教員名 : 神谷 貞浩
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授業科目名
細胞生理学
学年
2年
単位数
2.00単位
実務経験の有無
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
神谷 貞浩
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語
授業方法区分
開講キャンパス
東金キャンパス
授業の到達目標及びテーマ
生物をミクロなレベルで理解するために、細胞の機能や活動を支える生体膜や、タンパク質(主に受容体、細胞内情報伝達分子)などの機能・役割について基本的知識を修得する。また同時に、これら細胞の基本的なパーツが組織化された細胞、組織、または臓器の間に構築される、生体中のダイナミックな情報ネットワーク機構を学び、生命活動における恒常性維持の重要性について、物質や細胞レベルで理解する。
【関連する 本学DP】 1(PC2015〜2021)、1(PC2022〜2023) ○ PC2015〜2021 : 薬剤師としての職能を発揮するために必要な知識・技能・態度を総合的に修得し,薬の専門知識を有する医療従事者として相応しい責任感と倫理観をもって,人々の生活を支えることができる。 ○ PC2022〜2023: 薬学について総合的な知識を身に付け,適切に理解して活用することができる。 【関連する SDGs】 3 ○ 人々に保健と福祉を…「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」 授業の概要
① 必修科目
② 科目名(英語名): 細胞生理学(Cellular Physiology) ③ コアカリキュラム: C4 (2)、C6 (1) (3) (6)、薬学アドバンスト教育ガイドライン(例示)C6 ④ 授業形態: 講義 ⑤ 授業の概要: 生命の基本単位である細胞における生体膜の構造と機能について基本的知識を修得し、生体膜/膜タンパク質を介した物質の移動(透過や輸送)について理解する。細胞外情報を細胞内に伝え応答する仕組みについて、受容体・情報伝達物質・セカンドメッセンジャーなどを学ぶことで、巧妙に制御される情報伝達と生命の恒常性の維持に果たす役割を理解する。薬物の作用点となりうる細胞生理学的イベントを理解することで、病態解析学・薬物治療学・薬理学の統合授業の基盤となる生理化学的観点を学ぶ。 毎回の授業で行われる、講義内容のポイントや薬剤師国家試験過去問を含めたミニテストを解くことにより、専門用語を理解し、学習すべき必要最低限のレベルを認識する。また、判明した弱点を復習し、理解を深める。 授業計画
1回
第1回 膜の重要性、膜の構造と構成成分
生命の基本単位である細胞の内部と外部を区画する細胞膜は、物質輸送や情報伝達においてもさまざまな役割を果たす。細胞膜(生体膜)はリン脂質を中心とする脂質分子、膜に埋め込まれたタンパク質から構成され、脂質二重層を形成している。生命活動における生体膜の重要性、また生体膜の構造や構成成分の構造的/機能的特徴を知り、生命活動に果たす役割を説明できる。 ・テキスト:19-22、54-55、365-376、495-498ページ [SBO: C23500] 多彩な機能をもつタンパク質(酵素、受容体、シグナル分子、膜輸送体、運搬・輸送タンパク質、貯蔵タンパク質、構造タンパク質、接着タンパク質、防御タンパク質、調節タンパク質)を列挙し概説できる。 [関連SBO: H08400] 細胞膜の構造と性質について概説できる。(薬学基礎生物より) 事前学習
【事前学習(1.5h)】 事前にテキストの該当箇所を読み、学習の目標を理解するとともに、専門用語などについて調べておくことが望ましい。
事後学習
【事後学習(2.5h)】 授業後にテキストの該当箇所を読み、授業中に出てきたキーワードやポイント、専門用語などについて整理し、復習しておくこと、また、ミニテストを活用し、理解を深めることが望ましい。
2回
第2回 膜の性質と物質移動
脂質二重層を形成する生体膜は、構成分子の水に対する親和性の違いから、特徴的な性質を有する。そのため、生体膜を透過する様式は物質によって大きく異なる。膜の性質と物質透過性の関係を知り、膜を介した物質移動の役割を説明できる。 ・テキスト:365-374、389-393ページ [SBO: H03800] 1. 科学、医療に関連する英語の代表的な用語を列挙し、その内容を説明できる。 [SBO: H04100] 2. 自然科学各分野における基本的単位、数値、現象の英語表現を列記できる。 [SBO: H04200] 3. 科学、医療に関連する英語の代表的な用語、英語表現を列記できる。 [関連SBO: H08400] 細胞膜の構造と性質について概説できる。(薬学基礎生物より) [関連SBO: E25000] 薬物の生体膜透過における単純拡散、促進拡散および能動輸送の特徴を説明できる。(医療薬剤学Iより) 事前学習
