シラバス情報

授業科目名
生理化学A
学年
1年
単位数
2.00単位
実務経験の有無
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
渋谷 明日香、額賀 路嘉
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語
授業方法区分
開講キャンパス
東金キャンパス
授業の到達目標及びテーマ
基礎生物学の内容をふまえて、生理化学Iでは、タンパク質と酵素の基本的知識を学んだ後、生体内でのエネルギー生産ということをテーマに講義を行う。糖質や脂質を材料にどのようにATPを作っていくのか、代謝の過程を学ぶ。本授業終了時には、理由をつけながら、グルコースやパルミチン酸といった分子からATPが合成されていく過程を説明することができるようなることを期待する。エネルギー代謝の全体像を把握し、ATPの合成するメカニズムを理解する。
【関連するDP】2,3(PC2024)、2,3(PC2022-2023)1(PC2015-2021)
【関連するSDGs】3
授業の概要
① 必修科目
② 生理化学A(Physiological Chemistry A)
③ 2024改訂コアカリキュラム C-1, C-6
    2022改訂コアカリキュラム C4(2)、C6(1)(2)(3)(5)、D1(3)、薬学準備教育ガイドライン(3)
    2015改訂コアカリキュラム C4(2)、C6(1)(2)(3)(5)、薬学準備教育ガイドライン(3)
④ 授業形態(講義)
⑤ (授業の概要)アミノ酸とタンパク質、酵素、糖質と脂質の化学的な構造、特徴を学んだ後、それぞれの代謝経路について学習する。受講学生は必ず授業に出席すること、他の授業と重なる場合は、連絡の上、掲示された課題に取り組むこと。これが確認出来ない場合は、授業に参加していないとみなします。
その他
生理化学Aには以下のSBOがわりふられており、授業全体で取り組みます。
[SBO:H03800]科学、医療に関連する英語の代表的な用語を列挙し、その内容を説明できる。
[SBO:H04100]自然科学各分野における基本的単位、数値、現象の英語表現を列記できる。
[SBO:H04200]科学、医療に関連する英語の代表的な用語、英語表現を列記できる。

授業計画
1回
第1回:イントロダクション・基礎生物学の復習(西口)
基礎生物学で学んだ内容のうち、生理化学Iに関連する、細胞小器管と糖質の構造について復習する。
[講義形式]対面型授業
[事前学習:2h]教科書の序章と1章を読んでくる。
[事後学習:2h]課題を解いて提出。
[SBO:C22400]細胞小器官(核、ミトコンドリア、小胞体、リソソーム、ゴルジ体、ペルオキシソームなど)やリボソームの構造と機能を説明できる。
[SBO:C22500]細胞骨格の構造と機能を説明できる。
事前学習
教科書を準備をし、目次を見て、どのような項目があるのか確認する。
薬学基礎生物学で学んだ内容が含まれているので特に注目しておく。1回目の授業では0章と1章の講義を行うので読んでおく。
事後学習
ノートなどの整理を行った上で、課題の演習問題を解く。
課題を出します。小問が10から20題程度出題されているので、初めは何も見ずに解いてみる。
その後、8割以上、できれば満点を目指して繰り返し解いてみる。期末試験に類問が出題されてそれがかなりのウエイトを占める予定です。

2回
第2回:アミノ酸の構造と性質(渋谷)
タンパク質はアミノ酸から構成されていることを説明できる。
アミノ酸を構造式を書きながらその特徴を説明できるようになる。
両性電解質としてのアミノ酸の性質を理解する。pKaの値からアミノ酸の等電点が計算できるようになる。
[講義形式]対面型授業
[事前学習:2h]教科書の2章のアミノ酸の構造の部分を読んでくる。
[事後学習:2h]課題を解いて提出。
[SBO:C22900] アミノ酸を列挙し、その構造に基づいて性質を説明できる。
事前学習
既にこれまでに6種類程度のアミノ酸について構造と1文字、3文字の略号を理解しているはずである。
各自これを確認しておく。
事後学習
ノートなどの整理を行った上で、課題の演習問題を解く。

3回
第3回:ペプチドとタンパク質の構造と性質(渋谷)
アミノ酸が結合してできるペプチドの性質、特にペプチド結合の性質を説明できるようになる。
生体には様々な種類のタンパク質が存在する。それらタンパク質の分類と代表的タンパク質の機能について学習する。
タンパク質の機能はその一次構造、高次構造および構造と相関関係が有ることを理解し、タンパク質がどのような仕組みで高次構造を取得するか説明できる様になる。
[講義形式]対面型授業
[事前学習:2h]教科書の2章のタンパク質の高次構造の部分を読んでくる。
[事後学習:2h]課題を解いて提出。
[SBO:C23000]タンパク質の構造(一次、二次、三次、四次構造)と性質を説明できる。
事前学習
基礎生物学のタンパク質のところを復習しておく。
事後学習
ノートなどの整理を行った上で、課題の演習問題を解く。

