前に参考文献やインターネット等で調べておく。(2時間以上)
事後学習
講義内容をテキストに沿って振り返り、知識を整理する。(2時間以上)その後、理解度の確認のため小テストに回答する。(制限時間あり、成績は平常点の対象)

8回
講義内容:国際航空貨物【特別講義】貨物航空会社の仕事
ゲストスピーカーには、株式会社ANAカーゴの現職スタッフを予定。(実施回と講演テーマは都合により変更される場合がある)
到達目標:貨物航空会社の業務について、就活の参考となるイメージを持つことができる。
事前学習
世界の貨物便を運航する航空会社にはどのような会社があるか。それはどこの国の、何という企業で、拠点はどこか等、事前に参考文献やインターネット等で調べておく。(2時間以上)
事後学習
講義内容をテキストに沿って振り返り、知識を整理する。(2時間以上)その後、理解度の確認のため小テストに回答する。(制限時間あり、成績は平常点の対象)

9回
講義内容:商品戦略とロイヤリティ向上
航空会社の扱う商品・サービスは基本的に差別化しづらく、多くの競合の中から自社を選んでもらうには、利用者の意向を踏まえた取り組みと、顧客満足度を高めてロイヤリティ向上につなげることが必要である。本講義では、ブランド戦略を始めとする商品戦略、NPSで測定されるロイヤリティを高め、いかに顧客生涯価値(Life Time Value)を最大化するかを解説する。
到達目標:航空会社の商品戦略とブランド戦略について、意義を含めて説明することができる。

事前学習
商品戦略を立てるうえでお客様の声を拾うにはどのようにするのが良いのか。また最近マスコミに多く取り上げられるようになったNPSとは何か。事前に参考文献やインターネット等で調べておく。(2時間以上)
事後学習
講義内容をテキストに沿って振り返り、知識を整理する。(2時間以上)その後、理解度の確認のため小テストに回答する。(制限時間あり、成績は平常点の対象)

10回
講義内容:LCCビジネス
グローバル化と自由化の流れの中、航空業界における参入規制が緩和され、新興航空会社であるLCCが登場し、今では世界で4割近いシェアを誇るまでに成長している。本講義では、LCCが誕生した背景や歴史、低運賃が実現できるビジネスモデルについて詳しく学ぶ。さらにコロナ禍後の世界においてLCCとネットワークキャリアがどのように棲み分けていくのか考察する。
到達目標:LCCの運賃が安い理由をひと言で説明できる。また、世界各地のLCC大手の名前を挙げることができる。
事前学習
LCCは大手航空会社と何が違うのか、なぜ格安運賃が実現できるのかについて、事前に参考文献やインターネット等で調べておく。(2時間以上)
事後学習
講義内容をテキストに沿って振り返り、知識を整理する。(2時間以上)その後、理解度の確認のため小テストに回答する。(制限時間あり、成績は平常点の対象)

11回
講義内容:訪日インバウンドビジネス
訪日インバウンド需要の取り込みは地方活性化の切り札であるばかりでなく、航空会社にとっても貴重な増収機会である。まずはその全体像を俯瞰し、取り込み戦略を考察する。
到達目標:訪日外国人観光客の属性や消費動向などの特徴を理解し、更なる取り込み策、明らかになってきた課題などについて説明できるようになる。

政府は観光を我が国の基幹産業へ成長させ、日本経済を牽引し地域に活力を与えるために観光立国推進基本計画を策定している。その中で外貨収入をもたらす訪日インバウンド需要の取り込みは、特に地域の活性化の切り札といえる。本講義では、観光庁が主導する訪日インバウンド需要の取り込み戦略について講師の実務経験をもとに解説する。
事前学習
コロナ禍が終わり、日本各地は再び多くの訪日外国人観光客で溢れている。それらのお客様はどこから来たのか、また訪日期間中に何をしているか。事前に参考文献やインターネット等で調べておく。(2時間以上)
事後学習
講義内容をテキストに沿って振り返り、知識を整理する。(2時間以上)その後、理解度の確認のため小テストに回答する。(制限時間あり、成績は平常点の対象) 

