Syllabus data

授業科目名
Clinical Biochemistry
学年
1Grade
単位数
1.00Credits
実務経験の有無
Have work experience
開講クォーター
semester not specified
担当教員
Goto Takeshi
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語
授業方法区分
開講キャンパス
Togane Campus
授業の到達目標及びテーマ
健康を維持しようと体の中では常に物質変化を繰り返している。体を構成しているものが何で、それを作るため、維持するために、どういう変化がおきているかを物質レベルで理解する。

健康を損なったときには、これらの物質変化に違いが生じる。どのような変化が観られたのか、どうしたら健康な状態に戻るのかまでを理解する。
授業の概要
まず、健康な体を構成しているものが何で、それを作るため、維持するために、どういう変化がおきているかを物質レベルで説明する。そして、健康を損なったときには、これらの物質変化にどのような変化が観られるのか、どうしたら健康な状態に戻るのかまでを説明する。

科学の進歩により生化学の情報量は膨大になっている。その中で、看護学を学ぶ上で、また臨床の場で必要な生化学の知識や考え方を取り上げ、興味が拡がるよう理解してもらえるよう確認しながら進める。

授業計画
1回
代謝総論

● 生物の生命エネルギー源は太陽光エネルギーであることを知る.
● ヒトは,体内で糖質からアミノ酸や脂肪を作り出す,あるいはそれぞれを再生するしくみ(同化・異化)を有していることを知る.
● 栄養源は細胞内で生体内エネルギー(ATP)に変換され,このATPは細胞内活動,体構成,運動,体温保持などの生命活動を維持するために利用される必須な化学的エネルギーであることを知る.
● これから各章で学ぶ栄養代謝の臨床生化学,あるいは生物学的意味の全体的位置付けを知る.

● 細胞の構造について理解できる.
● 個々の細胞小器官の構造と役割について理解できる.
事前学習
テキスト該当部分を読んでくる.(2時間)
事後学習
代謝調節機構図と人体臓器図を基に,栄養代謝を中心とした生命活動の動線を描かせ,各章で学ぶ栄養代謝の意味や位置付けがわかるようにさせる. (2時間)

2回
酵素

● 体の中で代謝の流れを作る酵素の働きを理解する.
● 酵素の基本的な性質を理解する.
● 酵素が医療の分野でどのように役立っているのかを知る.
事前学習
テキスト該当部分を読んでくる. (2時間)
事後学習
下記の点について整理する.(2時間)
 1.酵素の性質および逸脱酵素と疾患

3回
糖質代謝

● 糖の構造と特性について理解できる.
● 糖を重合度から分類できる.
● さまざまな糖について,主な所在と特性を理解できる.

● 糖質の種類と基本構造を理解できる.
● 糖質の消化過程を消化器官・消化酵素の知識を活用して理解できる.
● 糖質代謝の全体像を理解できる.
● 解糖のしくみについて理解できる.
● 嫌気的解糖・好気的解糖について理解できる.
● クエン酸回路の流れを理解できる.
● ATPがどのように生成されるのかを理解できる.

● グリコーゲンの合成と分解が行われる臓器とその生理的意義について理解できる.
● ペントースリン酸回路の位置と生成物の役割を理解できる.
● 糖新生の流れを理解できる.
● 血糖の調節のしくみとホルモンの作用を理解できる.
事前学習
テキスト該当部分を読んでくる. (2時間)
事後学習
下記の点について整理する.(2時間)
 1.糖質の種類と消化過程について説明しなさい.
 2.糖質は生体内でエネルギー源となるほかはどのような役割があるか述べなさい.
 3.解糖系の最終産物は何か述べなさい.
 4.嫌気的解糖と好気的解糖におけるATP産生の部位と量を確認しなさい.
 5.クエン酸回路の流れを確認しなさい.
 6.グリコーゲンの合成と分解の意義について.
 7.糖新生の反応の要点.
 8.血糖値の正常値はどれくらいか.また,それを調整しているホルモン.

4回
脂質代謝

● 脂質の構造について理解できる.
● 脂肪酸の構造と特性について理解できる.
● 不飽和脂肪酸の生理作用について理解できる.
● さまざまな脂質の名称と特性について理解できる.

● 脂質の消化・吸収過程の概要を理解できる.
● リポタンパク質の特徴を理解し,分類とそれぞれの役割を説明できる.
● 脂質異常症(高脂血症)の病態生理を説明できる.

● 脂肪酸のβ酸化とエネルギー産生について理解できる.
● ケトアシドーシスの原因について理解できる.
● 糖質代謝と脂質代謝の関連を理解できる.
● 体内でのコレステロールの働きを説明できる.
● プロスタグランジンの特徴と生理作用を理解できる.
事前学習
テキスト該当部分を読んでくる. テキスト該当部分を読んでくる. (2時間)
事後学習
下記の点について整理する.(2時間)
  1.脂質の消化・吸収過程の概要
  2.リポタンパク質の特徴と分類,それぞれの役割
  3.脂質異常症(高脂血症)の病態生理
   4.脂肪酸のβ酸化とエネルギー産生
   5.ケトアシドーシスの原因
   6.糖質代謝と脂質代謝の関連
   7.体内でのコレステロールの働き
   8.プロスタグランジンの特徴と生理作用

2007年日本動脈硬化学会発表の「脂質異常症の診断基準」と「リスク別脂質管理目標値」について調べてくる.

