シラバス情報

授業科目名
製剤学B
学年
3年
単位数
2.00単位
実務経験の有無
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
竹内 一成、森 健二
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語
授業方法区分
開講キャンパス
東金キャンパス
授業の到達目標及びテーマ
薬の専門家として、製剤化の意義と製剤の性質を理解するために、製剤設計および薬物送達システムに関する基本的事項を修得する。

DP:1
SGDs:3
授業の概要
① 必修科目
② 科目名(英語名):Galenical Pharmacy B
③ コアカリキュラム:E5(2), (3), F(2),薬学教育ガイドライン(3), 薬学アドバンスト(3), 教育ガイドラインC4
④ 授業形態:講義
⑤ 授業概要:医薬品の用途に応じた適切な剤形を理解したり提案したりできるように、製剤の種類、有効性、安全性、品質などに関する基本的事項、製造方法、製剤材料、製剤機器、容器、包装などについて概説する。また、製剤の特徴を捉え、患者の症状や病態に応じてどのように使い分けられているかを理解できるように説明する。さらに、薬物の投与形態や薬物体内動態の制御法などを工夫したDDS(Drug Delivery System:薬物送達システム)に関する基本的事項について概説する。
また、日本薬局方収載の製剤関連試験法は、医薬品の有効性および安全性を保証するために重要とされており、試験法の要点などについても触れる。
⑥ 授業で主に使用する言語:日本語

科目担当:森、竹内 詳細は各回に記載

授業計画
1回
第 1 回 製剤、製剤通則、包装(森)
【SBOs】
・製剤化の概要と意義について説明できる。
 ◎代表的な剤形の種類とその特徴および使い方について説明できる。
 ◎製剤通則について理解し、説明できる。
・汎用される容器、包装の種類や特徴について説明できる。
 (E29700, E30500)
【学習方法】 講義
事前学習
日本薬局方通則、製剤総則の『[1] 製剤通則』および『[2] 製剤包装通則』の項を読む。2時間
事後学習
テキスト p.122-138, 230-232 と掲示・配布資料の中から重要点について説明できるように復習する。2時間

2回
第 2 回 製剤各条、経口投与する製剤 (1)(森)
【SBOs】
・経口投与する製剤の種類とその特性について説明できる。
 ◎経口投与する製剤のうち、錠剤について、種類、使用方法、規格試験について説明できる。
 ◎錠剤の製造方法、添加剤の種類・用途・性質、打錠障害と原因について説明できる。
 (E29800)
【学習方法】 講義
事前学習
日本薬局方 製剤総則 [3] 製剤各条の『1. 経口投与する製剤 1.1. 錠剤』の項までを読み、理解を深める。2時間
事後学習
テキスト p.139-148, 220-221 と掲示・配布資料の中から重要点について説明できるように復習する。2時間

3回
第 3 回 経口投与する製剤 (2)(森)
【SBOs】
・経口投与する製剤の種類とその特性について説明できる。
 ◎カプセル剤の定義、特徴、規格試験、製造方法などについて説明できる。
 ◎顆粒剤の定義、特徴、添加剤、製造方法、製造機器などについて説明できる 。
 ◎散剤の定義、特徴、添加剤などについて説明できる。
・製剤化の単位操作、汎用される製剤機械および代表的な製剤の具体的な製造工程について説明できる。
 (E29800, E30400)
【学習方法】 講義
事前学習
日本薬局方 製剤各条の『1.2. カプセル剤』、『1.3. 顆粒剤』、『1.4. 散剤』の項を読む。2時間
事後学習
テキスト p.148-153, 216-218, 224-225 と掲示・配布資料の中から重要点について説明できるように復習する。2時間

4回
第 4 回 経口投与する製剤 (3)、口腔内に適用する製剤(森)
【SBOs】
・経口投与する製剤の種類とその特性について説明できる。
 ◎経口液剤の定義、分類について説明できる。
 ◎経口液剤(エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、リモナーデ剤)、シロップ剤について、定義、特徴、添加剤、製造方法などを説明できる。
 ◎経口ゼリー剤について、定義、特徴、添加剤、製造方法などを説明できる。
 ◎経口フィルム剤(経口フィルム剤、口腔内崩壊フィルム剤)について、定義、特徴などを説明できる。
・粘膜に適用する製剤(点眼剤、吸入剤など)の種類とその特性について説明できる。
 ◎口腔内に適用する製剤(口腔用錠剤;トローチ剤, 舌下錠, バッカル錠, 付着錠、ガム剤、口腔用スプレー剤、口腔用半固形剤)について、定義、特徴、添加剤、製造方法などを説明できる。
 (E29800, E29900)
【学習方法】 講義
事前学習
日本薬局方 製剤各条の『1.5. 経口液剤』から『2.4 口腔用半固形剤』の項までを読み、理解を深める。2時間
事後学習
テキスト p.153-156, 303 と掲示・配布資料の中から重要点について説明できるように復習する。2時間

