シラバス情報

授業科目名
根拠への問い-哲学へのとびら
学年
1年
単位数
2.00単位
実務経験の有無
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
瀧 章次、瀧 章次
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語 (Japanese)
授業方法区分
開講キャンパス
オンライン(オンデマンド)
授業の到達目標及びテーマ
専門の学びに先行する人間形成に関わる。教養の基礎を築き、自分自身、自らの人格を陶冶する。それぞれの専門の学びの土台でもあり、また将来の専門の学びの先に追究されることにもなる学びとして、根本的にものごとを考え問う力を養う。特に、先人の具体的な問いを手がかりとして、問いそのものを開拓して新たなものとする。こうしたみずから引きうけ展開される問いは、21世紀のなかばにむけて抜き差しならない多くの課題を抱える人類社会に生きる一人の人間として、国境を越えてひとびととともに、共感をもって協力、連携して、明日を切り拓いていくことにつながるものでもある。また何よりも、自分自身の文化的、歴史的、社会的慣習、すなわち、思考、感情、行動の枠組みを相対化して、自分自身の思考を自由にすることを練習することになる。

授業の概要
① 科目名: 「根拠への問い—哲学への扉」(英語名: Enquiries toward the Ultimate Principle: Introduction to Philosophy)
② 形式: オンデマンド 講義 (オンデマンド授業として、一回、50分の視聴ファイルが、各講義2回、合計26回、配信される。授業出席と授業内容理解との確認のため毎回(全13回)小論課題が課せられる。課題提出締め切りはおよそ1週間を目途とする。課題は「感想」ではなく中心的問題に対する理解と自らの応答とを問う(長さは指定せず「必要にして十分な論述」を求める。)
③ 内容: われわれ人間は何をどこまで「知る」ことができるのか、言語を用いて生きているということはどういうことなのか、「自己」とは何であるのか、「よい!」、「正しい(正義)!」、「美しい!」というとき何に出遭っているのか、というようなさまざまな根本的な問いについて、みずからの問いとして引き受けてみること、そしてその問いの始まりのなかで自分自身の知性を暗く、かたくなにすることなく、探究のみちすじにある澄んだあかるみへと、自分自身をひらいていくこと、このことを、具体的なてがかりを通して、実践する。こうした自分自身において生まれ活動する問いのはたらきは、ややもすれば既存の専門化された現代の学問領域では真正面から問うことがめったにないことかもしれない。しかし、世界の伝統文化では問いとして、探究として、受け継がれて来ているものである。ヨーロッパの伝統では、古代ギリシアにもどって、「愛知」、philosophyと言われてきた営みを指す。本授業では、オンデマンド講義ファイルを視聴することを通してみずから問いを引きうけ、問いを展開していくことを、受講者ひとりひとりが学びとして進めて行く。毎回、みずから自分自身を振り返って、気づいたことをまとめ、自分なりに問いを一歩でも先に進めることを試みる。受講者自身、答えを出さなければいけない学び、教師と称する立場の者がすでに隠し持って、定めている正解を求め暗記して復唱する学びから、自らを解放し、いかに問いそのものを明確にできるかをこころみる。
④ 授業回数: 13回
⑤ 出席確認方法: 大学ポータルに提出される毎回の小論課題の内容と質
⑥ 履修者への連絡及び教員への連絡方法: 大学ポータルを通じて行う(個人的なことについてはJIUメールで受け付ける)
⑦ 学生等と教員、あるいは学生同士の意見交換の方法: 大学ポータルの掲示板、QA
⑧ 設問解答・添削指導・質疑応答等による十分な指導: 毎回、受講者全員の提出物については、日本語並びに内容についての、講評を大学ポータルを通して返送する。



