シラバス情報

授業科目名
薬理学序論
学年
2年
単位数
2.00単位
実務経験の有無
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
堀江 俊治
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語
授業方法区分
開講キャンパス
東金キャンパス
授業の到達目標及びテーマ
薬剤師は患者情報に応じた薬の選択、用法・用量の設定および医薬品情報・安全性や治療ガイドラインを考慮した適正な薬物治療に参画することが求められている。現行のカリキュラムでは、薬理学と薬物治療学とを並行して履修することで、医薬品を薬効に基づいて適正に使用するために必要な薬理学的・薬物治療学的基本的事項を修得する。
薬理学は「薬物によって引き起こされる作用とそのメカニズム」を体系化した学問で、生体の維持に関わる情報ネットワークを担う代表的な情報伝達物質の種類(神経伝達物質、ホルモン、オータコイド)、作用発現機構に関する基本的事項を修得する。人体の生体における情報伝達系の生理学を理解した後、代表的な薬物の薬理作用とその作用機序に関する基本を学でいく。薬理学序論、2年後期の薬理学I・A、3年春期の薬理学II・B、3年秋期の薬理学III・Cを順次性をもって繰り返し履修していくことによって、薬の効くプロセスを修得していく。最終的には、疾病に伴う症状などの患者情報を解析し、最適な治療を実施するために必要な基本的事項を修得する。

【関連するDP】1 (PC2022-2023), 1 (PC2015-2021)
【関連するSDGs】3
キーワード:薬理作用と作用機序、末梢神経作用薬、オータコイド系作用薬、内分泌系作用薬
授業の概要
①必須科目
②科目名(英語名):Introduction to Pharmacology
③2015改定コアカリキュラムC7(2)、E1(1)(4)、E2(1)(2)(9)、薬学準備教育ガイドライン(3)、薬学アドバンスト教育ガイドライン(C7)
 2022改定コアカリキュラムC7(2)、E1(1)(4)、E2(1)(2)(9)、薬学準備教育ガイドライン(3)、薬学アドバンスト教育ガイドライン(C7)
④授業形態:講義
⑤授業の概要:薬理学序論では、情報ネットワークを担う代表的な神経伝達物質とオータコイドの作用発現機構を理解し、神経系・筋・炎症・アレルギーに作用する医薬品の薬理に関する基本的知識を修得して、治療に必要な情報収集・解析および医薬品の適正使用を実施する視点を持つ。
授業は、教科書とプリントを使った講義と演習で実施する。第1〜8回目までを前半(総論と自律神経系薬理)、第9〜15回目までを後半(アレルギーと炎症の薬理)として、前半の内容の修得度の確認は臨時試験(中間試験)で、後半の修得度の確認は定期試験(期末試験)で行う。また、全範囲の薬物・作用点・適用・副作用の確認を定期試験(期末試験)で行う。
薬理学序論を履修することで末梢神経系に作用する薬物について、関連する作用点、作用機序、臨床応用、副作用などについて修得できる。さらに、薬物が作用する基礎理論と臨床応用との関連性について理解していく。薬が体の中でどのようにして効いていくかを楽しんで学んでほしい。

授業計画
1回
第1回ガイダンス、薬理学総論
・薬の用量と作用の関係を説明できる。(E00100)
・アゴニスト(作用薬、作動薬、刺激薬)とアンタゴニスト(拮抗薬、遮断薬)について説明できる。(E00200)
・薬物が作用するしくみについて、受容体、酵素、イオンチャネルおよびトランスポーターを例に挙げて説明できる。(E00300)
・代表的な受容体を列挙し、刺激あるいは遮断された場合の生理反応を説明できる。(E00400)
・薬物の作用発現に関連する代表的な細胞内情報伝達系を列挙し、活性化あるいは抑制された場合の生理反応を説明できる。(E00500)
・薬物の主作用と副作用、毒性との関連について説明できる。(E02500)
・薬物の副作用と有害事象の違いについて説明できる。(E02600)
【学習方法】 講義・演習
事前学習
[事前学習:2 h] 配布したテキストの該当箇所を読んでおくこと。
事後学習
[事後学習:2 h] 演習プリントの問題を自宅学習して、医薬品の薬理作用と機序を整理し習得すること。

