シラバス情報

授業科目名
クリティカルシンキング
学年
1年
単位数
2.00単位
実務経験の有無
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
添野 勉
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語で実施する。
授業方法区分
開講キャンパス
紀尾井町キャンパス
授業の到達目標及びテーマ
 近代以降のコミュニケーションにおいては、客観的な根拠をもとに議論を組み立てることが公共的な議論の原則とされてきました。今日たびたび指摘される「エビデンス」という単語も、基本的には同様の認識のもとに使用されています。クリティカルシンキングとは「批判的思考」と訳され、世の中の言説に本当に根拠があるかどうかを考える姿勢のことを指し示します。この講義では、批判的思考を入り口として、「客観性」をもったコミュニケーションを行うための能力を身に付けることを目標とします。

授業の概要
「批判的思考」を行うためには、前提とされているいくつかの概念があります。また、「客観性」も決して万能ではありません。それぞれの人が考える「客観性」は何によって相違があるのか、他者のロジックを分析することも重要です。自身が批判的思考を実践し、他者のロジックに「共感」するのではなく「理解」するためにいかなる論点を踏まえる必要があるのかを、事例や映像とともに紹介しながら議論します。

授業計画
1回
ガイダンス(授業のテーマ、到達目標、授業の方法について説明)
到達目標:本講義の到達目標及びテーマ、概要について理解する。
事前学習
2h:シラバスを事前に確認し、不明な点を明らかにしておくこと。
事後学習
2h:次回以降の授業に備え、クリティカルシンキングの注意事項をまとめておく。

2回
「批判的思考」とは何か
到達目標:批判という行為および思考の特性を理解する。
事前学習
2h:「批判的に考える」とはどのようなことか、「批判」の辞書的な定義を確認しておく。
事後学習
2h:身近な事例について、「批判的思考」を実践してみること。

3回
「議論」をどう捉えるか
到達目標:公共的な議論において必要とされる要素を適切に把握すること。
事前学習
2h:自身のこれまで経験した「議論」進行上の課題がどこにあるかを想起すること。
事後学習
2h:自身の経験した「議論」にはどこに問題・課題があったかを言語化して記述すること。

4回
イデオロギーと「客観性」
到達目標:人はなんらかの視点に立たなければ「客観的」な視点から議論することができないことを自覚・認識する。
事前学習
2h:自分は議論に際してどのような立場・視点から物事を見る癖があるか、自身の「ものの見方」の癖を認識しておくこと。
事後学習
2h:自身の拠って立つ思想にはどのような特徴があるかを把握・記述すること。

5回
議論を組み立てる〜「論理的思考」とは何か1
到達目標:論理的思考の特徴について、理解できるようになる。
事前学習
2h:「論理的」であるとはどのようなことか、イメージを自身で組み立てておくこと。
事後学習
2h:これまで論理的に考察することが困難であった身の回りの事例を探し、どのように考えれば論理的な考察が可能かを実践してみること。

6回
議論を組み立てる〜「論理的思考」とは何か2
到達目標:論理的思考に基づいた思考、アウトプットを実践できるようになる。
事前学習
2h:論理的思考のためのフレームワークを下調べしておくこと。
事後学習
2h:論理性全体についてこれまでの内容を振り返っておくこと。

7回目
分析手法の把握1〜因果関係、演繹法、帰納法
到達目標:因果関係の証明の難しさ、演繹・帰納という基本的な分析手法を理解する。
事前学習
2h:「因果関係」とはどのようなものか、辞書的な定義を把握しておくこと。
事後学習
2h:演繹的解釈・機能的解釈について実際の事例を探してみること。

8回
分析手法の把握2〜文脈(コンテキスト)
到達目標:「状況認識」とはどのようなことか、理解できるようになる。
事前学習
2h:「現状を認識する」とはいかなることかを自分なりに整理して考えておくこと。
事後学習
2h:ナラティブについて考察できる具体的な事例を探してみること。

9回
仮説を組み立てる〜推論の仮構1
到達目標:仮説を組み立てる際の留意点を理解する。
事前学習
2h:自分がよく知らない物事に対して、仮説を立ててみること。
事後学習
2h:未知の事例に対して実際に仮説を立てて考察してみること。

10回
仮説を組み立てる〜推論の仮構2
到達目標:仮説を用いた推論のメリット・デメリットを理解する。
事前学習
2h:仮説は実際にどこまで検証可能なのかを検討してみること。
事後学習
2h:仮説の検証・選択についてこれまでの議論を振り返ってまとめること。

11回
「客観性」の限界と公共的「議論」
到達目標:「合理的解釈」の多様性・多層性への理解を深める。
事前学習
2h:他者の「合理的解釈」のロジックを検討してみること。
事後学習
2h:他者の解釈のロジックを事例を探して検討し、自身の批判的思考との異同を検討すること。

12回
実践問題のまとめ(これまでの実践問題の復習)
到達目標:クリティカルシンキングの基本を実際に行えるようになる。
事前学習
2h:これまでの実践問題を振り返っておくこと。
事後学習
2h:クリティカルシンキング自体を批判的な観点から検討してみること。

13回
まとめ
到達目標:これまでのまとめを総括し、思考の基本について実践的に理解する。
事前学習
2h:これまでの議論と論点を振り返り、要点をまとめておく。
事後学習
2h:クリティカルシンキングの実践についてまとめる。

14回
事前学習
事後学習

15回
事前学習
事後学習

16回
事前学習
事後学習

17回
事前学習
事後学習

18回
事前学習
事後学習

19回
事前学習
事後学習

20回
事前学習
事後学習

21回
事前学習
事後学習

22回
事前学習
事後学習

23回目
事前学習
事後学習

24回
事前学習
事後学習

25回
事前学習
事後学習

26回
事前学習
事後学習

試験及び成績評価
最終レポートを実施する。最終試験は課さない。
実践問題への取組み(30%)
最終レポート(50%)
講義への参加姿勢(20%)
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
講義中にフィードバックを行うほか、オンラインにて適宜フィードバックを行う。
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
講義時に資料を配付
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参考文献・推薦図書
『大人になるためのリベラルアーツ〜思考演習12題』(石井洋二郎、藤垣裕子/東京大学出版会/2016)
『新版 議論のレッスン』(福澤一吉/NHK出版/2018)
『基礎からわかるクリティカル・シンキング』(ジョナサン・ヘイバー(若山昇監訳)/ニュートンプレス/2022)
その他、授業中のトピックに応じて紹介する。
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