授業計画
1回
視聴ファイル 01 (50分):「いかに生きるべきか」−という問いにどのような応答をこころみることができるか。先人たちはどのような、人生全体にたいする反省をこころみ伝えてきたか、ソクラテスやデカルトら懐疑主義の伝統、エポケー(根本的転向)のこころみにたずねる。
到達目標: 生きていくことにおいて、自分自身に課すべき、個別の日常のことがらとは異なる、人生の全体に関わる課題があるか、みずから考えてみる。

視聴ファイル 02 (50分): 「(この世界には)何が、本当に、『ある』のか」−という問いにどのような応答をこころみることができるか。先人たちはどのような状況でこのような問いに向き合ってきたのか、アジア的伝統においては、必ずしもつかみやすいとは言いがたい『ある』という動詞(英語 be、ドイツ語 sein)に関する問題について、「…がある」、「…が…である」という言葉による表現もてがかりに、問いを深める。
到達目標: 日本語にはなじみにくい「ある」(存在、有)ということがいかなる意味で問題となることが可能になるのか、自分自身ためしてみる。
事前学習
シラバスの内容を熟読すること(20分)。事前に配信する授業オリエンテーションを視聴すること(30分)。また、事前に配布する講義資料をおおよそ大項目に目を通しておくこと(15分)。
事後学習
二つの視聴ファイルを通してそれぞれ自らが展開することができた問いの過程について、表現を与え、覚え書きとして残す。あとで読み返す際のために、日付をつける。自らの、自己探求ノートとして、覚え書きを作成する。右ページ、あるいは、左ページなど、あるいは、ファイルなど、<余白>をもうけ、後から(異なる色で)、書き込み、自分自身の思考のあしあとをたどれるようにする。なお後の回で自分が新たに問いを展開している過程で、問いがおたがいにつながり合っていることに気づいたら、できるかぎり、あとで思い起こせるように、つながりを明らかにしておく。場合によっては、大きな問いとして、全体のつながりを、箇条書きや、模式図を描いておく。(90分)
さらに学びを発展させていくために、講義関連資料にも目を通し、先人たちの具体的なテクストや、専門的な術語による説明についても、理解をひろげていくことをこころみる(30分)。

2回
視聴ファイル 03 (50分): 「見る」、「見えている」とはどういうことか、人間の本質とも言える体験の原点は、あまりに当たり前の日々の繰り返しでありながら、いったいどれほどわかっていないのか、反省してみる。特定の感覚器官を限定して体験を「視覚体験」、「聴覚体験」とことがらを分けて、分析していくことが、何を明らかにしてくれるか、それと同時に、何を暗くしてしまうのか、いままでの知見をとおして、改めて、人間とは何であるのか考える。
到達目標: 自分自身で、日常的に、何を見ているのか、とりわけ、見えている通りにそのとおりに世界は誰にとっても成り立っているとかんがえてよいか、問いをこころみる。

視聴ファイル 04 (50分): 「時間」や「空間」は「見えていたか」、「聞こえていたか」、そもそも「時間」はあるのか、「空間」もそれ自身として、空虚な「箱」のように、はじめからあったのかなど、「時間」、「空間」の難問から見えてくる人間自身の体験そのものの性格はどういうものとなるのか、問いを自分自身で受け止め広げていくことをこころみる。
到達目標: 時計や、繰り返される天体の運動がないとしたら「時間」というものはどうなるか、思考上の実験をしてみる。また、感覚によってとらえられる世界を、感覚器官をふさいでみたりして、引き算していくと、「空間」というものが残るのか、思考上の実験をしてみる。
事前学習
与えられている問い(あるいはテーマ)から、自分自身でも、どのような問いであるか、そこから、どのように問いを展開していけるか、自分自身でもこころみる。その際、問いやテーマがどのようなものか、自分自身で理解を広げるために、講義関連資料についても、分かる範囲で、目を通しておく。さらに、取り上げられている書物について、時間の許す範囲内で、難しいものであっても通読も試みる。(2時間)
事後学習
第1回目の事後学習に与えられたことをこころみる。