4回
第4回:酵素の性質(1)(渋谷)
酵素により触媒される反応は6種類に分類されるがその分類と反応の特徴について、説明できる様になる。
酵素の作用に影響する物質のうち補酵素とビタミン、無機イオンについてその働きを説明できる様になる。
酵素が触媒する反応について、活性の測定法、反応速度論、酵素反応の阻害について説明できるようになる。
ミカエリスメンテン式を中心とした反応速度論について説明できるようになる。
[講義形式]対面型授業
[事前学習:2h]教科書の3章酵素を一通り読んでくる。
[事後学習:2h]課題を解いて提出。
[SBO:C23900]酵素反応における補酵素、微量金属の役割を説明できる。
[SBO:C23800]酵素反応の特性と反応速度論を説明できる。
事前学習
新規の項目なので教科書の3章の導入部分を読んでおくこと。
事後学習
ノートなどの整理を行った上で、課題の演習問題を解く。

5回
第5回:酵素の性質(2)(渋谷)
阻害反応の特徴について学習する。特に拮抗阻害に関しては反応のイメージとミカエリスメンテン式から導かれるラインウェーバーバークプロットとの関連を説明できるようになる。酵素の性質のうち、アロステリック酵素、プロエンザイム、アイソザイムおよび酵素のリン酸化・脱リン酸化による活性調節について説明できる様になる。
[講義形式]対面型授業
[事前学習:2h]第4回の復習の中で、ミカエリスメンテン式とそのグラフを何も見ずに描けるようにしておくこと。
[事後学習:2h]課題を解いて提出。
[SBO:C24000]代表的な酵素活性調節機構を説明できる。
事前学習
ミカエリスメンテン式がわからないことには次回の授業の理解が進みません。
復習しておくこと。
事後学習
ノートなどの整理を行った上で、課題の演習問題を解く。

6回
第6回:糖質の構造(1)(額賀)
基礎生物学で学んだ糖質の構造をふまえて、さらに多くの糖質の構造を性質を理解する。
炭素数による分類、アノマー、エピマー、アルドース、ケトースなど単糖類の性質に基づいた分類について理解する。
[講義形式]対面型授業
[事前学習:2h]春学期基礎生物学で学習したグルコースとフルクトースを何も見ずに描けるようにしておくこと。
[事後学習:2h]課題を解いて提出。
[SBO:C22700]代表的な単糖、二糖の種類、構造、性質、役割を説明できる。
事前学習
グルコースとフルクトースの構造が描けることが大前提で授業を行う。
基礎生物の復習をしておくこと。
事後学習
ノートなどの整理を行った上で、課題の演習問題を解く。

7回目
第7回:糖質の構造(2)(額賀)
単糖類が結合してできる二糖類、多糖類について理解を深める。
[講義形式]対面型授業
[事前学習:2h]主な単糖類の構造を描けるように練習しておく。
[事後学習:2h]課題を解いて提出。
[SBO:C22800]代表的な多糖の種類、構造、性質、役割を説明できる。
事前学習
マルトース、デンプン(アミロースとアミロペクチン)の構造のイメージができるよう、薬学基礎生物学の復習をしておく。
事後学習
ノートなどの整理を行った上で、課題の演習問題を解く。

8回
第8回:糖質代謝(1)(額賀)
エネルギー代謝の全体像、つまり、炭水化物、タンパク質、脂質からのエネルギーをつくる方法を確認した後、
グルコースからエネルギーをつくる代謝系について理解する。この授業では主に嫌気的条件下で行われる
解糖系(解糖系は嫌気、好気関係なく働く)と嫌気呼吸について学ぶ。
[講義形式]対面型授業
[事前学習:2h]教科書の4章の解糖系の部分を読んでくる。
[事後学習:2h]課題を解いて提出。
[SBO:C25900]解糖系及び乳酸の生成について説明できる。
事前学習
解糖系、還元型補酵素について薬学基礎生物学の復習をしておく。
事後学習
ノートなどの整理を行った上で、課題の演習問題を解く。

9回
第9回:糖質代謝 (2)(額賀)
解糖系で生成したピルビン酸がその後どうなるかについて学習する。解糖系、クエン酸回路と電子伝達系の関係を説明できるようになる。
基礎生物学でも学んだ解糖系について学習する。合わせて嫌気的呼吸とは化学的にはどのような重要性があるのかも説明できるようになる。
[講義形式]対面型授業
[事前学習:2h]教科書の4章のピルビン酸でヒドロゲナーゼ及びクエン酸回路の部分を読んでくる。
[事後学習:2h]課題を解いて提出。
[SBO:C26000]クエン酸回路(TCA サイクル)について説明できる。
事前学習
クエン酸回路と嫌気呼吸について薬学基礎生物学の復習を行っておく。
事後学習
ノートなどの整理を行った上で、課題の演習問題を解く。