【事前学習(1.5h)】 事前にテキストの該当箇所を読み、学習の目標を理解するとともに、専門用語などについて調べておくことが望ましい。
事後学習
【事後学習(2.5h)】 授業後にテキストの該当箇所を読み、授業中に出てきたキーワードやポイント、専門用語などについて整理し、復習しておくこと、また、ミニテストを活用し、理解を深めることが望ましい。
3回
第3回 膜輸送と膜タンパク質
生体膜を「透過」できない物質は、機能的な膜タンパク質により生体膜を「通過」することができる。生体膜の性質と膜輸送を仲介する機能性タンパク質との関係を知り、生体膜を介した物質移動の役割を説明できる。 ・テキスト:392-402ページ [SBO: C24200] 膜輸送体の種類、構造、機能を説明できる。 事前学習
【事前学習(1.5h)】 事前にテキストの該当箇所を読み、学習の目標を理解するとともに、専門用語などについて調べておくことが望ましい。
事後学習
【事後学習(2.5h)】 授業後にテキストの該当箇所を読み、授業中に出てきたキーワードやポイント、専門用語などについて整理し、復習しておくこと、また、ミニテストを活用し、理解を深めることが望ましい。
4回
第4回 膜タンパク質を介した細胞接着
細胞は膜タンパク質を介した細胞間の接着あるいは細胞外のタンパク質への接着により、物質/情報の交換や組織の構築などを行っている。細胞接着に関わる機能性タンパク質を知り、生命活動に果たす役割を説明できる。 ・テキスト:691-708ページ [SBO: C23500] 多彩な機能をもつタンパク質を列挙し概説できる。 [SBO: C27100] 細胞間コミュニケーションにおける情報伝達様式を説明できる。 [SBO: C27700] 細胞間の接着構造、主な細胞接着分子の種類と特徴を説明できる。 [SBO: C27800] 主な細胞外マトリックス分子の種類と特徴を説明できる。 事前学習
【事前学習(1.5h)】 事前にテキストの該当箇所を読み、学習の目標を理解するとともに、専門用語などについて調べておくことが望ましい。
事後学習
【事後学習(2.5h)】 授業後にテキストの該当箇所を読み、授業中に出てきたキーワードやポイント、専門用語などについて整理し、復習しておくこと、また、ミニテストを活用し、理解を深めることが望ましい。
5回
第5回 膜動輸送 〜分泌と取込み〜
細胞内で生合成されたペプチドホルモンは、分泌小胞を介して細胞外へと分泌される。一方、細胞膜受容体に結合したリポタンパク質は、受容体もろとも膜に包まれた小胞として細胞内へ取込まれる。この膜動輸送の起こる事象とその機構、さらには生命活動に果たす役割について説明できる。 ・テキスト:495-528ページ [SBO: C22300] エンドサイトーシスとエキソサイトーシスについて説明できる。 [SBO: C23600] タンパク質の翻訳後の成熟過程(細胞小器官間の輸送や翻訳後修飾)について説明できる。 [SBO: C23700] タンパク質の細胞内での分解について説明できる。 事前学習
【事前学習(1.5h)】 事前にテキストの該当箇所を読み、学習の目標を理解するとともに、専門用語などについて調べておくことが望ましい。
事後学習
【事後学習(2.5h)】 授業後にテキストの該当箇所を読み、授業中に出てきたキーワードやポイント、専門用語などについて整理し、復習しておくこと、また、ミニテストを活用し、理解を深めることが望ましい。
6回
第6回 理解度確認演習(1)
演習:第1回〜第5回の講義内容に関する理解度を測定する演習、および解説 【授業形態】演習、解説 [SBOsについては、第1回〜第5回授業のSBOを参照してください] 事前学習
【事前学習(3h)】 第1回-第5回の授業内容に関するテキストの該当箇所を読み、配布資料(プリント、ミニテスト)等を活用して復習しておくことが望ましい。
事後学習
【事後学習(1h)】 理解度確認演習で判明した弱点(解答が不明であった点、解答に自信がない点 など)を、テキストや配布資料等を用いて復習・補習し、理解を深める。
7回目
第7回 情報伝達概説
多細胞生物は、細胞間の情報伝達を行い、複数の細胞レベルで適切に応答することにより、個体の恒常性を維持している。恒常性維持のために必要な生体内情報伝達について、概説できる。 ・テキスト:533-542ページ [SBO: C27100] 細胞間コミュニケーションにおける情報伝達様式を説明できる。 事前学習
【事前学習(1.5h)】 事前にテキストの該当箇所を読み、学習の目標を理解するとともに、専門用語などについて調べておくことが望ましい。
事後学習