3回
視聴ファイル 05 (50分): われわれは、何をどこまで確実に知ることができるのか、知っていると言えるための根拠を提出することはどこかで止めねばならないか、「知っている」ことを「知る」ことはできるのか、「知の知」をめぐる問いに応答をこころみる。
到達目標: 何かについて、「(確実に)知っている」と主張することができるためには何が必要か、問うてみる。「感覚」によってなにかを受けとめることは必ず必要か考えてみる。

視聴ファイル 06 (50分): 「科学万能の時代」に生きているのか、科学と技術とはなぜ混同されるに至っているのか、科学がなぜ科学では答えられるはずもない価値判断に物いう時代になっているのか、今を生きる上で「科学」と「技術」とについて、その本質をどのように問うていけばよいか、現実の課題としてひきうけることをこころみる。  
到達目標: 科学が全体的で間違えないものであるかのような信頼はどこから生まれてきたか、問い、考えてみる。
事前学習
第2回目の事前学習と同じことをこころみる。
事後学習
第1回目の事後学習に与えられたことをこころみる。

4回
視聴ファイル 07 (50分): 「私」、「ぼく」、「わたし」などという一人称単数の代名詞で指示されているものは何であるのか、<こころ>は動き、悲しみも喜びもわかちあい、それでいて、<こころ>は同じににはなれないように、これほどに、自分の<こころ>は透明でみまがうこともないのか、という「自己」をめぐる問いについて、てがかりをもとめ、それぞれに問いの展開をこころみる。
到達目標: 名前を与えられ、ひとりひとり、別のひととして育てられ、自分自身そのように、他のひととは別のひとであると信じて生きられることは、なぜ可能になったのか、思考の上で、実験的に考えてみる。

視聴ファイル 08 (50分): 自分自身には知り得ない「自己」というものはあるのか、ないのか。自分自身には、後になってからしか気づくことがかなわないしぐさやことばがあるか、また、後になっても、これからも自分の力ではせき止められている自分のすがたが、この世界で生きて働いているのか、<こころ>をめぐる問いを避けずに通れるか、どこまで、向き合えるか、こころみる。
到達目標: 自分自身、そのときは自分がしたことかどうか確信を持てなかったり、あるいは、きっぱり、自分がしたことではないと思いこんでいたり、しながらも、時間が経って、あとから自分がしたことに間違いないと気づかされた経験がないか、記憶をたどり、あれば書き留めておく。  
事前学習
第2回目の事前学習と同じことをこころみる。
事後学習
第1回目の事後学習に与えられたことをこころみる。

5回
視聴ファイル 09 (50分): 「他者」の存在について考える。自分自身で自分と向き合い誰ひとりいないところで静かに反省的に考えているときでさえ、その考えそのものには、どれほど「他者」の存在が浸透しているか考える。
到達目標: 自分の考えていることはどこまでも自分一人のものとして成り立っているか、この問いを展開するいとぐちを確かめる。

視聴ファイル 10 (50分): 「かんがえ」のつながりには、型があるか、ある考えからある考えが導かれることの必然性とは何か、思考の形式としての論理について、その基本について自分自身で追求してみる。
到達目標: 真理値表を用いて論理計算することの効用を考えられるようになる。
事前学習
第2回目の事前学習と同じことをこころみる。
事後学習
第1回目の事後学習に与えられたことをこころみる。

6回
視聴ファイル 11 (50分): おしゃべりしている時だけしかコトバは働いていないのか、黙っていても、表現されなくても、日常の思考、感情、行動の上で、言いあらわされるまでもなく、同時に、いつでも言いあらわそうと思えば言いあらわせる大前提としての判断は、コトバとどうかかわっているか、言語とは伝達の手段以外の何であるのか、問いたずねることをこころみる。  
到達目標: 英語やフランス語の学習を通して、「言語というものはコミュニケーションの手段だ」という思い込みがあるかどうか確認した上で、その思い込みが本当に正しいか、吟味してみること。