5回
第 5 回 注射により投与する製剤(森)
【SBOs】
・注射により投与する製剤の種類とその特性について説明できる。
・その他の製剤(透析に用いる製剤など)の種類と特性について説明できる。
 ◎注射剤(注射剤、輸液剤、埋め込み注射剤、持続性注射剤)、透析に用いる製剤(透析用剤;腹膜透析用剤, 血液透析用剤)について、定義、特性、製剤形状と種類、添加剤、製造方法、適合しなければならない試験法を説明できる。
・代表的な医薬品添加物の種類・用途・性質について説明できる。
 (E30000, E30200, E30300)
【学習方法】 講義
事前学習
日本薬局方 製剤各条の『3. 注射により投与する製剤』、『4. 透析に用いる製剤』の項を読む。2時間
事後学習
テキスト p.156-171 と掲示・配布資料の中から重要点について説明できるように復習する。2時間

6回
第 6 回 気管支・肺に適用する製剤、目に投与する製剤、耳に投与する製剤、鼻に適用する製剤、直腸に適用する製剤、膣に適用する製剤(森)
【SBOs】
・粘膜に適用する製剤(点眼剤、吸入剤など)の種類とその特性について説明できる。
 ◎吸入剤、点眼剤、眼軟膏剤、点耳剤、点鼻剤、坐剤、直腸用半固形剤、注腸剤、膣錠、膣用坐剤について、定義、特性、製剤形状と種類、添加剤、製造方法、適合しなければならない試験法を説明できる。
 (E29900)
【学習方法】 講義
事前学習
日本薬局方 製剤各条の『5. 気管支・肺に適用する製剤』、『6. 目に投与する製剤』、『7. 耳に投与する製剤』、『8. 鼻に適用する製剤』、『9. 直腸に適用する製剤』、『10. 膣に適用する製剤』の項を読む。2時間
事後学習
テキスト p.171-175, 177-180 と掲示・配布資料の中から重要点について説明できるように復習する。2時間

7回目
第 7 回 皮膚などに適用する製剤、院内製剤、医薬品の品質管理(森)
【SBOs】
・皮膚に適用する製剤の種類とその特性について説明できる。
 ◎軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤について、定義、特性、製剤形状と種類、添加剤、製造方法、適合しなければならない試験法を説明できる。
・代表的な院内製剤を列挙できる。
・医薬品の品質に影響を与える因子と保存条件を説明できる。
 (E30100, F08001, F08200)
【学習方法】 講義
事前学習
日本薬局方 製剤各条の『11. 皮膚などに適用する製剤』の項を読む。2時間
事後学習
テキスト p.180-188 と掲示・配布資料の中から重要点について説明できるように復習する。2時間

8回
第 8 回 生薬関連製剤各条、生物学的同等性(森)
【SBOs】
・その他の製剤(生薬関連製剤など)の種類と特性について説明できる。
 ◎エキス剤、丸剤、酒精剤、浸剤・煎剤、茶剤、チンキ剤、芳香水剤、流エキス剤について、定義、特性、製剤形状と種類、添加剤、製造方法、適合しなければならない試験法を説明できる。
・製剤の特性(適用部位、製剤からの薬物の放出性など)を理解した上で、生物学的同等性について説明できる。
 (E30200, E30700)
【学習方法】 講義
事前学習
日本薬局方 製剤総則の『 [4] 生薬関連製剤各条』の項を読む。2時間
事後学習
テキスト p.189-193, 270-275 と掲示・配布資料の中から重要点について説明できるように復習する。2時間

9回
第 9 回 等張化の計算・電解質の濃度および量の計算、ドラッグデザイン(森)
【SBOs】
・食塩価法、氷点降下法、容積価法を用いた等張化の計算ができる。
・電解質の濃度および量を計算できる。
・体内動態・薬物代謝を考慮したドラッグデザインについて説明できる。
・副作用、毒性の軽減を目的としたドラッグデザインについて説明できる。
 (J10400, J10500)
【学習方法】 講義
事前学習
テキスト p.165-166, 175-177 と掲示・配付資料を読み、理解を深める。2時間
事後学習
テキストなどで等張化の計算・電解質の濃度および量に関する問題を解く。2時間