【事後学習(2.5h)】 授業後にテキストの該当箇所を読み、授業中に出てきたキーワードやポイント、専門用語などについて整理し、復習しておくこと、また、ミニテストを活用し、理解を深めることが望ましい。
8回
第8回 受容体の構造と機能
細胞には、細胞外情報を見分けるために受容体という装置が存在する。受容体の構造と機能について知り、情報伝達方法の違いを分類することで、受容体が生体内情報伝達に果たす役割を説明できる。 ・テキスト:403-409、418-419、543-545ページ [SBO: C27200] 細胞膜チャネル内蔵型受容体を介する細胞内情報伝達について説明できる。 [SBO: C27300] 細胞膜受容体からG タンパク系を介する細胞内情報伝達について説明できる。 [SBO: C27400] 細胞膜受容体タンパク質などのリン酸化を介する細胞内情報伝達について説明できる。 事前学習
【事前学習(1.5h)】 事前にテキストの該当箇所を読み、学習の目標を理解するとともに、専門用語などについて調べておくことが望ましい。
事後学習
【事後学習(2.5h)】 授業後にテキストの該当箇所を読み、授業中に出てきたキーワードやポイント、専門用語などについて整理し、復習しておくこと、また、ミニテストを活用し、理解を深めることが望ましい。
9回
第9回 Gタンパク質共役型受容体、セカンドメッセンジャー
細胞間情報伝達物質を細胞膜で受け止める機構の一つに、Gタンパク質共役型受容体が存在する。細胞外情報を細胞内情報に変換する機構や、細胞内情報伝達を行う反応様式など、Gタンパク質を介した情報伝達ついて説明できる。また、細胞内情報伝達を実行するために、さまざまな情報変換反応が存在する。細胞内で情報を伝える低分子物質であるセカンドメッセンジャーについて分類し、情報伝達に果たす役割について説明できる。 ・テキスト:545-557ページ [SBO: C27300] 細胞膜受容体からG タンパク系を介する細胞内情報伝達について説明できる。 [SBO: C27500] 細胞内情報伝達におけるセカンドメッセンジャーについて説明できる。 [SBO: J15801] リン脂質の生合成および代謝経路を細胞内情報伝達系との関連性から概説できる。 [SBO: C16900] リン化合物(リン酸誘導体など)および硫黄化合物(チオール、ジスルフィド、チオエステルなど)の構造と化学的性質を説明できる。 [SBO: C17000] リン化合物(リン酸誘導体など)および硫黄化合物(チオール、ジスルフィド、チオエステルなど)の生体内での機能を化学的性質に基づき説明できる。 事前学習
【事前学習(1.5h)】 事前にテキストの該当箇所を読み、学習の目標を理解するとともに、専門用語などについて調べておくことが望ましい。
事後学習
【事後学習(2.5h)】 授業後にテキストの該当箇所を読み、授業中に出てきたキーワードやポイント、専門用語などについて整理し、復習しておくこと、また、ミニテストを活用し、理解を深めることが望ましい。
10回
第10回 キナーゼ関連型受容体
細胞内情報伝達を実行するために、さまざまな情報変換反応が存在する。細胞内で情報を伝えるタンパク質リン酸化カスケードについて知り、情報伝達に果たす役割について説明できる。 ・テキスト:557-569ページ [SBO: C27400] 細胞膜受容体タンパク質などのリン酸化を介する細胞内情報伝達について説明できる。 [SBO: C16900] リン化合物(リン酸誘導体など)および硫黄化合物(チオール、ジスルフィド、チオエステルなど)の構造と化学的性質を説明できる。 [SBO: C17000] リン化合物(リン酸誘導体など)および硫黄化合物(チオール、ジスルフィド、チオエステルなど)の生体内での機能を化学的性質に基づき説明できる。 事前学習
【事前学習(1.5h)】 事前にテキストの該当箇所を読み、学習の目標を理解するとともに、専門用語などについて調べておくことが望ましい。
事後学習
【事後学習(2.5h)】 授業後にテキストの該当箇所を読み、授業中に出てきたキーワードやポイント、専門用語などについて整理し、復習しておくこと、また、ミニテストを活用し、理解を深めることが望ましい。
11回
第11回 膜電位
イオンチャネルの働きによりイオンの流出入を引き起こすと、生体膜上の電位の変化をもたらす。膜を介した電位性変化が細胞内情報伝達に果たす役割について説明できる。 ・テキスト:403-422ページ [SBO: C27200] 細胞膜チャネル内蔵型受容体を介する細胞内情報伝達について説明できる。 事前学習
【事前学習(1.5h)】 事前にテキストの該当箇所を読み、学習の目標を理解するとともに、専門用語などについて調べておくことが望ましい。
事後学習