視聴ファイル 12 (50分):  コトバのはたらきのおおもとはなにか、伝達によって表現されてえがかれる出来事や事実と、そもそも言葉とは無関係か、あるいは、関係があるとすれば、どんな関係か、伝達に先立つ言語について問うことを、ひきつづきこころみる。
到達目標: 無意識とも異なる言語機能として、おしゃべりという伝達機能をなりたたせるための、おしゃべりに、論理的に先行する言語のはたらきがあるか、またそのような問い方をすることが可能か、考えてみる。
事前学習
第2回目の事前学習と同じことをこころみる。
事後学習
第1回目の事後学習に与えられたことをこころみる。

7回目
視聴ファイル 13 (50分):  言葉を用いて「する」ことは、この世界を記述したり描写したりすることだけであろうか。起きたことをそのとおり確認すること以外に、言語を用いて私たちは何をしていると言えるであろうか、行為としてとらえるときに言語のはたらきはどのように見えてくるか、問うことをこころみる。
到達目標: 言語を用いるとは、同時にどのような行いをすることなのか、さまざまなつながりあい、連携している、ことばによる行ないについて、具体的な事例を通して考えてみる。

視聴ファイル 14 (50分): 物体の運動と人間の行為とはどのように異なるのか、こころのないモノとこころのあるヒトと区別することはあたりまえのことか、その区別はいつもどこでも変わらない者か。
到達目標:身体があることにより物体でもあるとすると、思考の上で、どこまで身体能力を差し引いて行っても、身体によらない、人間だけに固有のはたらきがあるか、思考の上で、実験的に考えてみる。
事前学習
第2回目の事前学習と同じことをこころみる。
事後学習
第1回目の事後学習に与えられたことをこころみる。

8回
視聴ファイル 15 (50分): 人間が多数集まって暮らしているということにおいて、ひとりひとりが何かを「する」こと、「なす」ことは、ほかのひととのあいだにどのような関係を生み出すことになるのか。ひとりひとりの「自由」が保障されているということはどういうことなのかを考える。
到達目標: 当たり前だと考えている「所有」がなぜ成り立っているかなどを改めて反省することを通して、行為における「自由」、「権利ー義務」、「法」の成立を理解する方法をみにつける。

視聴ファイル 16 (50分): 「社会」や「世界」という言葉はそもそも何なのか、こういう言葉を使わずにすませる方がまちがいなく明確に考えることができるか、それとも使わざるをえないとすれば、そのわけは何であり、そしてそうした言葉をしっかりとつけるにはどうしたらよいのか、ことばの中の困難に向き合い、解決のいとぐちをさぐる。
到達目標:「社会」、「世界」、「〇〇人」、「われわれ」など、これらの言葉を使わないことに決めた場合、困ることはあるか、考えてみる。  
事前学習
第2回目の事前学習と同じことをこころみる。
事後学習
第1回目の事後学習に与えられたことをこころみる。

9回
視聴ファイル 17 (50分):  歴史とは何であるのか、ひとりひとりの力で歴史は動かせるのか、それとも、ひとりで何をしたところで歴史的なさだめにはあらがうことができないのか、「歴史」と向き合うことをどのようにひきうけられるかこころみる。
到達目標: 単なる時間のながれ、月日の経過以上に、人類全体の互いに緊密に結び合わさった形で、ある一定の方向に、方向づけられているということはあり得るか、またあり得るとすれば、それを一人一人の個人はどのようにすればそのことに気づくことができるか、考えてみる。

