教員名 : 近藤 航
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授業科目名
国際ボランティア論
学年
カリキュラムにより異なります。
単位数
2単位
実務経験の有無
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
近藤 航
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語
授業方法区分
開講キャンパス
東金キャンパス
授業の到達目標及びテーマ
本授業の到達目標は下記の3点にあり、国家を中心とする国際社会において、市民(・NGO)を中心とするボランティアにはいかなる意義があるのかを理解し、その精神(公益への奉仕精神)を尊重できる人の育成を目指す。
(1)「持続可能な開発目標 (SDGs)」とその背景にある現実を知ること。 (2) SDGsを達成するためには、「政府による開発協力」だけでなく「市民による開発協力」も重要となることを理解すること。そのために、後者の牽引役を担うNGOの実態(対外活動・内部構造)と法的な地位・役割・課題等を知ること。 (3) 獲得した知識を基に、自ら実践しうる身近な国際ボランティアのあり方について考察する力を養うこと。 授業紹介動画: https://jiu.webex.com/jiu/ldr.php?RCID=955ab2473cf96141c9562ba8546bcfd1 パスワード: wH96pD9Y 授業の概要
1. 科目名(英語名):国際ボランティア論 (Theory of International Volunteer Activity)
2. 授業形態:講義 3. 内容:草の根の「ボランティア」の主な担い手は“市民”であるが、一市民の力は限られているため、活動規模を拡げようとすればNGOのような組織的な活動が重要となる。しかし、NGOは選挙で選ばれた公人によって構成されているわけではないため、市民の代弁者としての正統性に疑問が投じられる存在でもある。正統性強化のために、NGOには自らその組織運営の実態について市民に対して明朗にすることが求められる。自身の活動の意義・効果について、学問的に説得力ある説明をすることも求められる。本授業では、この正統性強化という課題に着目する。そして、NGOの実態解明作業が日本ではどこまで進んでいるのかについて学ぶことにより、また、世界におけるNGO活動の潮流を踏まえつつ、活動の意義・効果を社会科学(法学等)の観点から多角的に究明することにより、NGOを中心とする国際ボランティアに関する見識を学問的に深めることを目的とする。 授業計画
1回
イントロダクション: ボランティアとNGOの意義
到達目標:ボランティアとNGOの存在意義を理解する。 事前学習
ボランティアとは何か、その意義(存在しなければ困る理由)とは何か、その担い手とは誰か(NGOの存在がなぜ重要となるのか)、について考えておくこと。
事後学習
授業時に配布したレジュメ・資料を読み直し、疑問点があればテキスト・参考文献・インターネット等で調べる。
2回
「持続可能な開発目標(SDGs)」
到達目標:SDGsの概要・背景にについて理解する。 事前学習
SDGsの17の目標とは何か、それらにはいかなる相関関係があるのか、それらの背景にある社会問題とは何かについて調べる。
事後学習
授業時に配布したレジュメ・資料を読み直し、疑問点があればテキスト・参考文献・インターネット等で調べる。
3回
「政府による開発協力」:日本のODA(政府開発援助)
到達目標:日本の「政府による開発協力」の概要について知り、それとの対比で「市民による開発協力」の意義を考察できる。 事前学習
日本の「政府による開発協力」の歴史と課題について調べ、それとの対比で「市民による開発協力」の意義を考えてみる。
事後学習
授業時に配布したレジュメ・資料を読み直し、疑問点があればテキスト・参考文献・インターネット等で調べる。
4回
「市民による開発協力」:日本のNGOの歴史的展開
到達目標:日本のNGOの歴史概要について理解する。 事前学習
『NGOデータブック2016』(発行:外務省、作成:国際協力NGOセンター〔JANIC〕、Web上で入手可。URLは以下の「参考文献・推薦図書」参照)の序章と第1章を読んでおくこと。
事後学習
授業時に配布したレジュメ・資料を読み直し、疑問点があればテキスト・参考文献・インターネット等で調べる。
5回
日本のNGOの財務(収入と支出)、会員制度
到達目標:日本のNGOの財務状況の特徴を理解する。 事前学習
『NGOデータブック2016』(発行:外務省、作成:国際協力NGOセンター〔JANIC〕)の第5〜6章を読んでおくこと。
事後学習
授業時に配布したレジュメ・資料を読み直し、疑問点があればテキスト・参考文献・インターネット等で調べる。
6回
世界のNGOの潮流 (1):グローバリゼーション —背景にある「新自由主義 (Neoliberalism)」とは—
到達目標:「グローバリゼーション」、「新自由主義 (Neoliberalism)」とそれらの影響について理解する。 事前学習
「グローバリゼーション」とは何か、その背景にあるとされる「新自由主義 (Neoliberalism)」政策と何か(その起源〔経済史〕、理論上のメリットとデメリット、日本に与えた影響)について調べておく。
事後学習
授業時に配布したレジュメ・資料を読み直し、疑問点があればテキスト・参考文献・インターネット等で調べる。
7回目
世界のNGOの潮流 (2):反グローバリゼーション運動とオルタ・グローバリゼーション運動
到達目標: ・「反グローバリゼーション」の考え方と課題を理解する。 ・「オルタ・グローバリゼーション運動」の発展経緯を理解する。 事前学習
・「新自由主義 (Neoliberalism)」に基づく「グローバリゼーション」の流れに対して、なぜ・どのような反対意見があるのか調べる。また、「反グローバリゼーション運動」という概念に内在する矛盾があるとすればそれは何か、考えておく。
・「世界社会フォーラム (World Social Forum, WSF)」とは何か、その起源と目的について調べておくこと。 事後学習