2回
第2回神経系による情報伝達
・神経細胞の興奮と伝導、シナプス伝達の調節機構について説明できる。(C30900)
・代表的な神経伝達物質を挙げ、生理活性および作用機構について概説できる。(31000)
・神経系、感覚器を介するホメオスタシスの調節機構の代表例を列挙し、概説できる。(C31100)
・代表的な神経伝達物質の生合成経路、分泌調節機構、および分解経路を概説できる。(J16501*)
・神経伝達物質が作用する器官機能を修飾する代表的な薬物を挙げ、薬理作用、機序、主な副作用を説明できる。(E00501*)
・交感神経系と副交感神経系による器官の拮抗的二重支配を説明できる。(E02901*)
【学習方法】 講義・演習
事前学習
[事前学習:2 h] 配布したテキストの該当箇所を読んでおくこと。
事後学習
[事後学習:2 h] 演習プリントの問題を自宅学習して、医薬品の薬理作用と機序を整理し習得すること。

3回
第3回交感神経系に作用する薬(交感神経興奮薬)
・交感神経系に作用し、その支配器官の機能を修飾する代表的な薬物を挙げ、薬理作用、機序、主な副作用を説明できる。(E02900)
【学習方法】 講義・演習
事前学習
[事前学習:2 h] 配布したテキストの該当箇所を読んでおくこと。
事後学習
[事後学習:2 h] 演習プリントの問題を自宅学習して、医薬品の薬理作用と機序を整理し習得すること。

4回
第4回交感神経系に作用する薬(交感神経遮断薬)
・交感神経系に作用し、その支配器官の機能を修飾する代表的な薬物を挙げ、薬理作用、機序、主な副作用を説明できる。(E02900)
【学習方法】 講義・演習
事前学習
[事前学習:2 h] 配布したテキストの該当箇所を読んでおくこと。
事後学習
[事後学習:2 h] 演習プリントの問題を自宅学習して、医薬品の薬理作用と機序を整理し習得すること。

5回
第5回副交感神経系に作用する薬(副交感神経興奮薬、副交感神経遮断薬)
・副交感神経系に作用し、その支配器官の機能を修飾する代表的な薬物を挙げ、薬理作用、機序、主な副作用を説明できる。(E03000)
【学習方法】 講義・演習
事前学習
[事前学習:2 h] 配布したテキストの該当箇所を読んでおくこと。
事後学習
[事後学習:2 h] 演習プリントの問題を自宅学習して、医薬品の薬理作用と機序を整理し習得すること。

6回
第6回自律神経節に作用する薬
・血圧の調節機構における自律神経系の役割を説明できる。
・アドレナリン作動性受容体遮断薬と抗コリン薬の血圧に対する作用を理解できる。
・神経伝達物質が作用する器官機能を修飾する代表的な薬物を挙げ、薬理作用、機序、主な副作用を説明できる。(E00501*)
・神経節に作用する代表的な薬物を挙げ、薬理作用、機序、主な副作用を説明できる。(E03100)
【学習方法】 講義・演習
事前学習
[事前学習:2 h] 配布したテキストの該当箇所を読んでおくこと。
事後学習
[事後学習:2 h] 演習プリントの問題を自宅学習して、医薬品の薬理作用と機序を整理し習得すること。

7回目
第7回眼薬理
・瞳孔平滑筋に作用する代表的な薬物(特に自律神経に作用する薬物)を挙げ、薬理作用、機序、主な副作用を説明できる。
・緑内障について、治療薬の薬理(特に自律神経に作用する薬物)(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
・白内障について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
・神経伝達物質が作用する器官機能を修飾する代表的な薬物を挙げ、薬理作用、機序、主な副作用を説明できる。(E00501*)
【学習方法】 講義・演習
事前学習
[事前学習:2 h] 配布したテキストの該当箇所を読んでおくこと。
事後学習
[事後学習:2 h] 演習プリントの問題を自宅学習して、医薬品の薬理作用と機序を整理し習得すること。

8回
第8回知覚神経系に作用する薬、運動神経系に作用する薬、
・知覚神経の活動電位とイオンの流れの関係を説明できる。(E03301*)
・知覚神経に作用する代表的な薬物(局所麻酔薬など)を挙げ、薬理作用、機序、主な副作用を説明できる。(E03300)
・神経による筋収縮の調節機構について説明できる。(C31200)
・運動神経系に作用する代表的な薬物を挙げ、薬理作用、機序、主な副作用を説明できる。(E03400)
【学習方法】 講義・演習
事前学習
[事前学習:2 h] 配布したテキストの該当箇所を読んでおくこと。
事後学習
[事後学習:2 h] 演習プリントの問題を自宅学習して、医薬品の薬理作用と機序を整理し習得すること。