視聴ファイル 18 (50分): 道徳的によいひと、正しいひとであることをしつけられ、また、自分自身、あらためて道徳を引きうけ直し、みずから立ち上がろうとするときに、さて、「よさ」そのものはなお問うことができるだろうか、すべてのものを「よい」ものたらしめる、すべての「よい」と判断されるものに共通で固有の本質としての「よさ」そのものを問うことは、今の時代にもなお固有の意味はあるだろうか、ひとそれぞれ、それぞれの基準によってきまるものと相対主義が強力に支配する時代になお「よさ」を考える意味はもはやないのか、問いをこころみる。 
到達目標: 「1+1=2」と「泥棒はよくない」と、二つの文によって判断したり主張したりする場合の「たしかさ」は何によるものか、考えてみる。 
事前学習
第2回目の事前学習と同じことをこころみる。
事後学習
第1回目の事後学習に与えられたことをこころみる。

10回
視聴ファイル 19 (50分): あなたのなかに「理性」は働いているか、ひとは欲求にひきずりまわされ、欲求に打ち負かされる欲求の奴隷か、欲求をめぐり自分をどうとらえなおすことができるか、自分自身の感情、行動のありようをふりかえることをこころみる。
到達目標: 「欲する」、「求める」、「願う」、「必要とする」、「望む」、「意志する」、「意図する」などの表現を用いて、自分について言いあらわす際に、その違いを説明できるか、試してみる。またそいう表現で言いあらわせることは、他の自分自身について言いあらわせるできごととくらべてどう異なっているか考えてみる。

視聴ファイル 20 (50分): 「こころよい」ことはよさそのものではないのか、自分自身にとって、自分自身にだけ、「こころよい」ことを追求することはいけないことなのか、「こころよさ」、快楽についてかえりみて、こころよさを表に表し生きることがどこにどういう問題を潜ませているのか、問いをこころみる。
到達目標: 「こころよい」と言いあらわせる、自分自身についての経験をあつめてみる。そこにどんな違いがあるかを考えてみる。「見る」、「聞く」など五感とどのように結びついているか考えてみる。
事前学習
第2回目の事前学習と同じことをこころみる。
事後学習
第1回目の事後学習に与えられたことをこころみる。

11回
視聴ファイル 21 (50分):  「うつくしい!」、「見事!」とこころもからだも感動がつきぬけるとき、ひとは何に出遭っているのか、ひとの人生を豊かにする「美」とは何であるのか、問いをこころみる。
到達目標: 自分自身の身に生じた、圧倒されるような経験について、それが他の経験とどう異なっているのか、それが自分の人生にとってどのような働きをしているか、そういう経験が一切ないとしたらどんな人間になってしまうか、思考の上で考えてみる。

視聴ファイル 22 (50分): 「ゆるせない!」、「人間のすることか!」と「いきどおり」を覚える時、それはどこから生じてきていることか。こうした思いと、人が定めた法律と同じものか、親やまわりのおとなからしつけられた倫理・道徳・ルールと同じものか、人とともに生きて、社会を形成する人間にとって「正義」をどのように受け止め直し、つねに、再生させていくことができるか、日常の自分の生き方として問い、実践する。 
到達目標: ひとが一度、正義と不正の境目を失ったりしてしまうとどういう状態におちいるだろうか、「してはいけない」と良心ではそう思いながら、自分の良心を踏みにじってしまったとき、その後、その人にとって人生はどういうものになってしまうだろうか、こうした問いが意味を持つかどうか考えてみる。
事前学習
第2回目の事前学習と同じことをこころみる。
事後学習
第1回目の事後学習に与えられたことをこころみる。

12回
視聴ファイル 23 (50分):  民主主義はいつまでも続くか、民主主義が生き延びてきたこれまでの条件はどのようにして21世紀に崩壊していくことになり得るだろうか、そのときひとりひとり、世界、社会、歴史をどううけとめ、正義を形成していくことがなおのこされているであろうか、いま、ここの日常の振舞いの持っている意味を問い、人と共有することをこころみる。
到達目標: 「民主主義」はどういう状況になっているか、V-Dem (https://www.v-dem.net/)などを参考にして、自分が生きていく将来の社会の問題として考えてみる。特に、「民主主義」が失われた時に、自分の生き方にはどんな影響が生ずるか考えてみる。