5回
タンパク質とアミノ酸の代謝/ 核酸・ヌクレオチドの代謝


● アミノ酸の構造を理解できる.
● アミノ酸を分類できる.
● タンパク質の構造と性質について理解できる.
● 生体内のタンパク質をその機能から分類できる.

● タンパク質の消化吸収について理解できる.
● タンパク質の構造が理解できる.
● タンパク質の合成・分解が理解できる.
● タンパク質の利用・活用・機能について理解できる.  

● 核酸の機能と構成要素について理解できる.
● DNAとRNAの基本構造と機能について理解できる.
● 主なビタミンの名称と生理作用,欠乏症を理解できる.

● 核酸の種類と組み合わせが理解できる.
● DNAとRNAの構造と役割が理解できる.
● ヌクレオチドの役割が理解できる.
● 代謝障害がなぜ発生するかを理解できる.
事前学習
テキスト該当部分を読んでくる. (2時間)
事後学習
下記の点について整理する. (2時間)
 
1. タンパク質の消化吸収について(どのように体内に取り込まれるか).
2. アミノ酸の代謝の経路について.
3. ヌクレオチドの代謝の流れについて.

6回
エネルギー代謝の統合と制御

● 生体の恒常性を維持するため,糖質・脂質・タンパク質の代謝が臓器間でどのようにつながり,調節されているのかを理解する.
● 食後,食間時,飽食時の栄養代謝の状態や変化と関連ホルモン調節について理解する.
● 運動時や絶食時の栄養代謝の状態と関連ホルモン調節との変化について理解する.
● 糖尿病における栄養代謝や生理学的恒常性への影響ならびに併発諸疾患について理解する.
事前学習
テキスト該当部分を読んでくる. (2時間)
事後学習
吸収(消化酵素類)—臓器の役割—栄養代謝(正常—絶食—運動—糖尿病)と代謝調節ホルモンの特徴—臨床症状(臨床生化学検査値,症状)などの関連を記載させる. (2時間)

7回目
遺伝情報/代謝と疾患

● 遺伝情報が何からできていて,どのように保存されているのかを理解する.
● 遺伝情報がどのようにして次の世代へ伝わるのかを理解する.
● 遺伝情報がどのようにしてRNAへ転写され,その調節が行われているのかを理解する.

● RNAがどのようにしてタンパク質へ翻訳され,機能するようになるのかを理解する.
● 遺伝子の変化が体にどのような変化を及ぼすのかを理解する.
● 今日の医学的な課題と遺伝子を含む生命科学の研究成果の利用について理解する.

● 主な先天性代謝異常の名称と主症状を説明できる.
● 遺伝子とタンパク質合成について再確認できる.
● 酵素の性質について再確認できる.
● 発症のメカニズムと疾患例を分類できる.
事前学習
テキスト該当部分を読んでくる. (2時間)
事後学習
下記の点について整理する.(2時間)
 1.遺伝情報を担う物質とその構造をまとめる.
 2.DNAの複製の基本的な機構とその意味を説明できるようにする.
 3.転写反応の機構とその調節について説明できるようにする.
 4.RNAからタンパク質への翻訳,遺伝情報の解読についてまとめる.
 5.遺伝子の障害と遺伝病を関連づけて説明できるようにする.
 6.遺伝子診断と治療の倫理的問題を十分理解する.
 7. 主な先天性代謝異常について名称と主症状,発症のメカニズムをまとめる.
 8. 酵素の基本的性質と,酵素異常による主な発症のメカニズムを説明できるようにする.
 9. 酵素の性質について再確認できる.
 10.発症のメカニズムと疾患例を分類できる.

8回
期末試験実施:別途設定(後日連絡)
事前学習
事後学習

9回
事前学習
事後学習

10回
事前学習
事後学習

11回
事前学習
事後学習

12回
事前学習
事後学習

13回
事前学習
事後学習

14回
事前学習
事後学習

15回
事前学習
事後学習

16回
事前学習
事後学習

17回
事前学習
事後学習

18回
事前学習
事後学習

19回
事前学習
事後学習

20回
事前学習
事後学習

21回
事前学習
事後学習

22回
事前学習
事後学習

23回目
事前学習
事後学習

24回
事前学習
事後学習

25回
事前学習
事後学習

26回
事前学習
事後学習

試験及び成績評価
 受講態度(提出物等)20%、期末試験80%
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
確認テストの解説を授業中に実施
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
ナ−シング・グラフィカ 人体の構造と機能 2臨床生化学
宮澤恵二
メディカ出版
9784840461283
2600円
参考文献・推薦図書
「ヴォート生化学 第4版 上」東京化学同人 2012  6800円+税
「ヴォート生化学 第4版 下」東京化学同人 2013  6800円+税
「リッター生化学」東京化学同人  1999  6800円+税
「ハーパー・生化学」丸善 2001年 10290円(税込)
「イラストレイテッドハーパー・生化学」丸善 2011年 7875円(税込)
研究室
K315
オフィスアワー
質問等は、tgoto@jiu.ac.jp にて受付
科目ナンバリング
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