10回
第 10 回 一般試験法 (1)(竹内)
【SBOs】
・製剤に関連する試験法を列挙し、説明できる。
 ◎一般試験法のうち、化学的試験法、物理的試験法、粉体物性測定法、生物学的試験法、製剤試験法について説明できる。
 (E30600)
【学習方法】 講義
事前学習
日本薬局方の一般試験法のうち、化学的試験法、物理的試験法、粉体物性測定法、生物学的試験法、製剤試験法の項を読む。2時間
事後学習
テキスト p.233-242 と掲示・配布資料の中から重要点について説明できるように復習する。2時間

11回
第 10 回 一般試験法 (2)、DDS(Drug Delivery System; 薬物送達システム)(1)(竹内)
【SBOs】
・製剤に関連する試験法を列挙し、説明できる。
 ◎一般試験法のうち、製剤試験法について説明できる。
・DDS の概念と有用性について説明できる。
・代表的なDDS 技術を列挙し、説明できる。
 (E30600, E30800, E30900)
【学習方法】 講義
事前学習
日本薬局方の一般試験法のうち、製剤試験法の項を読む。2時間
事後学習
テキスト p.242-255, 278-282 と掲示・配付資料の中から重要点について説明できるように復習する。2時間

12回
第 12 回 DDS (2)(竹内)
【SBOs】
・コントロールドリリースの概要と意義について説明できる。
・投与部位ごとに、代表的なコントロールドリリース技術を列挙し、その特性について説明できる。
 ◎DDS製剤のうち、経口剤の放出制御型製剤について説明できる。
 ◎DDS製剤のうち、経皮治療システム、注射・注入型放出制御製剤について説明できる。
・コントロールドリリース技術を適用した代表的な医薬品を列挙できる。
・ターゲティングの概要と意義について説明できる。
・投与部位ごとに、代表的なターゲティング技術を列挙し、その特性について説明できる。
・ターゲティング技術を適用した代表的な医薬品を列挙できる。
 (E31000, E31100, E31200, E31300, E31400, E31500)
【学習方法】 講義
事前学習
DDS製剤のうち、経口剤の放出制御型製剤、経皮治療システム、注射・注入型放出制御製剤について調べる。2時間
事後学習
テキスト p.284-304, 308-323 と掲示・配付資料の中から重要点について説明できるように復習する。2時間

13回
第 13回 DDS (3)(竹内)
【SBOs】
・吸収改善の概要と意義について説明できる。
・投与部位ごとに、代表的な吸収改善技術を列挙し、その特性について説明できる。
・吸収改善技術を適用した代表的な医薬品を列挙できる。
 (E31600, E31700, E31800)
【学習方法】 講義
事前学習
吸収改善技術を適用した代表的な医薬品を調べる。2時間
事後学習
テキスト p.328-343 とテキスト p.165-166, 175-177 と掲示・配付資料を読み、理解を深める。2時間

14回
事前学習
事後学習

15回
事前学習
事後学習

16回
事前学習
事後学習

17回
事前学習
事後学習

18回
事前学習
事後学習

19回
事前学習
事後学習

20回
事前学習
事後学習

21回
事前学習
事後学習

22回
事前学習
事後学習

23回目
事前学習
事後学習

24回
事前学習
事後学習

25回
事前学習
事後学習

26回
事前学習
事後学習

試験及び成績評価
【対面式の授業が可能(定期試験も実施可能)となった場合】
・定期試験によって100%評価する。
・定期試験までの総合評価で合格基準を超えなかった学生には、再試験を行い100%評価する。
・定期試験を特段の理由で欠席し、欠席届の提出があったものに対しては追試験を行い100%評価する。

課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
定期試験については解答を掲示またはwebにより公開する。
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
製剤化のサイエンス
寺田勝英、髙山幸三
ネオメディカル
4860343115
製剤学Ⅰと同じ教科書の予定
参考文献・推薦図書
第十八改正 日本薬局方解説書−条文・注・解説−(廣川書店 / 2021 年 / 99,000 円)ISBN 978-4-567-01544-8
第十四改訂 調剤指針」日本薬剤師会 編(薬事日報社 / 2018 年 / 5,280 円) ISBN978-4-8408-1471-3 C3047
研究室
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科目ナンバリング
学位授与方針との関連
関連ページ
【全回の講義に関係するSBOs】
・科学、医療に関連する英語の代表的な用語を列挙し、その内容を説明できる。(H03800)
・自然科学各分野における基本的単位、数値、現象の英語表現を列記できる。(H04100)
・科学、医療に関連する英語の代表的な用語、英語表現を列記できる。(H04200)