視聴ファイル 24 (50分):  打算に生きることは身の回りで、自分自身において、あたりまえのことだろうか、結婚も就職も学問もつまるところは個人の損得で決めることが正しいことだろうか、この時代になお損得とは異なる、永遠の価値を今ここに実現していく生き方は可能か、人生の理想について向き合い、自分で問うことをこころみる。
到達目標: 自分にとってもっとも親しいと思えるあいだがらにも、打算をもちこんだり、すべて、金銭による損得で測ったりする生き方のどこが悪いのか、そういう生き方自身、悪いどころか楽しいのか否か、自分の人生の問題として、想像することをこころみる。
事前学習
第2回目の事前学習と同じことをこころみる。
事後学習
第2回目の事前学習と同じことをこころみる。

13回
視聴ファイル25(50分): 「善」、「美」、「正義」にはさらにそれを支える根拠はあり得るか、ひとの一生を越えてこの地上の社会において理想が現実化することをひとはなお捨て去ることを拒むとすればその支えはどこから来るのか、「神」の存在の道徳的生の支えとしての可能性を問うことをこころみる。
到達目標: 「超越性」ということで考えられてきたことについて、そこに含まれてきた「現実の日々の経験的世界」とそれを「超える」、あるいは、それとは「異なる」世界という二分法の問題が何であるかを考えてみる。

視聴ファイル26(50分):「哲学する」とは何であったか、また何でないのか、今までみずからひきうけた問いをふりかえる。
到達目標: 問いについて協働して探究することにどのような意義があるか、考え、みずからの学びの場においてその成果を活かす。
事前学習
これまで問いとして引き受けてきた問いにどのようなつながりがあるか、またこれらの問いを通して問うてきたことがどのような問いの性格をもつものであるか、またそうした問いを引きうけ問い続けることが有効か反省してみる。
事後学習
授業の最終の講評を終えた段階で、改めて、自分自身の自己探求ノートを読み直し、気づいたことを、後から読み直したときに分かるように、追記していく。

14回
事前学習
事後学習

15回
事前学習
事後学習

16回
事前学習
事後学習

17回
事前学習
事後学習

18回
事前学習
事後学習

19回
事前学習
事後学習

20回
事前学習
事後学習

21回
事前学習
事後学習

22回
事前学習
事後学習

23回目
事前学習
事後学習

24回
事前学習
事後学習

25回
事前学習
事後学習

26回
事前学習
事後学習

試験及び成績評価
13回の授業で課題として課される26回の小論課題について、1回の小論課題を10点として、総計260点に対する合計点を100点満点に加算して、成績を評価する。
課題提出に当たっては、授業設定日の授業時間開始時間から、翌週の同じ曜日の前日23:59までを、提出期間とする。なお祭日、休業が入る場合は、次の回まで適宜延長する。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
授業出席確認小論課題については、大学ポータルを通じて講評する。
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
講義資料ファイルで事前配布
参考文献・推薦図書
デカルト『省察』ちくま学芸文庫、1100円
プラトン『ソクラテスの弁明』 光文社 990円
プラトン『パイドン』光文社 1012円 
プラトン『国家』岩波文庫 上下巻 計2840円
アリストテレス『形而上学』岩波文庫 上下巻 計2420円
アリストテレス『ニコマコス倫理学』岩波文庫 上下巻 計2222円
イマヌエル・カント『純粋理性批判』平凡社ライブラリー 上中下巻 計 6512円
G.W.F. ヘーゲル 『精神現象学』ちくま学芸文庫 上下巻 計3740円
ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』 岩波文庫 858円
ウィトゲンシュタイン『哲学探究』大修館 4950円
研究室
オフィスアワー
科目ナンバリング
学位授与方針との関連
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