9回
第9回目オータコイド総論、ヒスタミンおよびロイコトリエンによる生体の機能調節および関連薬物
・代表的なオータコイドを挙げ、生理活性および作用機構について概説できる。(C31400)
・代表的なオータコイドの生合成経路、および分泌調節機構を概説できる。(J16401*)
・オータコイド系が作用する器官機能を修飾する代表的な薬物を挙げ、薬理作用、機序、主な副作用を説明できる。(C31401*)
【学習方法】 講義・演習

◎臨時試験(中間試験のこと)
・試験範囲:第1回目〜第7回目までの講義内容を演習問題(選択問題)で復習
・自律神経系に作用する薬物の作用と作用機序基本事項について問題演習を行い、理解度をチェックし、できなかったところの知識を深める。
【学習方法】 演習
事前学習
[事前学習:2 h] 配布したテキストの該当箇所を読んでおくこと。
事後学習
[事後学習:2 h] 演習プリントの問題を自宅学習して、医薬品の薬理作用と機序を整理し習得すること。

10回
第10回アレルギーとアレルギー治療薬
・アレルギー治療薬(抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬等)の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)および臨床適用を説明できる。(E05500)
・以下のアレルギー疾患について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、接触性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、消化管アレルギー、気管支喘息(重複)(E05700)
・アナフィラキシーショックについて、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。(E05900)
・かゆみ、アレルギーに用いられる要指導医薬品・一般用医薬品等に含まれる成分・作用・副作用を列挙できる。(E17701*)
【学習方法】 講義・演習
事前学習
[事前学習:2 h] 配布したテキストの該当箇所を読んでおくこと。
事後学習
[事後学習:2 h] 演習プリントの問題を自宅学習して、医薬品の薬理作用と機序を整理し習得すること。

11回
第11回プロスタグランジンによる生体の機能調節および関連薬物
・代表的なオータコイドを挙げ、生理活性および作用機構について概説できる。(C31400)
・代表的なオータコイドの生合成経路、および分泌調節機構を概説できる。(J16401*)
・オータコイド系が作用する器官機能を修飾する代表的な薬物を挙げ、薬理作用、機序、主な副作用を説明できる。(C31401*)
・発熱、痛みに用いられる要指導医薬品・一般用医薬品等に含まれる成分・作用・副作用を列挙できる。(E17703*)
【学習方法】 講義・演習
事前学習
[事前学習:2 h] 配布したテキストの該当箇所を読んでおくこと。
事後学習
[事後学習:2 h] 演習プリントの問題を自宅学習して、医薬品の薬理作用と機序を整理し習得すること。

12回
第12回炎症と抗炎症薬
・抗炎症薬(非ステロイド性)および解熱性鎮痛薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)および臨床適用を説明できる。(E05200)
・抗炎症薬の作用機序に基づいて炎症について説明できる。(E05300)
・創傷治癒の過程について説明できる。(E05400)
・発熱、痛みに用いられる要指導医薬品・一般用医薬品等に含まれる成分・作用・副作用を列挙できる。(E17703)
【学習方法】 講義・演習
事前学習
[事前学習:2 h] 配布したテキストの該当箇所を読んでおくこと。
事後学習
[事後学習:2 h] 演習プリントの問題を自宅学習して、医薬品の薬理作用と機序を整理し習得すること。

13回
第13回炎症と抗炎症薬
・代表的なホルモン(鉱質コルチコイド・糖質コルチコイド)を挙げ、その産生器官、生理活性および作用機構について概説できる。(E11001) 薬理ⅠSBO
・抗炎症薬(ステロイド性)の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)および臨床適用を説明できる。(E05200)
・抗炎症薬の作用機序に基づいて炎症について説明できる。(E05300)
・硬質・糖質コルチコイドが作用する器官機能を修飾する代表的な薬物を挙げ、薬理作用、機序、主な副作用を説明できる。(E11001*)薬理学ⅠSBOsの先取り
【学習方法】 講義・演習