10回
第10回 生体酸化とエネルギー生産 (1):生体内でのエネルギーと酸化的リン酸化(額賀)
生体内でエネルギーを運搬する化合物について学習する。 ATP,
NADHやFADH2が高エネルギー化合物であることを、化学構造をもとに説明できるようになる。
ATP合成の中心である電子伝達系(酸化的リン酸化)について学ぶ。また、その阻害剤はATP産生阻害物質を列挙し、その阻害機構を説明できる。
[講義形式]対面型授業
[事前学習:2h]酸化的リン酸化のしくみについて春学期の授業を復習。第6章を読む。
[事後学習:2h]課題を解いて提出。
[SBO:C26100]電子伝達系(酸化的リン酸化)とATP 合成酵素について説明できる。
[SBO:C17000]リン化合物(リン酸誘導体など)および硫黄化合物(チオール、ジスルフィド、チオエステルなど)の生体内での機能を化学的性質に基づき説明できる。
[SBO:C26100]電子伝達系(酸化的リン酸化)とATP 合成酵素について説明できる。
[SBO:C25800]エネルギー代謝の概要を説明できる。
事前学習
電子伝達系について薬学基礎生物学の復習を行っておく。
事後学習
ノートなどの整理を行った上で、課題の演習問題を解く。

11回
第11回 糖質代謝 (3)(額賀)
この講義では、直接ATP生産とは関係のない糖代謝系であるペントースリン酸経路及び、ウロン酸経路について学ぶ。また、グルコースの貯蔵のために利用するグリコーゲンの構造と機能、代謝について学ぶ。
[講義形式]対面型授業
[事前学習:2h]教科書の4章のグリコーゲンの代謝の部分を読んでくる。
[事後学習:2h]課題を解いて提出。
[SBO:C26200]グリコーゲンの代謝について説明できる。
[SBO:C27000]ペントースリン酸回路について説明できる。
[SBO:C26300]糖新生について説明できる。
事前学習
グリコーゲンというキーワードで教科書などを調べておく。
事後学習
ノートなどの整理を行った上で、課題の演習問題を解く。

12回
第12回 脂質の構造・消化と吸収(西口)
3大栄養素のひとつである、脂肪は生体内貯蔵型のエネルギー源として重要である。エネルギー源としての脂質の代謝過程について理解を深める。基礎生物学での学習をもとに、脂質を分類し、構造の特徴と役割を説明できるようになる。さらに、多くの脂肪酸の構造について描けるようになる。脂質の栄養成分の消化・吸収、体内運搬について概説できるようになる。
[講義形式]対面型授業
[事前学習:2h]パルミチン酸とステアリン酸、オレイン酸の構造が描けるか復習。
[事後学習:2h]課題を解いて提出。
[SBO:C22600]代表的な脂質の種類、構造、性質、役割を説明できる。
[SBO:C22200]細胞膜を構成する代表的な生体成分を列挙し、その機能を分子レベルで説明できる。
事前学習
薬学基礎生物学で学んだ脂質の構造について復習しておく。
事後学習
ノートなどの整理を行った上で、課題の演習問題を解く。

13回
第14回 脂質の運搬・脂質からのエネルギー生産(β酸化)(西口)
さらに、生活習慣病と関係の深い、血漿リポタンパク質の種類と機能について説明できるようになる。
末梢組織では、トリアシルグリセロールから遊離した脂肪酸はβ酸化により、エネルギー生産に利用される。
その過程について学習する。
[講義形式]対面型授業
[事前学習:2h]β酸化の意義について薬学基礎生物の授業を復習。
[事後学習:2h]課題を解いて提出。
[SBO:C24300]血漿リポタンパク質の種類、構造、機能を説明できる。
[SBO:C26400]脂肪酸の生合成とβ酸化について説明できる。
事前学習
薬学基礎生物学で学んだβ酸化について見直しておく。
事後学習
ノートなどの整理を行った上で、課題の演習問題を解く。

14回
期末試験を行います。
事前学習
試験勉強
事後学習

15回
事前学習
事後学習

16回
事前学習
事後学習

17回
事前学習
事後学習

18回
事前学習
事後学習

19回
事前学習
事後学習

20回
事前学習
事後学習

21回
事前学習
事後学習

22回
事前学習
事後学習

23回目
事前学習
事後学習

24回
事前学習
事後学習

25回
事前学習
事後学習

26回
事前学習
事後学習

試験及び成績評価
課題30%、期末試験70%で判定を行う。演習課題は期限を守る、目標点に到達するということを守ること。追試験は同様に判定する。再試験は、再試験の結果100%として行うが、その際、課題を全て目標点に到達した状態で提出していることが前提とする。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
課題に関しては、次回の授業中に解説します。
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
薬学領域の生化学(第2版)
伊東晃編集
廣川書店
9784567244114
一目でわかる医科生化学
訳:西澤和久
メディカルサイエンスインターナショナル
9784895924856
参考文献・推薦図書
アメリカ版大学生物学の教科書第1巻から3巻
レーニンジャーの新生化学(廣川書店/2019/¥9680:上下巻)
研究室
東金キャンパスK棟4F, K407 額賀
東金キャンパスK棟4F, K408 渋谷
東金キャンパスK棟5F, K502 西口
オフィスアワー
火曜日3−4限 (額賀;K407)
月曜日3−4限 (渋谷;K408)
水曜日4限,金曜4限 (西口;K502)
科目ナンバリング
学位授与方針との関連
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