【事後学習(2.5h)】 授業後にテキストの該当箇所を読み、授業中に出てきたキーワードやポイント、専門用語などについて整理し、復習しておくこと、また、ミニテストを活用し、理解を深めることが望ましい。
12回
第12回 核内受容体
脂溶性の高い細胞外情報伝達物質は、生体膜を容易に透過し、直接核内に存在する受容体に働きかけ、遺伝子発現を介した情報変換反応を引き起こすものがある。核内受容体の構造と機能について知り、情報伝達に果たす役割を説明できる。 ・テキスト:279-282、500-506、537-538、565-567ページ [SBO: C27600] 細胞内(核内)受容体を介する細胞内情報伝達について説明できる。 事前学習
【事前学習(1.5h)】 事前にテキストの該当箇所を読み、学習の目標を理解するとともに、専門用語などについて調べておくことが望ましい。
事後学習
【事後学習(2.5h)】 授業後にテキストの該当箇所を読み、授業中に出てきたキーワードやポイント、専門用語などについて整理し、復習しておくこと、また、ミニテストを活用し、理解を深めることが望ましい。
13回
第13回 理解度確認演習(2)
演習:第7回〜第12回の講義内容に関する理解度を測定する演習、および解説 【授業形態】演習、解説 [SBOsについては、第7回〜第12回授業のSBOを参照してください] 事前学習
【事前学習(3h)】 第7回-第12回の授業内容に関するテキストの該当箇所を読み、配布資料(プリント、ミニテスト)等を活用して復習しておくことが望ましい。
事後学習
【事後学習(1h)】 理解度確認演習で判明した弱点(解答が不明であった点、解答に自信がない点 など)を、テキストや配布資料等を用いて復習・補習し、理解を深める。
14回
事前学習
事後学習
15回
事前学習
事後学習
16回
事前学習
事後学習
17回
事前学習
事後学習
18回
事前学習
事後学習
19回
事前学習
事後学習
20回
事前学習
事後学習
21回
事前学習
事後学習
22回
事前学習
事後学習
23回目
事前学習
事後学習
24回
事前学習
事後学習
25回
事前学習
事後学習
26回
事前学習
事後学習
試験及び成績評価
● 2回の理解度確認演習 (概ね30%)、定期末試験 (概ね70%) の結果を用いて評価する。
なお、正当な理由により定期末試験本試験を受験できない場合、追試験を行う(追試験は再試験と同じ日時に実施する)。 ● 定期末試験までの総合評価で合格基準を超えなかった学生には、再試験(筆記試験 100%)を行う。 課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
● 2回の理解度確認演習の後、当該授業内でポイント説明や解説講義を行います。
● 試験終了後、ポイントや解説等を JIU Portal等へ掲示する予定です。 講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
Essential 細胞生物学第5版
ブルース・アルバーツほか著 中村桂子・松原謙一 監訳
南江堂
978-4-524-22682-5
2021年出版/8,000円+税
参考文献・推薦図書
「トートラ人体の構造と機能 第5版」 ジェラルド・J・トートラほか著 桑木共之ほか共訳 (丸善/2019年出版/10,000円+税) ISBN: 978-4-621-30356-6.
「イラストレイテッド ハーパー・生化学 原書30版」R. K. Murray ほか著 清水孝雄 監訳 (丸善/2016年出版 /7,900円+税) ISBN: 978-4-621-30097-8 「基礎から学ぶ生物学・細胞生物学 第4版」 和田 勝 (羊土社/2020年出版/3200円+税) ISBN: 978-4-7581-2108-8 「絵ときシグナル伝達入門」 服部成介著 (羊土社/2010年出版/3,2000円+税) ISBN: 978-4-7581-2012-8 「細胞生物学」 堅田利明 編集 (廣川書店/2007年出版/4,000円+税) ISBN: 978-4-567-44101-8 「分子生物学講義中継Part2」 井出利憲著 (羊土社/2003年出版/3,700円+税) ISBN: 978-4-89706-876-3 研究室
分子細胞生物学研究室(K棟5階K501)
オフィスアワー
○授業についての質問については、下記のオフィスアワーを活用してください。
神谷:木曜・金曜の3限(神谷:K501)(予めメールにてご連絡をいただけると助かります) kamiyas@jiu.ac.jp 科目ナンバリング
学位授与方針との関連
関連ページ
https://www.jiu.ac.jp/visitors/students/detail/id=1001
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