シラバス情報

授業科目名
医療倫理学
学年
1年
単位数
2.00単位
実務経験の有無
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
太田 充胤
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語
授業方法区分
開講キャンパス
東金キャンパス
授業の到達目標及びテーマ
医療倫理の歴史、基本概念を理解し、医療現場で遭遇する倫理問題に対処できる看護職者としての基礎的能力を養う。
授業の概要
医療現場において、医療者は様々な局面で意志決定や判断を下す。医学的知識はその判断の重たる根拠となるが、それだけでは「何がなされるべきか」という問いに答えるには不十分な局面も多い。現場で直面しうる具体的な事例を通じて、問題を道徳的な観点から検討するための考え方・基本概念を学修する。

授業計画
1回
倫理学とはなにか?
──医療倫理学とはどのような学問か。そもそも倫理とは何か。我々医療者がそれを必要とするのはなぜか。本講義の意義と目的を概説する。
事前学習
なし
事後学習
医療における倫理学の役割を位置づけを説明できるようにしておく。

2回
「死にたい」と言われたらどうするか?
──臨床現場で突然訪れる問題に対してどのように反応したらよいか。その際、判断のよりどころとなるのは何か。具体的なケースについて議論しながら整理する。
キーワード:医療倫理の四原則、臨床倫理の四分割法、ヒポクラテスの誓い
事前学習
第1回で提示した課題を提出する。
事後学習
授業中に扱ったキーワードについて、それぞれ説明できるようにしておく。

3回
死を選ぶことは許されるか?
──「死にたい」患者さんが自ら死を選ぶことは妥当だろうか。それはどこまで、どのようなかたちで認められうるか。その是非をどのように検討すべきか。
キーワード:QOLとSOL、リビングウィル
事前学習
第2回で提示した課題を提出する。
事後学習
授業中に扱ったキーワードについて、それぞれ説明できるようにしておく。

4回
患者が決めるのか? 医療者が決めるのか?
──治療や療養の方針について決める能力と権利を持っているのは誰だろうか。実際にはどのようなプロセスで方針が決まっているだろうか。
キーワード:ヒポクラテスの誓い、パターナリズム、インフォームドコンセント、情報の非対称性、意思決定支援と欲望形成支援
事前学習
第3回で提示した課題を提出する。
事後学習
授業中に扱ったキーワードについて、それぞれ説明できるようにしておく。

5回
医療を拒む患者を説得するべきか?
──医療を拒む患者に治療を受けるよう説得することは正しいだろうか。一方で、治療が必要な患者を、本人の意思を理由に放置することは許されるだろうか。
キーワード:医療不信、ネグレクト
事前学習
第4回で提示した課題を提出する。
事後学習
授業中に扱ったキーワードについて、それぞれ説明できるようにしておく。

6回
それは「患者の責任」か?
──病気になることや、治療が上手くいかないことについて、患者はどのくらい責任を負うべきなのだろうか。医療者は病気を持つ患者をどのような目で見ているだろうか。
キーワード:スティグマ、健康の社会決定要因
事前学習
第5回で提示した課題を提出する。
事後学習
授業中に扱ったキーワードについて、それぞれ説明できるようにしておく。

7回目
誰を救うべきか? どのように選ぶか?
──限られたリソースを、どのような価値基準によって配布すべきだろうか。特定の患者を「えこひいき」することは正しいだろうか。
キーワード:分配的正義、トリアージ、功利主義
事前学習
第6回で提示した課題を提出する。
事後学習
授業中に扱ったキーワードについて、それぞれ説明できるようにしておく。

8回
人体実験は許されるか?
──医学の進歩に欠かせない研究は、どのような基準のもとに行われるべきだろうか。なぜヒトを対象とした治験が許されているのだろうか。
キーワード:タスキギー事件、ニュルンベルク綱領、ヘルシンキ宣言
事前学習
第7回で提示した課題を提出する。
事後学習
授業中に扱ったキーワードについて、それぞれ説明できるようにしておく。

9回
生と死の境目はどこか?
──人間の「死」をどのように定義すべきだろうか。「死」を迎えた人間をどのように扱うべきだろうか。
キーワード:脳死、臓器移植、延命治療
事前学習
第8回で提示した課題を提出する。
事後学習
授業中に扱ったキーワードについて、それぞれ説明できるようにしておく。

10回
生まれる前の命に介入してよいか?
──受精卵から分娩までのどこからが「人間」だろうか。胎児に介入することはどこまで、どのように認められるだろうか。
キーワード:人工妊娠中絶、優生学、遺伝子改変、リベラル優生学
事前学習
第9回で提示した課題を提出する。
事後学習
授業中に扱ったキーワードについて、それぞれ説明できるようにしておく。

11回
「産むこと」は誰の問題か?
──生殖は社会的に補助され補助されるべきだろうか。個人にとって、また国や社会にとって生とはなんだろうか。
キーワード:生殖補助医療、リプロダクティブヘルス/ライツ、医療化
事前学習
第10回で提示した課題を提出する。
事後学習
授業中に扱ったキーワードについて、それぞれ説明できるようにしておく。

12回
医療の価値とはなにか?
──医療ができること、医療に求められていることとは一体なんだろうか。幸福とはなんだろうか。我々はなんのために生きるのだろうか。
キーワード:健康、健康増進、価値に基づく医療
事前学習
第11回で提示した課題を提出する。
事後学習
授業中に扱ったキーワードについて、それぞれ説明できるようにしておく。

13回
最終課題フィードバック
──最終課題として予め提出してもらったレポートの内容についてフィードバックを行います。
事前学習
第12回で提示した課題を提出する。
事後学習

14回
事前学習
 
事後学習

15回
事前学習
 
事後学習

16回
事前学習
事後学習

17回
事前学習
事後学習

18回
事前学習
事後学習

19回
事前学習
事後学習

20回
事前学習
事後学習

21回
事前学習
事後学習

22回
事前学習
事後学習

23回目
事前学習
事後学習

24回
事前学習
事後学習

25回
事前学習
事後学習

26回
事前学習
事後学習

試験及び成績評価
課題レポート70%、授業参加度30%
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
授業時間内に随時フィードバックを行います。
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
なし。授業中に適宜資料を配布いします。
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参考文献・推薦図書
マイケル・ダン、トニー・ホープ『医療倫理超入門』岩波書店、2020年、1,870円
赤林朗編『入門・医療倫理Ⅰ〔改訂版〕』勁草書房、2017年、3,630円
赤林朗編『入門・医療倫理Ⅲ』勁草書房、2015年、3,630円
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