12回
講義内容:コロナ禍後の新しいビジネス
先のコロナ禍では世界中の国々が未曽有の経済環境に追い込まれ、航空会社に限らず、多くの企業がそれまでの業態から変わることで生き残りを図ってきた。航空会社もその例外ではなく、コロナ禍ですべての航空需要が蒸発した状況下、航空一本足打法から脱却を図るため、新しいビジネスを見つけ育てる様々な試みがなされてきた。その具体例を取り上げ、将来の航空会社の姿を考察する。
到達目標:航空一本足打法から脱却を図るため、航空会社がその強みを生かしながらどのような新しいビジネスに着手しているか、ANAの事例を基に説明することができる。
事前学習
ANAはこれまでお客様を国内線、国際線で輸送する事業を行ってきたが、先のコロナ禍で旅客需要が蒸発した際、どのような経営状態になったか。事前に参考文献やインターネット等で調べておく。(2時間以上)
事後学習
講義内容をテキストに沿って振り返り、知識を整理する。(2時間以上)その後、理解度の確認のため小テストに回答する。(制限時間あり、成績は平常点の対象)

13回
講義内容:秋学期の振り返り
これまでの講義内容をテキストや小テストに沿って振り返るとともに、航空業界の大きな流れを俯瞰する。
到達目標:半期の講義内容の重点ポイントが頭の中で整理されると同時に、航空業界全体を俯瞰した見方ができるようになる。
事前学習
これまでの各回の講義内容を振り返り、重要なポイントを整理しておく。(2時間以上)
事後学習
講義内容をテキストに沿って振り返り、知識を整理して定期試験に備える。(2時間以上)その後、最終回なので小テストに代えてアンケートに回答する。(制限時間無し、平常点の対象)

14回
定期試験
試験時間:60分
資料持込み:可(但し、PCやスマホ等のデジタル機器は一切不可)
事前学習
毎回の小テストを中心に、これまでの回で学修した内容を振り返り知識を整理する。(2時間以上)
事後学習
出題された内容を中心に当該回のテキストを振り返り、知識を確認する。(2時間以上)

15回
事前学習
事後学習

16回
事前学習
事後学習

17回
事前学習
事後学習

18回
事前学習
事後学習

19回
事前学習
事後学習

20回
事前学習
事後学習

21回
事前学習
事後学習

22回
事前学習
事後学習

23回目
事前学習
事後学習

24回
事前学習
事後学習

25回
事前学習
事後学習

26回
事前学習
事後学習

試験及び成績評価
【試験】学期末には定期試験を実施する。但し、欠席回数が全体の3分の2に満たない者は受験資格を失う。
【成績評価】以下の割合で行う。
・平常点:50% (毎回の小テストの成績、ならびに授業への積極的な参加姿勢などを評価)
・小レポート:10% (期中に1回、与えられるテーマについて、500字程度で自分の意見をまとめる)
・定期試験:40% (選択問題、穴埋め問題、記述式問題の組み合わせ)
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
・毎回の小テストの正解は、テスト期間終了後にポータル上で一斉に開示する。(各自の回答提出時点ではない)
・リアクションペーパーなどで出された質問・意見等については、翌週の講義時間内に口頭でフィードバックする。
・講師に緊急の連絡をする場合は、必ず自分の大学のアドレスから、以下のルールでメールを送ること。これを守らない場合は見落としがあり得るので注意されたい。
①送り先: a001003@jiu.ac.jp  山下俊一
②メールのタイトル: 必ず「学生番号、氏名、内容」を記載する。(例:HK2024-000 城西太郎 6/7の講義の公欠 について)
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
テキストは使用しない。毎回講義資料を配布する
参考文献・推薦図書
ANA総合研究所. 『航空産業入門(第2版)』東洋経済新報社. ISBN 978-4-492-76235-6
ANA総合研究所. 『エアラインオペレーション入門(改訂新版)』イカロス出版. ISBN 978-4-8022-1143-7 
Gerald N. Cook;Bruce G. Billing; 上甲哲也 監訳.『グローバルエアラインの経営と実務』成山堂書店.   ISBN 978-4-425-86341-9
(一財)日本航空協会.『航空統計要覧(2022年版)』(一財)日本航空協会.  ISBN 978-4-88912-103-2
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