全体をカバーするSBOs
・科学、医療に関連する英語の代表的な用語を列挙し、その内容を説明できる。(E03800)
・自然科学各分野における基本的単位、数値、現象の英語表現を列記できる。(E04100)
・科学、医療に関連する英語の代表的な用語、英語表現を列記できる。(E04200)
事前学習
[事前学習:2 h] 配布したテキストの該当箇所を読んでおくこと。
事後学習
[事後学習:2 h] 演習プリントの問題を自宅学習して、医薬品の薬理作用と機序を整理し習得すること。

14回
事前学習
事後学習

15回
事前学習
事後学習

16回
事前学習
事後学習

17回
事前学習
事後学習

18回
事前学習
事後学習

19回
事前学習
事後学習

20回
事前学習
事後学習

21回
事前学習
事後学習

22回
事前学習
事後学習

23回目
事前学習
事後学習

24回
事前学習
事後学習

25回
事前学習
事後学習

26回
事前学習
事後学習

試験及び成績評価
試験
①臨時試験(中間試験のこと)
・試験範囲:第1回目〜第8回目までの講義内容を選択問題(マークシート解答)として問う(配点25%)。
・自律神経系に作用する薬物の作用と作用機序基本事項について問題演習を行い、理解度をチェックし、できなかったところの知識を深める。
・今回取り上げた薬物のうち代表的なものについて基本化学構造を理解する。
②定期試験(期末試験のこと)
・試験範囲:第9回目〜第13回目までの講義内容を選択問題(マークシート解答)として問う(配点25%)。同範囲の薬物・作用点・適用・副作用を穴埋め記述問題(配点25%)として問う。中間試験の問題として取り上げた内容ももう一度穴埋め記述問題として問う(配点25%)。
・自律神経系薬理、アレルギー・炎症に作用する薬物の講義内容に関する問題演習を行い、理解度をチェックし、できなかったところの知識を深める。
・今回取り上げた薬物のうち代表的なものについて基本化学構造を理解する。
③追再試験
・試験範囲:第1回目〜第13回目までの講義内容の薬物・作用点・適用・副作用を穴埋め記述問題として問う(配点100%)。

成績評価
・臨時試験(中間試験、マークシート問題)と定期試験(期末試験、マークシート問題および穴埋め記述問題)によって総合的に評価する。
・臨時試験(指示した前半の範囲のマークシート問題:25%)、定期試験(指示した後半の範囲のマークシート問題:25%、全範囲の穴埋め記述問題:50%)。
・授業の出席に関しては、理由がない限り全出席を原則とする。出欠状況、授業態度(口頭試問を含む)に関して著しく悪い場合に減点処置を行う。
・臨時試験と定期試験の総合点が合格基準を満たさなかった学生には、追再試験を行い、その結果を成績評価の対象とする。範囲は薬理学序論全範囲で、試験様式は穴埋め記述問題のみ、配分100%とする。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
・中間試験及び期末試験、追再試験の終了後、試験問題に関する疑義・質問に対して回答をする。最終的な模範解答および解答が得るまでの解説、まちがいやすいポイントをファイルで配信することで、フィードバックする。
・適宜、授業中やチュートリアルとして、問題演習を行い、薬の効くプロセスに関する理解度をチェックし、その場でできなかった項目の疑問点について解説し、薬理学的知識を深める。
・追再試験対策演習として、追再試験までの勉強の仕方(成績向上プラン)の配布とチュートリアル補習を予定している。(試験日程によってチュートリアル補習が実施できなかった場合は追再試験対策用教材を配布する。)

講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
疾患薬理学 改訂版
成田年 監修
ネオメディカル
-
2020年発刊/6800円
参考文献・推薦図書
・適宜、講義資料と演習問題はユニバーサルパスポートで配信する。

参考書
『薬名[語源]事典』 阿部和穂著 (武蔵野大学出版会/2020年/7480円)
『NEW薬理学』 改訂7版 田中 千賀子ほか編 (南江堂/2017年/9680円)
『パートナー 薬理学 改訂3版』 重信弘毅、石井邦雄 編 (南江堂/2019年/7150円)
『図解表説 薬理学・薬物治療学 第4版』 菱沼滋 著 (ティ・エム・エス/2014年/7040円)
『詳解 薬理学』  香月博志ほか編  (廣川書店/2017年/7000円)
研究室
堀江俊治居室:K棟5階K508 薬理学研究室
オフィスアワー
金2,3,5限(K508) 連絡先 shorie@jiu.ac.jp
科目ナンバリング
学位授与方針との関連
関連ページ
https://www.jiu.ac.jp/visitors/students/detail/id=1001