シラバス情報

授業科目名
外国史概説
学年
カリキュラムにより異なります。
単位数
2単位
実務経験の有無
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
塩出 浩和
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語
授業方法区分
開講キャンパス
オンライン(オンデマンド)
授業の到達目標及びテーマ
 人間社会のさまざまな事象(事件、制度、文化など)が現在あるような形と内容になった因果関係を探るのが歴史学である。例えば、たくさんの人が亡くなり、生産設備が破壊され、文化財が傷つけられた戦争があったとすれば、それが避けられなかったメカニズムを探るのが歴史学である。さしあたり、E.H.カーの『歴史とは何か』を紐解いて歴史学のあり方を考えたい。その上で、なぜ実証が大切かを理解していきたい。

授業の概要
 先ず、歴史を研究するとはどんな行為なのかについて考える。事実と史実と真実の違いはなにか。
 次に、日本以外の地域の歴史のなかから、いくつかのテーマを選んで、人類の歩みにおける因果律について考察したい。
 政治史を主としながらも、その裏にある、テクノロジー・経済活動や思想・宗教といった要因を重視して、人類社会の発展を概観する。
 授業形態は基本的には歴史学の講義であるが、時事的問題との関連にも触れていくため、進度とテーマの順番が変更になることがある。
 講義の紹介動画は下記。
https://youtu.be/WB-fh4Svuys

授業計画
1回
 「交通事故の原因」をどのレベルで考えるかで、歴史研究の意味が変わることを確認する。線形文字とフェニキア文字について。また、アジアにおける「記録と統治」の展開について。
事前学習
 「交通事故の原因」についての思考実験を歴史に当てはめてみる。そして、アルファベットの起源は何かについて考える。また、漢字の発生と歴史の誕生について考える。2時間。
事後学習
 戦間期の歴史研究からわかる歴史学の意味について考える。そして、名づけと詩的行為について考える。また、占いと法律の関係について確認する。2時間。

2回
 古代ギリシャと哲学の発生について。ナザレのイエスの革命運動について。パウロの布教と古代地中海世界について。また、教父からスコラ派へ。そして、その社会的背景。
事前学習
 ギリシャ文明の起源について考える。セム的一神教(ユダヤ教・キリスト教・イスラーム教)の共通点について確認する。キリスト教の脱ユダヤ化について考える。また、スコラ学は何かについて考える。2時間。
事後学習
 古代ギリシャ都市国家の民主主義を評価する。ローマ帝国の民族政策と宗教政策について確認する。ギリシャ文明がキリスト教に与えた影響について確認する。また、中世は停滞の時代か、変化の時代かを考える。2時間。

3回
 ムーサ—、イーサー、ムハンマドという系譜について考える。ポルトガル王国の成立と発展について。フィレンツェ・ジェノア・ヴェネツィアの発展について。また、イギリスにおけるアングロサクソン的伝統とラテン的伝統について。
事前学習
 イスラーム世界の成立について基本的な知識を確認する。レコンキスタの史実を確認する。中世イタリア諸都市の発展を確認する。また、ブリテン島おける諸王朝の統一過程を確認する。2時間。
事後学習
 イスラーム世界における科学と歴史学を評価する。イベリア半島のユダヤ人は何をしていたか考える。誰が芸術家のパトロンだったかを確認する。また、イギリスはヨーロッパか、について考える。2時間。

4回
 東アジア世界の成立について概観する。世界の他の諸古代文明からは相対的に孤立していた東アジアの生態系について理解し、そこで成立した文明の特徴を理解する。黄河・長江の流域に成立した農耕文化から初期国家の成立までを扱う。
事前学習
 高校時代に使用した年表と歴史地図などを参照して紀元前3世紀頃までの中国史を見直しておく。2時間。
事後学習
 東アジアの古代文明の諸要素のうち、近現代まで受け継がれてきたものは何かを確認しておく。2時間。

5回
春秋戦国期から秦代の中国と周辺地域についての理解を深める。諸子百家が輩出して中国伝統の諸思想が生まれた背景について考え、それらが後代にどう影響したかを検討する。
事前学習
諸子百家と呼ばれた思想家たちにどのような人物がいたか、おもな人について調べておく。特に、孔子・孟子・荀子についてチェック。2時間。
事後学習
後代の日本に入ってきた中国思想について復習する。2時間。