授業時に配布したレジュメ・資料を読み直し、疑問点があればテキスト・参考文献・インターネット等で調べる。
8回
NGOと法 (1):「国際社会の法」と市民への影響
到達目標:「国際法」のイメージを大きく捉えると共に、それが市民に与えうる影響について理解する。 事前学習
国際社会の法秩序維持を担う「国際法」とは何か(誰を規律する法か)について調べておく。また、国際法からわれわれ一般市民がいかなる影響を受けているのかについて考えておく。
事後学習
授業時に配布したレジュメ・資料を読み直し、疑問点があればテキスト・参考文献・インターネット等で調べる。
9回
市民生活と国際経済法
到達目標:市民の経済生活が、さまざまな国際的なルールによって守られていることを理解できる。 事前学習
二国間(例、FTA)、多数国間(例、TPP)、世界間(例、WTO)の3つのタイプの経済協力枠組みが並存する理由について考えておく。
事後学習
授業時に配布したレジュメ・資料を読み直し、疑問点があればテキスト・参考文献・インターネット等で調べる。
10回
NGOと法 (2):「国際社会の法」と市民による活用
到達目標:「国際法」を市民が活用できることを理解する。 事前学習
市民(・NGO)が国際法を活用して核廃絶運動を行った代表的な事例として、原爆判決(1963年、東京地裁)と核兵器使用の合法性事件(1996年、国際司法裁判所)が挙げられる。それらの概要を調べておく。
事後学習
授業時に配布したレジュメ・資料を読み直し、疑問点があればテキスト・参考文献・インターネット等で調べる。
11回
NGOと法 (3):「国際社会の法」(形式的法源)と市民による創造
到達目標:「国際法」の法源について知り、国際法(形式的法源)の創造に市民が重要な役割を果たしうることを理解する。 事前学習
対人地雷禁止条約(1997年)、気候変動枠組条約京都議定書(1997年)、国際刑事裁判所ローマ規程(1998年)の起草過程においてNGOが果たした役割について調べる。
事後学習
授業時に配布したレジュメ・資料を読み直し、疑問点があればテキスト・参考文献・インターネット等で調べる。
12回
NGOと法 (4):「国際社会の法」(実質的法源)と市民による創造
到達目標:国際法(実質的法源)の創造に市民が重要な役割を果たしうることを理解する。 事前学習
最貧国の債務帳消し運動、エイズ治療薬の特許問題、企業の社会的責任(CSR)とは何か、調べる。
事後学習
授業時に配布したレジュメ・資料を読み直し、疑問点があればテキスト・参考文献・インターネット等で調べる。
13回
NGOと法 (5):「国際社会の法」の主体(市民の法的地位)
到達目標:・NGOの国際法上の地位について理解する。 ・「政府による開発協力」を評価する際に市民が持つべき視点について深く考察できるようになる。 事前学習
・NGOの国際法上の地位について調べる。
・「政府による開発協力」を評価する際に市民が持つべき視点とは何か。それを踏まえた上で、「市民による開発協力」(国際ボランティア)の意義について再考する。 事後学習
授業時に配布したレジュメ・資料を読み直し、疑問点があればテキスト・参考文献・インターネット等で調べる。
14回
事前学習
事後学習
15回
事前学習
事後学習
16回
事前学習
事後学習
17回
事前学習
事後学習
18回
事前学習
事後学習
19回
事前学習
事後学習
20回
事前学習
事後学習
21回
事前学習
事後学習
22回
事前学習
事後学習
23回目
事前学習
事後学習
24回
事前学習
事後学習
25回
事前学習
事後学習
26回
事前学習
事後学習
試験及び成績評価
・学期末レポート:60% 、「本日のまとめ」(兼 出席確認):40%
・授業時数の1/3以上欠席した場合には、原則として学期末レポートの提出資格を失う。(したがって、単位を修得することはできない。) 課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
原則として、次回の授業で解説する。
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
特に指定しない。その代わりに、レジュメ・資料を毎授業時に配布する。
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参考文献・推薦図書
・松井芳郎『国際法から世界を見る ——市民のための国際法入門——』第3版、東信堂、2011年(2,800円+税)
・毛利聡子『NGOから見る国際関係 ——グローバル市民社会への視座——』法律文化社、2011年(2,300円+税) ・『NGOデータブック2016』(発行:外務省、作成:国際協力NGOセンター〔JANIC〕) ( https://www.janic.org/wp-content/uploads/2017/07/ngodatabook2016.pdf ) ・高柳彰夫・大橋正明(編)『SDGsを学ぶ ——国際開発・国際協力入門——』法律文化社、2018年(3,200円+税) ・馬橋憲男・高柳彰夫(編)『グローバル問題とNGO・市民社会』明石書店、2007年(2,600円+税) ・岡本榮一(編代)『ボランティア・NPO用語事典』中央法規出版、2004年(2,200円+税) ・『国際協力用語集』第4版、国際開発ジャーナル社、2014年(3,700円+税) 研究室
東金キャンパス H棟402号室
オフィスアワー
授業内で別途案内する。
科目ナンバリング
学位授与方針との関連
関連ページ
関連授業科目:「国際法」、「法律学概論」など
詳細は以下のURL参照 https://www.jiu.ac.jp/visitors/students/detail/id=1001 私が担当する上記関連授業科目のいずれも、十分な基礎知識(専門知識)がなくても受講可能である。『意欲・関心』があるならば、そのような学生(日本人学生と留学生の両方)の受講を歓迎する。ただし、授業内容を理解するためには、当然のことながら一定の日本語能力がどうしても必要となる。特に高い語学力は要求されないし、これまでも多数の留学生が受講してきたが、留学生は第1回の授業に出席してみて、ついていけそうかどうか判断すること。 |