6回
中国文明とインド文明の交差点としての東南アジアについて理解する。中国文明の影響が強かった現在のベトナムにあたる地域とインド文明が主に流入した現在のミャンマー・タイ・カンボジアとインドネシアの一部の宗教・言語・食生活などの違いを認識する。
事前学習
大乗仏教の地域、上座部仏教の地域、それぞれの広がりを地図の上で確認しておく。また、それらの地域にイスラーム教がどのように入っていったかも見ておく。2時間。
事後学習
現代東南アジア大陸部と島嶼部の民族・宗教・言語分布の歴史的形成プロセスを復習する。2時間。

7回目
漢帝国の世界と東アジアの変化について理解する。「新」を挟んだとはいえ、「漢」の体制がどうして約400年という長期間続いたか、その理由を探る。
事前学習
漢代の中国で普及した金属加工技術のアジア全域への伝播について確認しておく。特に、青銅器に注目する。2時間。
事後学習
日本とベトナムの銅鐸の共通性について考える。また、儒教文化の広がりについて復習する。2時間。

8回
三国、五胡十六国から魏晋南北朝期の東アジアの変動について理解する。中国南北の生態系の違い、民族・民系(エスニシティ)の多様性、産業の相違が政治にどう反映したかについて考える。
事前学習
『魏志』などの中国歴史書の中の日本(倭国)に関する記述が高校の教科書でどう扱われていたか見直しておく。2時間。
事後学習
中国への仏教文化定着過程を復習しておく。また、そのプロセスと中国道教形成の関連を再確認する。2時間。

9回
隋唐帝国と東アジア世界の再編について。とりわけ、唐帝国の政治制度・文化・都市計画などが、日本・朝鮮半島・東南アジアに与えた影響について深く理解する。
事前学習
日本からの遣隋使・遣唐使の派遣タイミングと日中関係について確認しておく。2時間。
事後学習
唐代のユーラシア大陸東西交流の特徴について復習する。2時間。

10回
現存する中国伝統文化の基礎をつくった宋代について理解する。宋代に発展した中国都市文化が現代にどう影響したのか、さまざまな実例を通して考える。日本の禅宗僧侶の外交上・文化上の役割を国際関係から考察する。
事前学習
日本の平家政権と宋との関係を確認しておく。2時間。
事後学習
日本の禅宗寺院に残る宋代文化について復習しておく。2時間。

11回
史上最大の帝国モンゴルはどうして急速に拡大し短期間で分裂したか、その原因を探る。モンゴル民族の遠征軍の実態を理解する。
事前学習
モンゴル帝国の地理的範囲の時間的変化について、歴史地図などで確認しておく。2時間。
事後学習
モンゴル皇帝の民族政策・宗教政策の特徴を再確認しておく。2時間。

12回
最後の漢人王朝明についての理解を深める。明初の海外発展と東アジア世界の変化について。また、明代儒学の朝鮮・琉球・ベトナム・日本への影響について考える。
事前学習
朱子学と陽明学の違いを確認しておく。2時間。
事後学習
明代中国禅宗の日本での流布について復習する。特に、黄檗宗について。2時間。

13回
ウエスタンインパクトに翻弄された清帝国と東南アジアについて。清皇帝の漢民族文化受容プロセスを理解する。また、この時代のチベット仏教の拡散について考える。
事前学習
清代の書・絵画・篆刻などの日本文化への影響について確認しておく。2時間。
事後学習
清代漢籍を通した西欧事情を江戸期日本の知識人が入手した事情について復習する。2時間。

14回
事前学習
事後学習

15回
 
事前学習
 
事後学習
 

16回
 
事前学習
 
事後学習
 

17回
事前学習
 
事後学習
 

18回
 
事前学習
 
事後学習
 

19回
事前学習
事後学習

20回
事前学習
事後学習

21回
事前学習
事後学習

22回
事前学習
事後学習

23回目
事前学習
事後学習

24回
事前学習
事後学習

25回
事前学習
事後学習

26回
事前学習
事後学習

試験及び成績評価
中間レポート50%と期末レポート50%による。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
中間レポートの講評をする。
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
参考文献・推薦図書
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